物件価格変化による中西部への影響は

こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。

昨日は今夏8月にアメリカ不動産市場で確認された、物件価格の値下がりについてお伝えさせて頂きました。

厳密にはその兆候は5月あたりから確認されていましたが、全国不動産協会から公式に不動産価格の8月の値下がりが発表されたのはつい最近のことです。

ことカリフォルニア市場においては

・一年以上前から物件販売数が前年比で減少を続けていた

・今夏からついに物件価格が下がった

このことは例えて言うなれば一年以上前から大型タンカーの舵をきり始めた影響がジワリジワリと効き始め、グラグラと巨大な船体が揺れ始めていたものが「グググッ」と体感するレベルで方向を変え始めたようなもの。

しかも

・一年の不動産サイクルの中でもピークタイム

・金利は4%以下という有利さ

という条件であったにも関わらず、人々は反応しなかったのです。

こうなると、過去の舵取りの影響はここから更に効いてくる可能性は高いと言えます。

今まで西海岸で物件を保有していた方々の中で「そろそろ物件を売却したいと考えていた」という方々は来年の夏まで待たず、今のタイミングで多少値下げをしても売り抜けた方がよいかもしれません。

アメリカ国民は物件購入意欲を失ったわけではなく、来年から見込まれる景気後退を見越して買い控えているだけだからです。

もしも景気後退が本格化する場合、しばらくは売主にとって有利な状況は起きてこないことが予想されます。

そうすると今を潮時と見て手を引くほうが有利に働く可能性は高いと思うのです。

中西部地区を確認してみる

かくして全米全体として相対的に物件価格の下げが確認されましたが、それでは局部的にはどのような状況になっているのでしょうか。

私(佐藤)は常々、昨今のアメリカ不動産市場ではメンフィスのような中西部のキャッシュフロー市場への投資をお薦めしています。

従来の売買の専門地域はテキサス州ですが、南部では売買の活況が続いているにせよ投資となると自分の膝下を見限るかの如く、テキサス市場はお薦めしていません。

テキサスでは高い固定資産税率が足を引っ張り、現金購入でも実質利回りは3〜4%程度しか見込めないからです。

キャピタル市場の物件でこれだけの利回りだと、ちょっと想定外の大きな修繕が発生してしまうと大きくマイナスに転じる可能性があります。

けれどもなぜか、日本ではアメリカ不動産投資というとカリフォルニア、テキサス、ネバタ(ラスベガス)といった派手なキャピタル市場が注目されがちなものです。

中西部をお薦めし続ける私(佐藤)はちょっと異端に見られるかもしれませんが、過去のあらゆるデータを見ると中西部の方が投資としては有利に働くことは間違いないと思います。

なぜなら、流動性が低いという本来の不動産の性質に合わせるとすればカリフォルニアやラスベガスのようなキャピタルが大きく上下する市場よりも

長期投資(バイ・アンド・ホールド)

無理のないキャピタルゲイン

の条件を満たす地味な中西部の方が反りが合うからです。

ちなみに、メンフィスについては

「全米の中でも治安が悪い都市ですよね?リスクが高いのではないでしょうか?」

そんなご質問を頂戴することがあります。

メンフィスが全米の都市の中でも治安が5本指に入るほどよろしくないことは事実です。

だけれどもメンフィス市全体が端から端まで満遍なく犯罪が蔓延っている、ということは決してありません。

これは全米のどこの都市でも言えることですが、アメリカはとりわけ治安の良い地域と悪い地域はその差がハッキリしています。

まるで見えない境界線があるかのようにストリート一つ隔てると別世界になる国ですし、メンフィス市でも同市に生まれた人々ですら

「あの地域は生まれて一度も足を踏み入れたことはない」

そう言われる地域が実際にあるのです。この手の地域が全体の犯罪率を極端に上げているのです。

だからこそ日本人投資家の方々も実際に現地に視察に行くと

「確かにメンフィスでも教えて頂いた地域は治安が抜群ですね」

「目から鱗が落ちました」

そんなご感想を異口同音に頂くのです。

。。。

やや話がそれましたが、それではこの中西部地区を代表するメンフィス市場の物件価格はどのように推移しているのでしょうか。

2019年7月から8月にかけて全米平均としては物件価格が下る現象が確認されましたが、同時期のメンフィス市場を見てみると私(佐藤)が入手した現地のデータでは2018年と2019年の7月と8月をそれぞれ並べると

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2018年7月

中古物件販売数:1,770
中古物件中間価格$158,000

新築物件販売数:87
新築物件中間価格:$309,085

2018年8月

中古物件販売数:1,829
中古物件中間価格:$141,000

新築物件販売数:90
新築物件中間価格:$305,608

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2019年7月

中古物件販売数:1,868
中古物件中間価格:$167,000

新築物件販売数:74
新築物件中間価格:$326,000

2019年8月

中古物件販売数:1,846
中古物件中間価格:$156,000

新築物件販売数:76
新築物件中間価格:$362,490

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このようになっています。

この統計から読み取れるのは

「2019年7月、8月の販売数は昨年比で増え続けている」

「2019年7月、8月の中間価格はそれぞれ昨年比で上昇している」

「しかしながら、2019年7月から8月にかけては販売数は減少している」

「2018年と2019年共に、7月から8月にかけては中古物件の中間価格は下がっている」

ということが言えます。

中西部でも買い控えで販売数が現象していることは同じようです。

ただし、中間価格についてはメンフィス市場は厳密には最大のピークタイムが毎年7月ですから、8月に下がり気味になることはほぼ毎年の傾向です。(*投資物件は違う反応をします)

その下げは2018年も2019年も1万ドル台となり、今回全米全体の平均が下がったことに比例して更に大きく下がった、という現象は見られないようです。

またメンフィスでは人口も相変わらず非常に地味に伸び続けています。

また雇用面でも本年はアメリカの二大輸送会社の一つである、メンフィスに本社を構えるFedExも拡張を進めるなど、地元の雇用環境は地味ながらも手堅く整えられている状況です。

。。。

中西部の一つ、メンフィス市場の今をクローズアップしてみました。

案の定キャピタル市場とは違う反応をしているようですが、買い控えの現象が見られる点は共通しています。

引き続き他の中西部についても、各市場を観察し続けていきたいと思います。



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