「Move-in ready」という定義 〜 後編

こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサル タントとして働く佐藤です。

昨日から「Move-in ready」という言葉の定義についてお伝えしています。

Move-in ready = 引っ越しの準備オッケー

と書かれているからには

「荷物を運び入れさえすれば清掃も必要なく暮らせる状態」

と思い込んでしまいます。

実際にMove-in readyと書かれてある物件は大方の修繕は整い、それなりに綺麗に清掃されていますから確かに一見すれば荷物を運び入れるだけで生活が開始出来てしまいそうです。

けれども実際には築1〜2年程度の物件ならまだしも、築30年以上の物件でMove-in readyと言われてもその言葉を鵜呑みにするわけにはいきません。

事実、Move-in readyと言われて購入したのに「○○が機能しない」「入居してすぐに○○が壊れた」という声は決して少なくありません。

そしてMove-in readyの物件を購入して後から聞かれる不満はまず十中八九、物件機能の不具合によるものです。

見た目の綺麗さは不要なものを建物から出して綺麗にしておけば十分でしょう。

けれどもMove-in readyとして市場に出す以上は、売主は売却時には見えてこない不具合についてもきちんと面倒を見るできです。

Move-in readyの定義について、今日も続けます。

6.キッチン

キッチンは生活空間の中でも物件機能の中核を占めます。

Move-in readyであるからにはキッチン機能もまた一切の不備がないことを確認しておきましょう。

グラニテのカウンタートップ

新しい冷蔵庫

新しい電子レンジ

新しい食器洗浄機

この新しい○○はMove-in ready物件には決して必要ではありません。

あくまで入居準備OKというのが条件であり、そこにある電化製品は中古でよいのです。

けれどもそれらの電化製品はきちんと動く状態にあり、そして何よりもキッチンであるからには水回りは特に注意しなくてはなりません。

・蛇口

・シンク下の配管

これら二点は確実に確認しておきましょう。

蛇口が締まりきらない

水を出すと蛇口の横から水がただ漏れする

シンク下の配管は上の蛇口をひねると水滴が滴ってくる(水漏れの証拠)

このような状態ではMove-in readyではなく、Repair needです。

7.バスルーム

バスルームもまたキッチンと似たような定義で考えておくとよいと思います。

Move-in readyと呼べる物件のバスルームのデザインは買主の期待に応えられるものではないかもしれませんが、少なくとも

シャワーからきちんと温水・冷水が勢い良く出る

シャワーヘッドは壊れていない

浴槽が詰まることはない

浴槽回りに水が入り込める隙間や穴がない(水が壁や床の中に入り込む危険)

トイレはきちんと流れる

トイレが詰まることはない

Move-in readyの場合はこれらが最低条件となります。

8.フロア

大抵の物件の購入希望者にとって好まれるのはカーペットフロアよりもハードフロアです。

現代のアメリカの物件ではカーペットが入ることが一般的になっていますが、実際にはカーペットが無意識にも好まれるのは

マスターベッドルーム

個室

程度であり、リビングルームや廊下では案外フロアが好まれるものです。

そこでMove-in readyの場合、ハードフロアの状態にもきちんと目を配るようにしましょう。

なぜならこのハードフロアは案外見逃しな箇所の一つなのです。

もしもハードフロアに決して小さくはない破損箇所があるようであればMove-in readyとはいえず、家主には修繕を依頼するべきです。

そしてある意味Move-in readyの定義をやや逆手にとると、

「物件瑕疵というわけではないけれども、生活に支障が起こり得る不具合」

については売主に修繕を依頼出来るはず。

ここは交渉次第でもありますが、通常の物件売買では売主が納得して引き受けるのは物件機能の原状回復のみです。

けれどもMove-in readyと謳うのであれば物件機能に問題がないことはもちろんのこと、決して物件瑕疵とはいえない箇所でも暮らして安全なレベルで確保されているべきなのです。

例えばあなたが賃借人として賃貸物件に入居した場合、物件機能の不具合とはいわずとも生活に支障がある

・ブラインドの一部が欠けている

・天井ファンの一部に破損が見られる(ぐるぐる回ると危険)

・リビングフロアの端っこが破損している

このような物件瑕疵とはいわずとも生活に支障がありそうな部分にはきちんと整えられているべきでしょう。

9.ペイント

最後に壁の色ですが、Move-in readyの定義でいうと壁のペイント塗り直しは決して必要ではありません。

それこそ壁の色は物件機能には関係なく、甚だ壁に破損箇所がない限りは良しとされます。

事実、Move-in readyと呼ばれる物件の壁は大概は新しく塗り替えられていることはなく、現状のままで出されているものです。

・壁の色がベージュのような誰にでも好まれる色合い

・大きな穴などはない

・破損箇所はない

このレベルが保たれていれば十分にMove-in readyと見てよいと思います。

。。。

二日間に渡りMove-in readyと呼ばれる物件についてお伝えさせて頂きました。

結局のところ、Move-in readyと呼ぶからにはきちんと清掃が行き届いており荷物を運び入れればいつでも生活が開始できる、というのみならず

・物件機能のどこにも問題がないこと

・生活に支障がある箇所も整えられていること

・暮らし始めてすぐに問題がでる可能性は低いこと

これらの条件があって初めてMove-in readyという言葉が使えるものです。

この条件はある意味ハードルが高いわけですから、私(佐藤)はMove-in readyという言葉は基本的に使わないようにしています。

売主が気づかない買主目線で気になる箇所などいくらでもあるでしょうし、相応の修繕費用を費やして完璧に整える覚悟がないかぎりは割に合わないからです。

もしもあなたがMove-in readyの物件に興味をもったのであれば、この謳い文句は横において物件調査はしっかりと行うようにしましょう(いずれの場合でも物件調査は必須です)。

もしくはあなたが売主の立場の場合、後から買主が上げてくる要求に応えられないのであればMove-in readyという言葉を使うのは避け、正直に「as is」で出して、物件調査結果で分かる物件瑕疵の部分だけ値引きしてあげればよいと思います。



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