アメリカ不動産投資からのリターン:減価償却 ~ ②

こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。

アメリカ不動産投資から考えられるリターンについて、

キャッシュフロー

減価償却

エクイティ

元金減少

の4点についてお伝えしています。

昨日は2番目の減価償却について、トランプ大統領の嫁婿であるジャレッド・クシュナー氏の例を上げました。

クシュナー氏のケースについて、もう一度数字で見てみましょう。

クシュナー氏の2015年度所得

合計所得:170万ドル(約1億9000万円)

内訳:給与、投資利益

損失:830万ドル(約9億3000万円)

このように2015年においては約1億9000万円の収入があったものの、損失は約9億3000万円です。

明らかに大幅な赤字となっています。

税制上は手元に残ったお金に課税されるわけですが、クシュナー氏の場合は帳簿上で大きくマイナスになっていますから課税はされず、約1億9000万円の所得がそのまま手元に残っています。

メディアではこのクシュナー氏の赤字の原因を

「減価償却などによる損失」

と伝えています。

これを読み解くヒントは昨日ご紹介した記事のタイトルにあった

「トランプ大統領の娘婿、8年間所得税0円?総資産363億円なのに…」

これです。

総資産363億円に対して約9億3000万円の損失

計算に慣れている不動産投資家であればこの数字を見て一発で分かるかと思いますが、

「減価償却などによる損失」

どころかこの数字は

「ほぼ全てが減価償却による損失」

のはずです。

ちなみにジャレッド・クシュナー氏の職業は不動産開発業者です。

もう分かりますね。

クシュナー氏はそれでなくとも不動産の専門家であり、自分自身の所得に対して減価償却利益をフル活用しているのです。

  • 減価償却費を経費計上できる
  • その経費が収入を上回っている

この式では税金は発生することはありません。

以前、公認会計士の知人がこぼしていた言葉があります。

「ほとんどの人が手元に入る収入に意識がいっている。」

「けれども今あるお金を減らさないことも収入を得たことと同義なんだよ。そこに気づかない人が実に多い。」

これは至言だと思います。

ついつい私たちは給与なり投資からのキャッシュフローなり、自分の口座に流れてくる金額の高に注目しがちです。

けれども手元から出ていくはずのキャッシュが出ていかないとなれば、それは確かに稼いだことと同義になろうかと思います。

こと不動産投資の場合、何か仕入れたものが売れ残って過剰在庫で赤字になるわけではありません。

広告費と固定費ばかりがかさんで赤字になるわけでもありません。

すでに購入した実体のある現物、不動産物件そのものが「そこに建っているだけ」なのに

減価償却費 = 建物比率 × 物件購入価格 ÷ 27.5

(*アメリカの住居物件減価償却期間は27.5年)

この式で出てくる減価償却費を毎年経費計上できることになるのです。

考えてみると

「ちょっとずるいんじゃないか」

とも思えるような税制ですが、あくまでも米国政府が1934年から定めているルールであり、アメリカ居住者に住を提供する為の刺激政策として今日まで継続されています。

(*減価償却費用の概念についてはアメリカのみならず、ほとんど国で同様の税制が継続されていると思います)

Cost Segregation:コストセグリゲーション

このような減価償却の概念は不動産投資を志す多くの方々に知られているところですが、本項ではもう一歩踏み込んでおきましょう。

ここは不動産投資を実行していてもご存じない方が多いことの一つですが、減価償却費を算出する上では

Cost Segregation(コストセグリゲーション)

という手法があります。

コストセグリゲーションは建物に属する動産資産を分類し、各動産資産を建物よりも短い期間に償却する手法です。

ここではざっくり

  • 1ミリオンの物件
  • 建物比率80%

で例を上げると、建物のみで減価償却していく場合は$800,000が27.5年かけて償却されていくことになります。

これに対して建物部分を動産資産に分解する場合、各減価償却期間は

ビルディング部分:27.5年

インプルーブメント部分:7年程度

コンポーネント部分:5年程度

と減価償却対象総額は同じ$800,000ながらも、その一部が短期で償却される為に償却速度が速くなるのです。

結果として初期の段階では手元に残るキャッシュは建物比率のみでいく場合と比べて2倍以上の差が出てくることが普通です。

ここではコストセグリゲーションの概念のみに留めておきますが、減価償却にはこのような奥深い手法もあることを覚えておきしょう。

「償却費が2倍以上になるってずるくないですか?やりすぎでは?」

そう思われる節もあるかもしれません。

けれどもこのコストセグリゲーションもまた、「米国政府が納税者に奨励している」のです。

その証拠がこちら

英語版そのままですが、IRS(アメリカ合衆国内国歳入庁)がコストセグリゲーションのテクニックについてその正しい手法を公に公開しています。

かくして、不動産投資において減価償却という概念は非常に強力なリターン要素の一つとなっています。

また繰り返しとなりますが、減価償却はいつかその物件を売却するのであれば、あくまでも税金の繰り延べに過ぎません。

これはどんな物件にとっても同じですし、前述のクシュナー氏の場合も仮に不動産資産を全て売却するのであれば

「過去に繰り延べした税金は売却時に支払わねばならない」

ということになります。

売却を実行すればクシュナー氏はそれこそ本当に破産しかねないでしょうし、おそらくクシュナー氏もまた

・死ぬまで保有する(簿価と物件価値の差額を墓場までもっていく)

・1031 Exchangeで価値の高い物件と交換する

という考え方で生涯いくつもりではないでしょうか。

明日に続けます。

【免責】
昨日からお伝えしている減価償却の概念については、あくまでもアメリカ不動産投資に関連する一般情報として公開しています。
佐藤は公認会計士の資格は有しておらず、これらの項に節税アドバイスの意図はありません。
ご自身に適用する場合は必ず、事前に公認会計・税理士に相談してください。


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