Probate(プロベイト)と相続税を避ける方法 〜 Living Trust(リビング・トラスト)を使う 〜 後編

こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサル タントとして働く佐藤です。

Probate(プロベイト)に関するお伝えに始まり、Probate(プロベイト)と相続税を避ける方法についてシリーズでお伝えしてきましたが本日で最後です。

シリーズの最後として、一昨日からLiving Trust(リビング・トラスト)についてお伝えしています。

Living Trust(リビング・トラスト)そのものには

Aさん … 遺産を相続される者(Beneficiary:ベネフィシャリー)

Bさん … 遺産を相続する者(Settlor、Grantor、Trustor:セトラー、グランター、トラスター)

Cさん … 定められた遺産の扱い方を実行する者(Trustee:トラスティ)

の三者が登場することになります。

基本的な概念としては

Bさんの他界後にBさんの意思をCさんが実行し、Aさんがその意向に沿って財産を相続する

というものです。

安全な取引を確立する上でこのような法的に認められた三角関係はしばしば使われています。

例えば不動産権の譲渡では

Aさん … 融資機関

Bさん … 買主

Cさん … タイトル会社、弁護士

であり、不動産売買そのものでは

Aさん … 買主

Bさん … 売主

Cさん … エスクロー会社

の三角関係がこれに相当します。

全てに共通するのは、「Cさんが第三者として約束事の実行を引き受ける」というものです。

不動産権の譲渡でこの三角関係はTrust Deedと呼ばれ、カリフォルニア州ではほぼすべての融資案件においてこのTrust Deedが使われています。

このTrust Deedが使用される一番の理由は

「債務不履行が発生しても、物件を差し押さえる上で裁判所手続きを踏む必要がない」

からです。

もしも伝統的なお金の貸し借りで

Aさん … 融資機関

Bさん … 買主

の二者しかいない場合、Bさんが債務不履行となる場合はAさんが物件を差し押さえることが出来るはずです。

ところがここでこの二者しか存在しないのであれば、全てが約束通りに進むかは疑問が残ります。

Aさんが不必要な(あるいは違法な)レベルでBさんを物件から追い出すことがあるかもしれませんし、反対にBさんが居直って物件に居座り続けることも考えらえます。

けれどもここで双方いずれにも肩入れすることのない第三者が約束どおりに(法律に従って)物事を進めてくれるのであれば、裁判所は介入する必要がありません。

この役割を果たすのがCさんであり、Cさんという存在が最初からいるからこそ債務不履行発生時であれ遺産相続の時であれ裁判所は介入する必要がないのです。

けれども興味深いことに、Living Trust(リビング・トラスト)における

Aさん … 遺産を相続される者(Beneficiary:ベネフィシャリー)

Bさん … 遺産を相続する者(Settlor、Grantor、Trustor:セトラー、グランター、トラスター)

Cさん … 定められた遺産の扱い方を実行する者(Trustee:トラスティ)

この関係ではあなた(Bさん)がCさんであるTrustee(トラスティ)を兼ねることになります。

とはいえ、もちろんこのLiving Trustの内容に沿って遺産相続が実行に移されるのはBさんが他界された後です。

その為、Living Trust(リビング・トラスト)ではSuccessor trustee(サクセッサー・トラスティ)というSettlor(セトラー)が定めた意思を実行する人も指定される必要があります。

Revocable Trust(リボーカブル・トラスト)とIrrevocable Trust(イリボーカブル・トラスト)

そして厳密にはTrustには

Revocable Trust(リボーカブル・トラスト)

Irrevocable Trust(イリボーカブル・トラスト)

の二種類があることも覚えておきましょう。

「Revocable」とは「取り消し可能な・無効に出来る」等の意味があり、「Irrevocable」の場合はその反対です。

つまり、

Revocable Trust(Trustを組んだ後に内容を変更出来る)

Irrevocable Trust(Trustを組むと内容は変更出来ない)

という意味の違いになります。

とどのつまり、Revocable Trust(リボーカブル・トラスト)であれば一度Trustを組んでもその内容は後からいくらでも修正・加筆が可能となります。

Trustを立てた後でも状況が変わることはいくらでもあり得ることで、

・相続人を増やす(減らす)

・相続内容を増やす(減らす)

等の変更に対応できる為、Living Trust(リビング・トラスト)はRevocable Trust(リボーカブル・トラスト)で組まれる場合が通常です。

そう考えると、Irrevocable Trust(イリボーカブル・トラスト)でTrustを組む理由はあるのでしょうか。

実はIrrevocable Trust(イリボーカブル・トラスト)の場合、Settlor(セトラー)が他界してTrust内容が実行されて不動産資産がSettlor(セトラー)の手から離れた場合でもそこに「Estate tax:遺産税」がかかりません。

言い換えると、Irrevocable Trust(イリボーカブル・トラスト)の場合はTrustに署名した瞬間に不動産物件への影響力を失うわけですから「(実質的に)不動産権を放棄したものには課税しない」という考え方になるのです。

また別の例として、「認知症が進んできた」という方がIrrevocable Trust(イリボーカブル・トラスト)を組む場合もあります。

ご自身で

「この先、自分が資産相続内容を自分の意思とは反して変更してしまうかもしれない」

と自覚される方が、未来の自分に起こり得る行為から現在の自分の意思を守る為にIrrevocable Trust(イリボーカブル・トラスト)を組む場合もあるわけです。

。。。

Living Trust(リビング・トラスト)はアメリカ国外に在住する個人でアメリカ不動産資産をお持ちの方にとっては重要なテーマにもなり得る為、3日間に渡り噛み砕いてお伝えさせて頂きました。

Living Trust(リビング・トラスト)を組む場合は弁護士を雇わずともオンラインで自分でも作成が可能です。

とはいえ、アメリカ国外在住の方がLiving Trust(リビング・トラスト)を組む場合は状況がより複雑である場合が多いと思いますので、Living Trust(リビング・トラスト)を組む場合はきちんと専門の弁護士を雇うことをお薦めします。


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