モーゲージ支払い不履行猶予はどれくらいあるのか

こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。

アメリカ不動産市場を俯瞰する上で

過去

現在

未来

の三つの軸で見渡す流れについてお伝えしています。

不動産市場全体を眺めるうえでたった今注目したいのは、

「モーゲージの延払い」

です。

これについては

「8月30日を過ぎるとアメリカのモーゲージは危ない」

という点が強調されて報道されていますが、それと同時に

「モーゲージには180日間猶予とか、いろんな情報が交錯していてよく分からない」

というお声を聞きます。

8月30日

が一つの節目なのは事実ですが、同時に言葉だけを切り取れば

180日間の猶予

というのも事実です。

コロナウイルスが発生して以降、モーゲージに対してはどのような扱いになったのか。

それが今からどうなろうとしているのか。

過去数ヵ月からの流れを時間軸で整理しておきましょう。

今日も続けます。

モーゲージ保有者に対する保護の流れ

コロナウイルスによる影響が始まった直後、アメリカ市民の多くは

「住居」

に意識が向かいました。

景気後退が深刻になるということは

1.失業者が増える

2.給料が入らなくなる人々が増える

3.賃貸支払い、モーゲージ支払いが厳しくなる

という、遅かれ早かれ「住」に影響が及ぶだろうことが簡単に予測されたからです。

そこでコロナウイルスが本格化した直後、モーゲージに関してアメリカ不動産業界で真っ先に行動を起こしたのが

FHFA(連邦住宅金融庁)

でした。

現在は連邦政府の管轄下にある

フレディ・マック(Federal Home Loan Mortgage Corporation)

ファニー・メイ(Federal National Mortgage Association)

に対し、

「連邦政府保証付きのモーゲージについては60日間、物件差し押さえを実行しないように」

と指示を出しています。

その後に

「モーゲージの延払いを8月30日まで延長する」

と発表しました。

ここで整理しておきますが、「連邦政府保証付きのモーゲージ」とは何のことを指すのでしょうか。

アメリカで連邦政府保証付きローンといえば、

FHA loans(連邦政府住宅管理局ローン)

Veterans Affairs loans(退役軍人ローン)

USDA loans(アメリカ合衆国農務省ローン)

等があります。

(上記三種類についてはこちらにまとめています)

厳密には上記の特別なローンを取り扱う特殊銀行の類が存在するわけではなく、窓口は普通の民間銀行です。

それぞれの詳細は上記のリンク内に書いていますがその特徴を端的に言えば、例えば頭金一つにしても

各プログラムのモーゲージに求められる頭金

FHA loans ⇒ 3.5%

Veterans Affairs loans ⇒ 0%

USDA loans ⇒ 0%

と破格に少ない頭金、或いは全くゼロで融資を受けることが出来るのです。

連邦政府としては

「一人でも多くのアメリカ市民に住を提供する」

という狙いがあり、これらのプログラムを通して少ない頭金でも物件を購入出来るように配慮がなされています。

すなわち、今回はこの政府保証付きのモーゲージに対しては

1.モーゲージの不履行が発生しても60日間の猶予を

2.(その後)猶予策を2020年8月30日まで延長

と打ち出していたことになります。

そしてこの「1」と「2」の間に入ってきたのがケアーズ法(CARES Act)です。

ケアーズ法(CARES Act)によるモーゲージへの配慮

ケアーズ法はコロナウイルス拡大後にアメリカ国会が定めた法律です。

先の景気後退を鑑み、スピーディーに法案をまとめて2020年3月27日にトランプ大統領が署名しています。

ケアーズ法では様々な分野が網羅されていますが、この中でモーゲージに対しては下記の内容が決定されました。

(ケアーズ法からの意訳)

第一に、融資を行う金融機関は2020年8月31日まで物件の差し押さえは出来ない。

連邦政府支援機関、FHAローン、VAローン、USDAローンからの指示をもって金融機関は

・裁判所を通す差し押さえ

・裁判所を通さない差し押さえ

のいずれも行うことが出来ず、また

・現在手続き中の差し押さえ案件の完了

も行うことは出来ない。

この保護装置は2020年3月18日から始まり、2020年8月30日まで続く。

コロナウイルスの影響により経済的困難が続く場合、最初の180日間に続き、更にもう180日(合計360日)の延長猶予を申請することが出来る。

これらの延払いの権利に対しては当人が然るべき申請を行う必要があり、認可される場合はモーゲージの支払い遅延に対して

・追加手数料

・違約金

・追加利息

が課せられることはない。

これがモーゲージに関するケアーズ法が定めた趣旨です。

ここで時間軸で意識してみると、

2020年3月18日:FHFA(連邦住宅金融庁)が60日間の猶予を指示

2020年3月27日:ケアーズ法の制定

ですから、FHFA(連邦住宅金融庁)が素早く指示を出した後追いでケアーズ法が制定され、先のFHFA(連邦住宅金融庁)の指示を包括したことが分かります。

つまりたった今の時点で連邦政府保証付きのモーゲージに対して施行されているのは

  • 2020年8月30日までに発生した不履行には180日間の猶予を認める
  • その後にもう180日間の猶予もあり得る

となります。

例を上げると、

「4月20日にモーゲージ支払いを落とした人はそこから180日間の支払い猶予が認められ、更に厳しい状況が続くようであればもう180日の支払い猶予がある。」

「8月25日にモーゲージ支払いを落とした人はそこから180日間の支払い猶予が認められ、更に厳しい状況が続くようであればもう180日の支払い猶予がある。」

ということです。

ということはこの権利を行使できる債務者は一番遅いタイミングで

「2020年8月30日がモーゲージ支払い日だったが、そこで初めて支払いを落とした人」

であり、この債務者が状況が改善せずにさらに180日間延長する場合、2021年8月25日まで猶予があるということになります。

それでは実際のところ、どれくらいモーゲージ保有者が上記の猶予権利を行使しているのでしょうか。

Mortgage Forbearance(モーゲージ・フォーベアランス:差し押さえ権利行使の差し控え)

と呼ばれる権利を行使しているモーゲージについて、詳細を押さえてみましょう。

明日に続けます。


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