Subordination Clause(サブオーディネーション・クローズ)について深く

こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサル タントとして働く佐藤です。

たまに頂戴するご質問の中に

「契約書内容の○○の意味が分からないのですが」

というものがあります。

ただでさえ専門的で分かりにくい不動産売買の手続きですが、そこに登場する契約書内容も長い上に専門用語が多く、読み通すのにも一苦労です。

そして不動産売買のみならず、それに付随する必要契約にもまた数多くの専門用語が出てきます。

売買契約とは別に登場する契約書の代表的なものの一つがFinancing(ファイナンシング:融資)に関わる契約書です。

ファイナンシング関連は売買契約とは別にお金に関する専門用語がふんだんに出てきます。

「目を通してもその意味や解釈の仕方がよく分からない。」

そんな用語がよくあるものです。

そしてその一つに「Subordination(サブオーディネーション)」という言葉があります。

厳密には「Subordination(サブオーディネーション)」という言葉はモーゲージのリファイナンスで登場してくるものですが、契約を結ぶ上ではその意味を知っておきたいキーワードです。

その理由は、リファイナンス出来るか否かを決めかねない言葉だからです。

今日は、アメリカでモーゲージを組んで物件を所有していてリファイナンスが必要となった時に知っておきたい言葉、「Subordination(サブオーディネーション)」についてお伝えさせて頂きます。

Subordination Clause(サブオーディネーション・クローズ)とは

「Subordination Clause」という言葉の意訳を考えてみたのですが、短い言葉でまとめるのは難しいかもしれません。

こちらにSubordination Clauseの例文がありますが、ここの内容を簡単にニュアンスのみでいくと、

「債務不履行が発生した後の回収金の受け取りは二番手に甘んじることに同意する条項」

と言えます。

全体像を捉えてみましょう。

例えば物件を購入した際に、

First Mortgage:最初のモーゲージ

Second Mortgage:二番目のモーゲージ

この二つをファイナンシングしたとします。

そしてこれら二つが存在する時に、いざ債務不履行が発生した後に回収金を受け取る優先順位はFirst Mortgageにあります。

最初のモーゲージがまず元金残高を回収し、そして残った回収金額が二番目のモーゲージの残高元金に充てられることになるのです。

すなわち時間軸で見た時に最初にモーゲージ契約が組まれたFirst Mortgageが一番優先、そして後にモーゲージ契約が組まれたSecond Mortgageが二番目の受け取り順です。

このように契約の順番に優先順位が定められる概念を「chronological precedence(時系列にそった優先順位)」といいます。

例えば$500,000で購入した物件があったとします。

この中で最初のモーゲージで50%となる$250,000をファイナンシングしたとしましょう。

そして家主はそれから後に二番目のモーゲージを組み、更に$200,000の融資を引いたとします。

すると合計で$450,000($250,000 + $200,000)の借金です。実に

90%($450,000/ $500,000)

という危険な水準。

例えばVAローンという退役軍人用のファイナンシングであればあり得る数字です。

そして家主は返済を進めつつも、残念ながら債務不履行に陥って物件が差し押さえられ、売却に出されることなりました。

この時に売却を担当するのは第一優先順位であるFirst Mortgageの融資元金融機関であり、売却益から元金残高とかかった費用を差し引き、その残った残金がSecond Mortgageの金融機関に渡されることになります。

そしてオークションで物件が売却された後の売却額が二つのモーゲージの元金残高を十分にカバーするばよいのですが、もしも足りない時にはSecond Mortgageの金融機関には損失が発生することになるのです。

ここにSecond Mortgageの金融機関にとってのリスクがあり、どうあっても二番手ではリスクが大きいわけです。

二番目に甘んじるけれども二番目は保証される条項

そして話はここからです。先の二つのモーゲージを

A … First Mortgage

B … Second Mortgage

としましょう。

ここで家主が「A」のFirst Mortgageをリファイナンスしたとします。

するとどうでしょう。

先程の「chronological precedence(時系列にそった優先順位)」の概念では

第一優先 … A

第二優先 … B

だったはずが、Aでリファイナンスを行うということは時系列では今度はAが後になり、

第一優先 … B

第二優先 … A

となってしまうのです。

ということは、仮にその後に債務不履行が発生してしまうと売却益の受け取り優先順位はBが最初になり、Aの立場は二番手優先で不利になってしまいます。

そこで登場するのが、この

Subordination Clause:

債務不履行が発生した後の回収金の受け取りは二番手に甘んじることに同意する条項

です。

すなわち、Aはオーナーがリファイナンスをした時に自社が二番手優先になることを避けるために、Bに対して

「Subordination Clauseの同意に署名して頂きたい」

と連絡するのです。

この署名により仮に債務不履行が発生した場合でもBはSubordination Clauseにより二番手に甘んじることに同意していますから、chronological precedence(時系列にそった優先順位)ではAは二番手になったとしても優先的に売却益から元金残高を補填することが出来るのです。

ちなみに、Subordination Clauseに署名したBはその二番手の約束は固く守られることになります。

例えモーゲージ以外に売却益が充てられるべき負債元があったとしても、二番手のBが優先的にAの後に残る売却益を受け取ることが出来るのです。

このように、Subordination Clauseそのものはリファイナンス時にはほぼ間違いなくAからBに求められることなります。

けれども市場の風向きが悪く、物件価値が下がってきているタイミングであればBはその署名を渋り、断る場合も有りえます。

結果として家主はリファイナンスが不可となることもあり得るのです。

このようにSubordination Clauseはリファイナンスの可否を決定する意味合いを持ちますから、その内容の特徴をしっかりと把握しておきましょう。



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