FRB政策金利の下げが好影響

こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサル タントとして働く佐藤です。

ご存知のように、先だってFRBが臨時に金利を0.5%下げる決定を下しました。

この決定を受けて翌日には早速株式市場に好材料として反映され、金融取引に関わる法人・個人に歓迎されたのは記憶に新しいところです。

株価そのものはその後に散々な状況に追い込まれていますが、不動産市場では現在のところ好影響が続いています。

その最たるものは「リファイナンシングの後押し」です。

物件を購入した際にモーゲージを組む場合、その時にFRBが定める政策金利に応じて各金融機関がローン金利を定めることになります。

政策金利が高くなればローン金利も応じて高くなり、反対に低くなればローン金利も低くなるわけです。

アメリカ不動産市場では2007年から始まった不動産価格暴落の時には事実上のゼロ金利政策が行われ、それ以降は徐々に金利を回復しつつありました。

とりわけ昨年は年末に向けて大きく金利を戻し、2019年11月あたりの時点では5%に近づいています。

けれども12月からは金利は徐々に下がり、本年に入ってからは更に金利が下がりつつありました。

そこに追い打ちをかけるかのようにコロナショック。

今回の政策金利の下げに不動産金融が大きく反応し、とりわけリファイナンシングの後押しが始まっているのです。

政策金利の下げは具体的に数字にはどのような影響を与えたのでしょうか。

今日は、FRBがコロナショックへの対策として実施した政策後に起こっているアメリカ不動産金融の変化を確認しておきましょう。

好影響を数字で見る

まずは金利の変化ですが、先週の時点で平均ローン金利は30年固定金利で3.29%を記録しました。

これは近年見た金利の中でも記録的に低い数字です。

例えば前回の世界金融危機の際には2012年11月には3.35%を記録しました。

つまり、今回記録した3.29%という金利は2012年11月時点の金利よりも低いことになります。

数字で見ると、今回のコロナショックがアメリカ不動産金融にもただならぬ影響を及ぼしていることが分かります。

昨年末までに物件を購入した人々からしてみれば羨ましい数字です。

とはいえこれら高い金利を掴んでしまった人々は諦める必要はなく、ここまで数字が下がってくるとリファイナンスの好機。

モーゲージを今回の低金利で組み直すリファイナンスを行うことで、今の金利を同様に享受出来ることになります。

具体的に数字でいきましょう。

試算によると、たった今の時点でアメリカ全土でリファイナンスの恩恵を受けられる人々は1,300万人にも昇ります。

リファイナンスの恩恵を受けられる人々の数としては文句無く、アメリカ不動産金融史上で最大の人数です。

そしてこの1,300万人がモーゲージを組んだ際の金利で計算すると、最低でも75ベースポイントは金利を下げることが可能になると試算されます。

備考:ベースポイント(Basis Points)
ベースポイント(Basis Points)は不動産金融で使われる単位で、(1 bases point = 1/100 %)です。

75ベースポイントの場合だと

75 × 1/100% = 0.75%

であり、0.75%でリファイナンスが組めると結構な金額を節約できることになります。

厳密にはリファイナンスを組む際には手数料が発生しますが、それを加味しても長期的にはモーゲージ返済が楽になるのです。

ちなみにリファイナンスのみならず、今回の金利低下は新しくモーゲージを組む人々にとっても朗報となり得ます。

というのは、設定された金利の高さはそのまま審査基準にも影響するからです。

例えばAさんがモーゲージを組もうとした時に

金利4.0% ⇛ 融資審査を通らず

だったはずが、

金利3.29% ⇛ 融資可能

となる場合があります。

実際の試算によると、先週に3.29%まで金利が下がった段階でなんと170万人の人々に融資審査を通る可能性が開けたとのこと。

この「融資審査通過候補者」の数は1年前と比較すると約60%の上昇です。

そこでリファイナンスに話を戻すと、このリファイナンス候補者1,300万人が全員リファイナンスを実行に移す場合、平均で毎月の支払いが$277の節約になる計算です。

結果として毎月のアメリカ不動産金融に流れる返済額に約$3,500,000,000もの差が出てくることになります。

けれども変動金利には注意

ここまでは先日のFRB政策金利から見られるアメリカ不動産金融の固定金利についてお伝えさせて頂きました。

けれども実は、高い固定金利を組んだ人々以上に今回の好材料をモノにするべきはモーゲージを変動金利で組んだ人々です。

ここ最近の項でアメリカ不動産価格に暴落が起こるとすれば、その条件の一つに

「変動金利が上昇に転じて一定の推移に達した時」

とお伝えしています。

通常、変動金利は固定金利よりも低く設定されています。

目先数年のモーゲージ支払いを楽にする為、ローンを組む際に固定金利ではなく変動金利を選ぶのです。

そして今回の固定金利の下げに応じて変動金利もまた大きく下がっています。

けれども変動金利が見せる数字上の金利はあくまでも「入り口」の話です。

変動金利を組む場合は個別に条件が設定されて契約がなされており、

「5年間はこの金利で、6年目からは相場に応じて金利を変更する」

等の約束が交わされています。

その5年後に市場の状況が良ければいいのですが、市場が悪ければ金利が一気に上昇する可能性もあるわけです。

事実、近年アメリカ不動産価格を加速させた最も大きな要因の一つは「金融機関が変動金利を一気に上昇させたこと」でした。

この詳細については長くなりますのでここでは控えますが、今回のコロナショックによる金融不安が続く場合、金融機関が変動金利を一気に上げてくる可能性も否めないわけです。

その意味では今回の金利条件の好転を受けて、変動金利でその時の固定金利よりも安いレートで組んでいた人々は、今の固定金利が下がったタイミングで固定金利に組み直すべきでしょう。

その方が自分の為ですし、むしろアメリカ不動産業界全体のことを考えれば

「変動金利で組んでいた人々は、今のタイミングで固定金利に変更を」

このように呼びかけるのが個人のみならず、全体として不動産価格暴落を防ぐ一つの良策になると思うのです。

今のところ不動産市場に好影響を与えそうな金利の変化ですが、間近の不動産金融市場はよく観察しておきましょう。



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