延長保険 – Extended Insurance:エクステンデッド・インシュアランス

こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサル タントとして働く佐藤です。

不動産権保険についてお伝えしています。

不動産物件に対する所有をOwnership(オーナーシップ)といいますが、アメリカ不動産におけるオーナーシップ権限は

Right of Possession(占有権)
Right to control the property within the framework of the law(法で定義される範囲内での物件管理)
Right of enjoyment(法に沿って物件を利用する権利)
Right of exclusion(他人による物件への侵入や利用を拒む権利)
Right of disposition(物件を売却、相続、譲渡、あるいは放棄する権利)

の5つです。

法律で約束されているこれらの権利を所有するからこそ、自分が購入した物件を法律(あるいはその地域の規定)の定める範囲で自由に使えることになります。

タイトル会社による契約期間中の不動産権調査により「瑕疵あり」となれば、その不具合を売主に整えさせてから契約を続行することになるのです。

もしもこのタイトル会社の存在がなかったとすれば、アメリカ不動産では結構な割合でトラブルが氾濫しているだろうことは疑いありません。

けれども、この契約期間中の不動産権調査を通過して無事にクロージングを終えてオーナーになったものの、いざ入居した後に

「売主は実は精神的に不安定だった」

「実は第三の所有者がいた」

「署名は偽物だった」

このような事実が発覚し、新オーナーの所有権が危うくなる場合があるのです。

そしてこのような場合に備えてタイトル保険というものは存在しています。

昨日はこのタイトル保険の中でも

Standard Insurance(スタンダード・インシュランス:標準保険)

についてお伝えさせて頂きました。

購入契約開始 〜 クロージング

この期間に発生した不具合を補償するのがタイトル保険のスタンダード・インシュランスです。

今日はこのスタンダード・インシュランスの拡張版となる、

Extended Insurance(エクステンデッド・インシュランス:延長保険)

についてお伝えさせて頂きます。

Extended Insurance(エクステンデッド・インシュランス:延長保険)

ここでのExtendedという単語は広義に「広がる・拡張される」というニュアンスで捉えるとよいと思います。

すなわちスタンダード・インシュランスの場合は狭い範囲、契約期間中のみの補償になりますが、エクステンデッド・インシュランスの場合は「更に延長・拡張」されているわけですから、契約期間外の不具合についても補償が効くことになるのです。

スタンダード・インシュランス

エクステンデッド・インシュランス

この2つを違いを一言でいえば、エクステンデッド・インシュランスは「不動産権以外の不具合を対象とする補償」が追加されていることです(厳密にはタイトル会社により補償内容に違いが見られます)。

そこでエクステンデッド・インシュランスの補償対象例をいくつか見て全体像を捉えてみましょう。

Zoning Violation(区画利用規定への違反)

これはものすごく根本的な話ですが、物件が立つ地域は必ずゾーンングと呼ばれる区画利用規定が定められています。

ゾーニングマップを見ると、

住居物件区域

商業物件区域

学校区域

教会区域

と、それぞれの区域に建設される物件の用途が定められています。

そのため、少なくとも近年のゾーニングマップを元に建設された地域であれば

「住宅街の中に町工場がある」

ということはまずあり得ません。

そうすると例えば住居用で購入したはずの物件が居住地区と商業地区のちょうど境目にあり、実は商業地区の上に建っていたことが物件を購入してから数年後に発覚した、となればどうでしょうか。

この場合は役所に対してよほど強いコネがないかぎり、ゾーニングを変更することは恐らく出来ません。

そこで、もしもあなたがエクステンデッド・インシュランスを選んで購入していた場合、タイトル会社がこの問題に対応してくれるのです。

Building Permit Violation(建築許可への違反)

上記は物件が立地する地域のゾーニングの話ですが、そのゾーニング規定上で「住居用物件区域」と指定されている場合は問題なく居住物件を建設できることになります。

そして実際に不動産物件をその土地の上に建築する前に、設計図をもって役所からBuilding Permit(建築許可)を頂く必要があります。

この建築許可がおりて初めて、施工業者は作業に取り掛かれるのです。

しかしながら、新築の場合はデベロッパーにより前述のゾーニング規定から開始され土地開発へと進みますから問題はないのですが、「改築」となると話は別です。

改築においても

1.設計図作成

2.役所からの建築許可

と順当に手続きを踏まなくてはなりませんが、時折この改築において無許可で改築する家主がいます。

まともな施工業者であれば、

「いや、工事はきちんと役所の許可(Building Permit)を頂くまでは請け負うことは出来ません」

と正直に伝えてくれるものですが、許可がなくとも工事を請け負う業者は普通にいます(その責任は雇い主である家主です)。

そうすると購入した物件に過去改築された箇所があるとき、場合によっては無許可で改築されていた可能性もあり得るのです。

このような場合でも、物件購入の前に起こった出来事ではあるもののエクステンデッド・インシュランスを適用することで補償されることになります。

。。。

エクステンデッド・インシュランスの典型例を2つ上げさせて頂きました。

厳密には各タイトル会社ごとでエクステンデッド・インシュランスの内容には違いがありますが、スタンダード・インシュランスを包括しつつ、更に上記のように過去からの瑕疵を補償してくれるのがエクステンデッド・インシュランスです。

エクステンデッド・インシュランスは後付で購入も可能ですが、もしも心配な場合は後からでも購入を検討する余地があるかもしれません。



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