アメリカの家賃・ローン支払いの実情は今 ~ 中編

こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。

アメリカの家賃・ローン支払いの実情についてお伝えしています。

昨年までの数年間、

「アメリカ経済は景気後退に入る」

「今の株価はバブルだ」

と言われ続けてきた中で、本年初頭からついに景気後退のサイクルに入り始めました。

けれども景気後退サイクルの起爆が目に見えないコロナウイルスになろうとは、誰一人予想出来なかったのではないでしょうか。

きっかけはどうあれ、世界が2008年以来の景気後退の流れに突入したことは間違いありません。

景気サイクルは一個人や企業の力でどうにかなるものでもなく、全人類が地球号という名の大型タンカーに乗っているようなものです。

その大型タンカーは晴天下に調子よく進む時もあれば、ひどい大嵐に巻き込まれることもあります。

たった今はその大型タンカーはすっかり暗雲の入り口に入り、強風と雨の中で船全体が揺れ始めた段階といえるのではないでしょうか。

そして3月までの時点で

「この暗雲は避けられない。確実に酷くなる。」

と判断したアメリカ政府がとった緊急対策の一つがCARES(ケアーズ)と呼ばれるものです。

このCARES(ケアーズ)の中で賃貸物件のオーナーに関係してくる個所をもう一度書きます。

The Coronavirus Aid, Relief, and Economic Security (CARES) Act

家賃に対する施行期間:2020年3月27日~7月24日

内容:

家主もしくは管轄機関は下記の行為を行えないものとする。

・家賃その他付随する費用を支払えないことによる強制退去命令

・未払いを理由にする遅延料等の課金

・30日前の退去命令を7月25日よりも前に滞納者に送ること

このCARES(ケアーズ)により、賃貸物件のオーナー(オーナーに雇われる不動産管理会社)は7月25日まではテナントが家賃が支払えなかったとしても、

・遅延料金の加算

・30日前の退去命令発行

等の行為が行えなかったのです。

そこで私(佐藤)の中でも注目していたのは、

「CARES(ケアーズ)の期限(7月25日)は延長されるのか?」

という点でした。

結果として、本日までにCARES(ケアーズ)に代わる法律は制定されていません。

ということは、最短で今月の8月24日から強制退去の憂き目にあう人々の数が増える可能性があるということです。

今日も続けます。

もう一つの不安要素

ここから先に進む前に補足ですが、本年の3月27日に制定されたCARES(ケアーズ)とはもちろん賃貸生活者を保護することだけが目的ではありません。

当ブログの趣旨から賃借人保護の内容に先に焦点を当てましたが、実際には様々な国民保護政策がCARES(ケアーズ)の名のもとに定められています。

そしてCARES(ケアーズ)の大きな狙いの一つは「失業者の保護」です。

失業者が増えるということは

収入がなくなる

引越しを余儀なくされる

子供たちが転校せざるを得なくなる

収入が安定しない負のスパイラルが起きる

貧困率が高くなる

治安が悪化する

等、あらゆる連鎖反応が予想されます。

果ては国のGDP(国内総生産)にも甚大な影響を及ぼしますから、失業者が増えることは避けられないにしても、失業者支援は重要な政策となるわけです。

そこでCARES(ケアーズ)においてはコロナウイルス拡大後の失業者保護の政策として

  • Pandemic Unemployment Compensation:パンデミック失業手当
  • Pandemic Emergency Unemployment Compensation:パンデミック緊急失業手当
  • Pandemic Unemployment Assistance:パンデミック失業者支援

の三つが掲げられています。

それぞれの違いは詳細が非常に細かいのですが、ざっくりいえば二番目と三番目は通常の失業手当を受けるレベルよりもさらに厳しい状況にある方の為のものです。

ここでは一番最初のレベル、

Pandemic Unemployment Compensation:パンデミック失業手当

に注目してみます。

パンデミック失業手当とは

パンデミック失業手当はその名の如く、通常の失業手当に加えて「パンデミック期にあたる臨時の手当」です。

ごく簡単にいえば、7月25日までは

「これまでの通常の失業手当」 + 「毎週$600の支給」

この毎週$600の追加手当が頂けたのです。

この$600については日本ではあまり報道されていないように見受けられましたが、通常の失業手当に加えて一週間に$600であれば悪くはないように思えますね。

では実際のところ「これまでの通常の失業手当」とはいくらだったのでしょうか?

これは申請者が暮らす州によって違いがありますので一概には言えませんが、例えばカリフォルニア州の場合は通常の失業手当は

$40 ~ $450/週

です。

例えば上限の$450を1ヵ月に4回(4週間)受け取ったとすると

$1,800($450 × 4回)

ですから、これに1週間$600を加えると4週間で

$2,400($600 × 4回)

で、

合計 $4,200($1,800 + $2,400)

これが上限です。

事実上、4月以降に$4,200以上の失業手当をもらう人は存在しなかったことになります。

一人ひとりの稼ぎに応じて算出されますが、この最高額をもらえた人々は高給取りであったことは推察できますね。

けれどもその平均をとって通常の失業手当が

$245/週

であった人の場合はこれに$600を加えて

$845/週

となり、これが4週間であれば

$3,380($845 × 4回)

と、7月25日まではこの手当を受給できたことになります。

ではカリフォルニア州の家賃平均はいくらかといえば、2020年1月の時点で$1,463でした。

これを参考にすると

$1,917($3,380 – $1,463)

で、あくまで平均を見た理論値でいえば十分生活できそうです。

ところがここからは$600の追加がなくなりますから、通常の平均手当

$245/週

に戻ると4週間で

$980($245 × 4回)

。。。

無理です。

多くの失業者が現状の家賃は支払えませんし、確実にダウンサイジングが必要となります。

そして実際にはすでに6月までに30%の人々が住居費の支払いを出来なかったわけですから、現状は上記の理論値よりもさらに悪いことが分かります。

明日に続けます。


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