差し押さえまでの流れ – カリフォルニアの場合 ~ 後編

こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサル タントとして働く佐藤です。

昨日からカリフォルニア州の差し押さえ手続きについてお伝えしています。

カリフォルニア州で物件の差し押さえが進められる手続きのポイントは4つ、

1.債権者からの連絡

2.差し押さえ物件として申請

3.売却の申請

4.オークション

です。

本日は「3」から続けます。

3.売却の申請

「1」の段階で債権者は債務者(もしくは代理人)と話し合いの場を持ち、解決が見いだせないようであれば「Notice of Default:債務不履行通知」を申請することになります。

そしてNotice of Defaultが申請された日から90日間はいわゆる「売却執行猶予」ともいえる期間であり、この90日間以内に滞納分をペナルティまで含めてきっちり納めるとNotice of Defaultは取り下げられることになります。

けれどもこの猶予期間においても残念ながら債務者が支払いペースを元に戻せない場合、次の段階である「売却の申請」に進むことになるのです。

この売却申請を「Notice of Sale」と呼び、この申請から21日間後には物件はオークションに出せることとなります。

そしてこの「Notice of Sale」にあるルールは

・Notice of Saleには「日付、時間、売却場所、物件住所、信託人の名前・住所・電話番号、物件がオークションで売却される旨」が記載されていること

・申請されたNotice of Saleのコピーは債務者にCertified mailで郵送されること

・売却日の前に3週連続(21日間)で地元の新聞広告に掲載されること

・建物の前には「Foreclosure」のサインを出し、管轄郡裁判所の掲示板でも公に告知されること

です。

前述にNotice of Saleから21日間後にオークションに出せるとお伝えしましたが、Notice of Saleの段階から更に21日待つ理由は主に「3週間連続の広告」にあるわけです。

原則として債務者に対する猶予期間は先のNotice of Default申請後の90日間で与えられているわけですから、このNotice of Sale申請後の21日間は債権者がオークションでの売却に成功する為の準備期間とも言えます。

債権者は一日も早く売却したいところを更に21日間待たされるとは割に合わないように感じるかもしれませんが、実際には前述のようなあらゆる広告媒体をもって法的に強制的に宣伝をさせて、

一人でも多くのオークション参加者を集める ⇒ 少しでも高く売却する可能性を高める

という流れが出来てくるわけです。

4.オークション

そしていよいよ、Notice of Saleの21日以降にはオークションでの売却が可能となります。

この時はそれまでの最低過去3週間にわたる一般への告知によって対象物件がオークション形式で売却されることはかなり広く知れ渡っています。

そこで物件の現状は横において、立地や条件が良いほど人気があり購入希望価格が吊り上がっていくことになるのです。

そしてオークション物件に関しては、落札者はその落札価格を直ちに「現金」もしくは「Cashier’s Check:キャッシャーズ・チェック(自分の口座資金から作られる小切手。通常の小切手とは違い、銀行により支払いが保証されている)」のいずれかで支払う必要があります。

当たり前ですが、モーゲージの支払いが出来ずに市場に売りに出された物件を今度は落札者が借金で購入することは出来ません。

かくして落札者は現金もしくはキャッシャーズ・チェックで支払うことで、直ちに物件の所有権を譲り受ける流れとなるのです。

ちなみに、このオークションの場にはほぼ確実に現れる人物がいます。

それは債権者(融資した金融機関の担当者)本人。

通常のオークションでは債権者自身が

(元金残高 + 差し押さえにかかった費用)

の合計金額で指し値を出し、それ以上の額で手を上げるものがいなければ債権者自身が物件を競り落とすわけです。

あわよくばここで(元金残高 + 差し押さえにかかった費用)以上の金額で競り落としてくれる者がいれば、債権者にはそのまま元金残高を回収できることになります。

もし誰も手をあげずとも競り落としに発生した金額はすなわち巡って自分(債権者)に返ってくるわけですから、結果として債権者はその物件の所有者になるわけです。

すなわち、債権者にとってのオークション販売とは

・他人が競り落として元金残高を回収する

・自分で競り落として自分名義の物件にする

このいずれかの結果となります。

。。。

カリフォルニア州の差し押さえ手続きは以上のような流れで進められています。

とはいえ、繰り返しとなりますがカリフォルニア州のモーゲージはTrust Deedを使用する場合がほとんどです。

Trust Deedの場合は「Power of Sale Clause」という裁判所手続きに持ち込まずに即市場で売却できる権利を付与する条項を含んでいますから、ここまでお伝えした裁判所手続きを含む差し押さえのプロセスを踏む必要はありません。

そうするとTrust Deedが主流のカリフォルニア州では上記の4つのプロセスはほとんど発生しないことになりますが、わざわざ昨日から項に上げているのには知っておいた方がよい理由があります。

それは、裁判所手続きを踏むJudicial foreclosureの場合は「オークション終了後にも債務者には物件を取り戻すチャンスが残されている」のです。

明日に続けます。



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