売却された物件を買い戻す – カリフォルニアの場合

こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサル タントとして働く佐藤です。

カリフォルニア州の差し押さえパターンについてお伝えしています。

カリフォルニア州の借入証書形態は「Trust Deed」が一般的である為に裁判所を通した差し押さえ手続きはまれですが、Power of Sale Clauseの含まれない通常のモーゲージ借入の場合は伝統的な裁判所手続きを踏んで

1.債権者からの連絡

2.差し押さえ物件として申請

3.売却の申請

4.オークション

これら4つの段階を踏んで市場で売却されることになります。

そして

Nonjudicial foreclosure = 裁判所手続きを通さない差し押さえ手続き

Judicial foreclosure = 裁判所手続きを通す差し押さえ手続き

この二つの違いとしては先日お伝えした

「差し押さえ物件の売却額が元金残高に達しない場合、その不足額を請求できる」

というDeficiency Judgmentがあるかないかになるのと同時に、もう一つの違いがあります。

その違いとは、「Judicial foreclosure(裁判所手続きを通す差し押さえ手続き)の場合は売却完了後も、債務者が物件を取り戻す機会が残されている」ということです。

このように一度は落札で売却されてしまった物件を改めて自分の手元に取り戻す権利を「Right to Redeem(買い戻す権利)」といいます。

実際には物件を差し押さえられてしまったらそのまま物件を手放し、自己破産申請をしてアパート等に移り住む人々がほとんどです。

けれども「親族が買い戻しを強く望む」パターンは実際にあります。

・家族団らんで過ごした想い出

・子供時代を過ごした想い出

等、特別な思い入れがあって物件を取り戻したい人々もいるのです。

Trust Deedの形態で借入証書を整えているとNonjudicial foreclosureとなり取り戻すチャンスはありません。

けれどもJudicial foreclosureである場合、もしも物件を取り戻したい事情があれば「売却完了後にも物件を取り戻せる可能性がある」ということは知っておいてもよいと思うのです。

その意味では万が一のことを考えてカリフォルニア州で融資を引いて物件を購入する方々はTrust Deedではなく伝統的なモーゲージ形態で借入をしておいてもよいかもしれません。

そこで今日は、カリフォルニア州の差し押さえパターンの最後としてRight to Redeem(買い戻す権利)についてお伝えさせて頂きます。

Right to Redeem(買い戻す権利)

「オークションで競り落とした後でも債務者が後から買い戻す機会が残されている」

このパターン、冷静に考えるとオークション参加者にとってはかなり嫌です。

けれどもJudicial foreclosureの場合はこの後出しの取り戻しが法的に許されています。

もちろん期限なしにいつでもRedeem(買い戻す)出来るということはなく、そこには期限が定められています。

その期限には二つのパターンがあり、

オークションで競り落とした金額で全借金が完済された ⇛ 三ヶ月以内

オークションで競り落とした金額では借金完済には不足している ⇛ 一年以内

です。

ただし後者の借金完済に至っていない場合でも「債権者はその不足額を諦める」という場合には買い戻す権利はなくなってしまいます。

また状況に応じ、裁判所が「あなたの場合は買い戻しは出来ない」と判断する場合も買い戻す権利はなくなってしまいます。

これら二つの状況が発生せずに買い戻しの機会が与えられる場合、オークションの担当者から個人的に、あるいは郵送で通知されることになります。

Redeemにかかる費用

そして物件を取り戻したい場合、オークションで競り落とした個人・法人に対してはその落札額に加え、

・固定資産税
・火災保険、維持、修繕にかかった金額
・落札者が支払っていた抵当に関わる費用
・(もしあれば)落札者が支払っていた第二抵当権に関わる費用

といった全ての法的に発生する費用も支払う必要があります。

ただし、このようなRedeemにかかる費用に関する定義はあるもののその正確な合計を把握することは難儀なものです。

現実問題としてすでに物件が一度は落札者の手に渡っているわけで、すなわち落札者はすでに上記の法的に必要な支払いを始めているはず。

ということは、Redeemにかかる正確な費用を知る術としては「落札者に連絡を取る」しかないのです。

落札者がもともとの融資元である法人の場合、すでに支払っている費用は証拠となるレシートを保管しているでしょうからほぼ問題はないと思います。

けれども落札者がもし個人であった場合、かつ管理が不得意な方だった場合はレシートなど捨てている可能性もあるのです。

この場合、Redeemにかかる費用については「落札者との交渉」になってしまうからやっかいです。

そしてもし話し合いで折り合いがつかず、かつ落札者が買い戻しを拒否する場合。。

その時は裁判所に手続きをして裁判所側にRedeemに必要となる金額を決めてもらうことになります。

ちなみにこのタイミングでは

折り合いがついている項目

折り合いがつかない項目

の二つに分け、裁判所に助けを求める際には前者の折り合いがついた項目分の合計金額はその時に裁判所に収めることになります。

そして後に裁判所が直接「Redeemに必要な合計金額」を定めてくれるのです。

最後には前述の期間内に定められた金額を裁判所側に支払うことで買い戻しが認められ、「Certificate of Redemption」が発行されて晴れて物件はあなたの元に戻ってくるのです。

。。。

今回はハードコアとも言えるレベルでカリフォルニア州の差し押さえパターンについてお伝えさせて頂きました。

実際にはこの最後の「落札者とRedeemに関する費用について揉める」という段階まで経験する方はそうはいないと思います。

それでも、上記のような流れで競り落とされてしまった物件でも取り戻せるチャンスが残っていることは知っておいてもよいのではないでしょうか。

あなたが融資を引いてカリフォルニアで物件を購入する場合、少なくとも長期に腰を据えて暮らす意図があるのならば借入証書はTrust Deedではなく伝統的なモーゲージローンにすることを検討してもよいかもしれません。



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