資産相続リスク ~ Probate(プロベイト)にかかる費用 ~ 後編

こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサル タントとして働く佐藤です。

一昨日からProbate(プロベイト)についてお伝えし、かかる費用についてやや生々しい項目に入り始めています。

遺言・遺書を残すことの出来なかった故人の遺産を整理する際、アメリカではProbate(プロベイト)と呼ばれる裁判所手続きに入ることになります。

その目的はどの遺族によるいかなる思惑も入り込む余地がないよう、法律に沿って適切に権利者に遺産を分配することです。

けれどもProbate(プロベイト)には時間とお金がかかりますから、最善策はアメリカに資産を所有する方は生前にTestate(テステイト:法に有効と認められる遺書)を残しておくことだと思います。

または、アメリカ国外に暮らす方が講じることの出来る対策として最も現実的なのはLiving Trust(リビング・トラスト)を立てることでしょう。

Living Trust(リビング・トラスト)についてはまた項を改めてお伝えしたいと思いますが、今日はProbate(プロベイト)にかかる費用を締めくくって本シリーズを終了させて頂きます。

修繕コスト

故人が不動産物件を所有していた場合は当然ながらその物件そのものをどうするかの話になりますが、例えば遺族の中で

「この物件は私が欲しい!」

という方が現れたとしても、相続税だけ支払ってそのまんまその方の名義を移し替えるというのでは他の遺族は納得しないでしょう。

この場合、一般的には遺族であっても「然るべき不動産市場価値をもってその遺族が買い取る」方法が推奨されます。

その方が遺族間で遺恨を残さないからです。

またこの遺族が買い取るパターンは通常、

1.物件調査を行い、修繕箇所をあぶり出す

2.修繕にかかる見積もりを取る

3.修繕費用を市場価値から差し引く

という形であれば、

・買い取る遺族も納得の価格になる

・第三者に売るわけではない為、遺族は売却前の修繕を行う必要がない

・ブローカーを雇う必要もない

という観点から、遺族の出費としては最も安価に収まります。

けれども買い取りたい遺族が誰もいない場合は「市場に出して売却」という手段しかありませんから、この場合は遺族間で修繕費用を出し合って売却の準備をすることになるわけです。

実際には売却には

・現状のままAs isで売却して修繕費用を値引く

・修繕してピカピカにしてから売却

の二通りのパターンが考えられますが、地域市場にはそれぞれの性格があります。

⇛ As isでも普通に売れる地域市場

⇛ 修繕しないと振り向いてもらえない地域市場

という、地域市場ごとの性格の違いは確かにあるものです。

そうすると後者の場合、まず修繕してお化粧してからでないとAs isで市場に出したとしても何ヶ月も市場に残り続けることになりかねません(後述しますが、この場合は結構な維持費がかかることになります)。

そこで物件全体の修繕については物件サイズにもよりますが、

$1,000 〜 $50,000

くらいの幅で考えておく必要があります。

価値の査定

話が前後しますが、上記の理由で

・遺族の誰かが購入する

・第三者に売却するべく市場に出す

のいずれかのパターンで遺産整理することになりますが、いずれの場合でも「不動産鑑定士による査定は必須」と考えておきましょう。

遺産相続で物事を決定する時には何よりも「遺族の誰とも関わりのない、第三者による客観的な視点と決定」が最も大切です。

裁判所手続きそのものが第三者による介入となるわけですが、不動産資産を整理する場合の一番の論点は

「この物件はいくらの価値があるのか?」

という財産としての価値を定める部分です。

「$◯◯◯◯◯◯くらいじゃないか?」

などと遺族の誰かが定めようものなら、そこから感情論に発展していくことは必至。

だからこそ物件の価値を査定する為にReal Estate Appraiser(不動産鑑定士)に依頼してきちんとした不動産価値を確認する必要があるのです。

そしてこの不動産価値をもって、遺族同意の下に

・遺族で購入したい人が購入するべき価格

・市場で売却する価格

のいずれかを定めることになります。

ちなみにこの時、不動産鑑定士を雇う遺族の代表は裁判所が指名するExecutor(遺産整理の代表実行者)でなくてはなりません。

ある意味このExecutorには法的な責任がかかることになりますが、裁判所が定める報酬も出ることになります。

遺産相続において誰もちょろまかすことがないよう、専門家を雇う行為すら裁判所に指名された人物が行う必要があるのです。

そこで不動産鑑定士を雇う費用は物件サイズと地域市場により違いがありますが、

$300 〜 $5,000

あたりの範囲で理解しておくとよいと思います。

物件の維持費

故人が残した不動産資産を遺族の誰も購入せずに市場で売却すると決めた場合、案外ここが遺族が気づかない支出項目です。

故人の不動産資産を市場で売却するProbate sale(プロベイト・セール)については明日の項で詳細をお伝えしたいと思いますが、Probate sale(プロベート・セール)を完了させるまでの期間(クロージングまでの期間)は

6 〜 12ヶ月

は見ておく必要があります。

つまり、クロージングをもって第三者の所有物となるまでは故人の名義のままであり、この半年から1年の間は

・毎月のモーゲージ

・毎月の水道光熱費

・毎月のHOA(ホームオーナーアソシエーション)費

・固定資産税

等の物件維持費を支払い続ける必要がある、ということです。

とりわけ不動産価値の高い物件であるほどこれらの費用は高くなりますから、第三者に売却すると決める遺族は事前にこれらの物件維持費についても承諾した上で先に進めるべきだろうと思います。

。。。

3日間に渡りProbate(プロベイト)についてお伝えさせて頂きました。

思いがけず長いシリーズになりましたが、結論として

「裁判所を通して遺産整理するProbate(プロベイト)は極力避けた方がいい」

というメッセージはお掴み頂けたのではないでしょうか。

ちなみに私(佐藤)自身は

「資産は個人では所有せずに運用する(住も運用に乗っけて暮らす)」

という生き方を選んでいますので、子孫が整理に困ることはないと思います。

けれども、もしもあなたがアメリカに不動産資産を故人名義で所有している場合は

Living Trust(リビング・トラスト)

を立てる方法が最も有効です。

まだまだ先のことであったとしても、本シリーズでお伝えした内容をもって将来の資産の在り方を検討されることをお薦めします。


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