家賃の値上げに関する知識を深めてみる 〜 前編

こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。

アメリカでは現在の住宅供給不足の結果として賃貸需要が引き続き高まっています。

想像に容易いと思いますが、賃貸需要が最も高いのは人口の多い沿岸沿いの地域です。

特に経済の中心となる地域では人口増加に伴い賃貸需要も非常に高く、シリコンバレーに至ってはとんでもない賃貸価格がついています。

シリコンバレーの中でも私(佐藤)が安全に暮らせると見ている地域に

Sunnyvale(サニーベール市)

がありますが、ここの賃貸相場は上記のリンクにあるとおりです。

スタジオで$1,800からとなり、一戸建て丸ごとでは4ベットルームで$6,000台、$7,000台が普通にあります。

然るべき賃貸市場価格よりも$1,000以上高く出している物件は普通にあり、それでもテナントがつくのですからいかにこれらの地域の需要が大きいかが分かりリます。

「シリコンバレーでは年収$100,000稼いでも貧乏」

とはあながち嘘ではないようです。

そのような住宅不足が続くアメリカ市場ですが、これら賃貸物件に暮らす人々が定期的に不安に陥る時期があります。

それは「賃貸更新契約の時期」です。

「今年も家賃はいくら上がるのか。。」

日頃は頭の片隅にはありながらも日常の慌ただしさに埋もれ、ともすると無意識にも忘れようと努めている契約更新通知が届く頃になると不安感が大きくなります。

今のアメリカ賃貸市場で家賃がどんどん上昇していることは事実で、前述のシリコンバレーはやや極端な例ではあるものの実際に現実として起こっている話です。

そして家賃は上昇していくものという前提で賃貸生活者も暮らしていますから、契約更新前になると誰もが一抹の不安に襲われることになります。

それでは物件オーナーとしては昨今の家賃が高い事情を踏まえて値上げを実施するべきでないかといえば、決してそんな必要はありません。

事実、物件オーナーにとっては

固定資産税

保険

等の年々値上がりしていく因数をプロジェクションの中に抱えているのです。

欲張って家賃を大幅に引き上げる必要はないものの、少なくともこれらのオーナーの負担となる部分について家賃に反映させることは正論です。

それでは

「家賃値上げは固定資産税や保険等の実際の負担分だけに留めるべき」

かといえば、それも違います。

リスクをとって物件を所有・維持し、その地域の人々に住を提供するオーナーの行為そのものにも対価があって然るべきだからです。

その上で

「家賃を据え置きにする」

「家賃を値上げする」

この判断は完全にオーナーの自由。

とはいえ、あまりにも値上げが過ぎるとテナントのお財布事情がついてこれないことになります。

そこで欲張らず、けれども全うなリターンを得られるように自身の物件に関する

過去の運用実績

将来の予想数値

を比較してよく検討する必要があるのです。

このあたりは昨年末にこちらの項でも書いていますが、不動産投資家としては

テナントの実情

投資へのリターン

この両天秤の中で上手にバランスを取ることが大切になってきます。

そこで今日から、家賃の値上げについて外枠の知識をもう少し深堀りしてみましょう。

家賃はいくらまで値上げ出来るのか

そもそも、自分の物件の家賃は契約更新時期にどれくらいまで値上げすることが許されるのでしょうか。

まずは基本的なルールとして、値上げが可能なタイミングは契約更新時となります。

一度署名して賃貸契約を交わしたのであれば、何をもってもその賃貸契約に記載されている内容が契約期間においては双方の約束になってきます。

それを賃貸契約の期間中に

「来月から$◯◯値上げします」

と変更することは不可能(契約内容に途中値上げがあり得る旨が明記されていない限り)。

これをテナントの目線で言えば、

「この契約期間中は約束の家賃価格で守られている。けれども次の契約更新では家賃がいくらになるのか。。」

と不安になるわけです。

そして実際のところ、全米においてオーナーによる家賃値上げの割合に上限はありません。

昨年こちらでご紹介した知人のケースでは

「2ベッドルームでこれまでの$1,250から一気に$3,000以上に値上がり」

と、

$1,750($3,000 – $1,250)

も一気に家賃が値上がったのです。日本円にして20万円近い値上げ。

これではたまらず、誰でも引っ越さざるを得ません。

そしてこの日本円にして20万円近い値上げは違法ではなく、家賃の値上げに上限はないのです。

ちなみに、この時はオーナーチェンジによる値上げでした。

値上げに上限はないとはいえ、もちろん数字を見せろと言われればオーナーは十分に説明できる材料を提供する必要があります。

この実例はロサンゼルスダウンタウン近郊でしたが、

物件の家賃が周囲の平均家賃から随分乖離が出ていたこと

オーナーが支払う固定資産税はかなり上昇していたこと

から、新しいオーナーも値上げを断行したわけです。

またこちらも補足となりますが、家賃の値上げに対しては明確な法律はありませんが、唯一例外があるのは

Rent-controlled apartments(レントコントロールド・アパートメント:家賃に規定のあるアパート)

です。

このRent-controlledの場合は政府期間が家賃を規定で定めており、家賃上昇にしてもこの規定に沿って行わねばならないことになります。

Rent-controlled物件で暮らす人々は家賃に対して安心感があるものですが、Rent-controlledへの入居は事実上不可能です(後日に項を上げます)。

結果として、前述のような大きな値上げに対してはテナントは

値上げに同意して物件に留まる

引っ越す

のいずれかを選ばねばならないことになります。

明日に続けます。



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