Net listing:受け入れるべきではないリスティング契約 〜 後編

こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサル タントとして働く佐藤です。

5日間に渡り物件を売却する際のリスティングエージェントとの契約形態についてお伝えしてきました。

そして昨日から

Exclusive right to sell listing:エクスクルーシブ ライト トッー セル リスティング

Exclusive agency listing:エクスクルーシブ エージェンシー リスティング

Open listing:オープンリスティング

Net listing:ネットリスティング

これら4つの契約形態の最後、四番目のNet listingについてお伝えしています。

まず最初にお伝えしますが、もしもあなたがアメリカで物件を売却する際にこれから契約を交わそうとするリスティングエージェントから「Net listing」の形態を持ちかけられたなら、キッパリと断りましょう。

というよりも、エージェントの方からこの契約形態をもち出してくる時点でアウトです。

そのエージェントとはそれ以降、何の契約も交わさない方が無難だと思います(一事が万事なので)。

それでは今日はシリーズの最後、四番目のNet listingについてその詳細を見ていきましょう。

Net listing:ネットリスティング

Net listingを理解する最も簡単な方法として、会計で言う

グロス(総売上)

ネット(純利益)

を思い出してみましょう。

この場合のネットとは「諸々の諸経費を差し引いて最終的に残る純利益」ですね。

まさにこれと同様で、Net listingとは「リスティングエージェントに最終的に残る純利益」といえます。

ただし会計でいうネット(純利益)とは違い、間に入る差し引き項目などはありません。

分かりやすく例えで考えてみましょう。

例えば私(佐藤)があなたのリスティングエージェントであり、あなたとNet listingで契約を交わしたとします。

あなたが所有するのは市場価値で$260,000の立派な一軒家。

そしてあなたは事情があって物件の売却を急いでいます。そこで

「とにかく早く売却してほしい。市場価値の$260,000で売れれば十分です。」

このように私に意図を伝え、Net listingの契約条件として「$260,000」を希望売却価格としました。

ここでNet listing契約の骨子をお伝えしますが、この例でNet listingの契約上にあるのは

「$260,000以上の価格で売却された場合、その差額は全て佐藤の報酬となる」

というものなのです。

(実際に売却された額)- $260,000 = Net(純利益)⇛ 佐藤の報酬

このような構図になります。

そして佐藤もアメリカ不動産市場のリアルターの端くれですから、ありとあらゆる手段を使って物件売却価格を市場価値以上に引き上げていく努力を惜しまないでしょう。

それこそ希望売却額と実際の売却額の差額(ネット)は全て自分の報酬になるというのであれば、全力で価格を引き上げていくに違いありません。

結果として物件が$285,000で売却出来たとします。するとこの場合は

$285,000 – $260,000 = $25,000

これが佐藤の報酬となるのです

通常の3%で考えると

$8,550 ($285,000 × 3%)

これが佐藤の報酬のはずですから、私は

$16,450($25,000 – $8,550 )

と、通常の3倍以上の報酬を手にすることになるのです。

その一方で売主(であるあなた)は実際には佐藤のみならずバイヤーエージェントにも報酬を支払う必要がありますから、ここから更に

$8,550 ($285,000 × 3%)

この$8,550をバイヤーエージェントへの報酬として差し引くと

$251,450($260,000 – $8,550)

しか残らないことになります。(実際にはクロージングコスト等もかかります)

これが通常の契約であれば$285,000で売却出来たのであればリスティングエージェントとバイヤーエージェントにそれぞれ3%、合計6%がエージェントへの報酬ですから

$267,900($285,000 × 94%)

これだけあなたの手元には残っていたはずなのです。(クロージングコストを除く)

そうすると通常の契約とNet listingの場合を比較すると、あなたが手にする売却額には

$16,450($267,900 – $251,450)

もの差が出来てしまうことになります。

確かに「$260,000で売れればよい」という約束は守られたかもしれませんが、明らかにあなたが手にしていたはずの金額は少なくなるのです。

契約通りではあるものの、何となく腑に落ちない結果。

そしてここで最も大切なのは、本来は売主であるあなたがきちんと受け取れたはずの金額が受け取れていない、雇い主の利益が至上とされていない結果が起こり易いという事実です。

これがNet listingが「Unethical Agreement(非倫理的な同意書)」と呼ばれる所以になります。

Net listingを組む条件としては「売主が事前にNet listingに関する説明をきちんと受け、それに同意していること」とされていますが、この契約形態はまず十中八九、感情的なしこりが残りますので避けておいた方がよいと思います。

私(佐藤)自身もNet listingに関してはこのように知識としては知っているものの、これまでに一度も使ったことはなく、これからも一生使うことはないだろうと思います。

あくまでも一番の利益を得るべきは物件の持ち主と買主の二者であり、エージェントはどこまでも顧客利益を至上とする代理人に過ぎないのです。



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