売却前にはカーペットは新調した方が良い理由

こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。

昨日から物件に対してい人が抱く印象と売却額の関係についてお伝えしています。

「整理整頓されておらず掃除もなされていない物件に対しては、人はオファーする気持ちも萎えてしまう」

これは事実です。

あなた自身も売る気があるのかないのか分からないような、十分な準備がなされていない物件が市場に出てきても魅力を感じないのではないでしょうか。

万が一立地は最高で掃除さえすればなんとかなるという物件の場合でも、契約期間中には物件内のあちこちにケチをつけて値下げを要求したくなるものです。

反対に内外がきちんと整理整頓されて無駄なものがなく、満遍なく掃除が丁寧にされて気持ちのいい空間に仕上がっている物件には人はよい印象を抱きます。

結果として希望売却額で売れる可能性も高くなるわけです。

そんな風に物件の売却時には屋内外の美化が推奨されますが、この時に物件の売却を検討する売主からよく聞かれる共通の質問があります。


カーペットは市場に出す前に交換するべきでしょうか?

もしくはカーペットシャンプーだけして、必要に応じて値引きに応じるべきでしょうか?

カーペットそのものは物自体がよほどボロボロでなければ、カーペットシャンプーをすることで随分見た目は綺麗になります。

厳密にはよーく見るとシミがそれなりに残っていることが分かりますので完璧とまではいかないのですが、それなりに綺麗に見えるようになるものです。

とはいえ、長年使用したカーペットであるほどそのシミの数は多くなるわけですから内覧に訪れる人々には一発で見抜かれ、

「このカーペット、一応掃除はしてあるけれど古いな」

そんな風にマイナスイメージを持たれてしまいます。

そこで質問の内容に戻りますが、売主としてはカーペットはシャンプーだけで済ませて値引き交渉に応じるべきなのでしょうか?

もしくはカーペットを新しいものに交換するべきなのでしょうか?

結論のみいえば、カーペットは交換した方が売主は有利になる傾向があります。

カーペット交換にはそれなりのお金がかかってしまいますが、売却結果はその費用を十分にカバーする可能性が高いのです。

今日は、物件売却時のカーペット交換について数字で検証していきましょう。

カーペット交換有無を比較してみる

最初に不動産用語を押さえておきましょう。

不動産売買の契約時に登場する用語の一つに「Carpet Allowance」というものがあります。

厳密にはアメリカの不動産売買契約書上で登場するわけではなく、売主と買主のやりとりで度々出て来る言葉です。

意訳すると「カーペット交換代としての値引き」あたりでしょうか。

Carpet Allowance $2,000

ということであれば「カーペットは交換しませんが、その代わりに$2,000値引きします」という意味ですね。

そこでカーペットを交換するのか、あるいはその分価格を下げるのかとなると

「Carpet replacement or Carpet allowance」

となるのですが、ここまで述べたとおり売主が比較的有利なるのはCarpet replaceの方です。

このことを数字で見ていきましょう。

まずカーペットを交換した場合のコストですが、高級品ではなく一般的な感覚で十分な質と思えるカーペットの交換費用は1 sqf(スクエアーフット)あたり約$2です。

カーペット交換の範囲が500 sqf(スクエアーフット)であれば

$1,000($2 × 500 sqf)

ということになり、日本円で約10万円ですから結構な出費ですね。

ところがです。

統計によると平均的な買主がカーペット交換の代わりに値引いてくる価格は

$3.50 〜 $5 / sqf

と、自分でカーペット交換を行う場合の倍以上になる傾向があることが分かっています。

価格交渉で折り合いがつかなければ契約は無効となってしまいますから、売主としても買主が価格を下げてくるのであれば上手に応酬して頃合いの価格に値段を落ち着かせなければなりません。

けれどもその結果として着地点は$2/sqf以上の価格になりがちなのです。

このことを実例の数字で見ていきましょう。

数年前にある物件を$740,000で市場に出しました。

ハイエンドに近い物件だったこともあり、この物件のカーペット総面積は2,500 sqfでした。

市場平均でいえば

$5,000($2 × 2,500 sqf)

となり、売主は物件を市場に出す前に$5,000を支出しなくてはなりません。

けれどもこれだけの支出を売主は嫌がり、

「値引きすればいいじゃないか、こんなに大きな出費は避けたい」

とあくまでもカーペットシャンプーだけで済ませたい意向でした。

ところが市場に出しても反応はイマイチ。

それもそのはずで、カーペット面積が2,500 sqfもある物件ですから内覧に訪れる人々は一様にカーペットが古いままであることがどうしても気になります。

カーペットが古い為にパス

カーペットの古さから値下げ交渉

この2つのパターンで時は流れ、半年市場に出したままでもついた最高オファー額は$700,000でした(4万ドルも下)。

実際のところ希望売却価格の$740,000とは然るべき市場価値とほぼ同額でしたから、そのままフルオファーを受けてもおかしくなかったはずなのです。

結果として売主はついに妥協し、$5,000を出してカーペットを新品に交換しました。

すると不思議なことに、カーペットが入った翌週にはなんと希望通りの$740,000(市場価値どおり)のフルオファーが入ったのです。

$700,000が最大オファー額だったものが、カーペットを新品に交換したことで$740,000のフルオファーを受けることができたという事実。

$5,000を先に費やして$700,000しか値がつかなかった物件が$740,000(過去の最高オファー額よりも4万ドル多い)で売却が出来たわけですから、理論上はこの4万ドルの差をもって

$35,000($40,000 – $5,000)

と、カーペットを交換したことで$35,000も価値を上げることが出来たことになります。

この例もまた、人の心理に訴えかけることで売却額に差が出てくる事実を証明していると思います。

カーペットの古さを見て低い価値しかつけてもらえなかったものが、カーペットを新調した途端に内覧者の目が輝きフルオファーが入るようになったわけです。

そしてこの考え方は物件のサイズに関わらず、全体のリビングスペースが1,200 spf程度のこぶりな物件であったとしても同じことが言えます。

とりわけ不動産投資用の物件であれば費用対効果の概念は重要ですから、

人は自分が購入する物件に物語を見出そうとする。

新品の綺麗なカーペットはその物件につけられた希望売却価格を正当化する力を持つ。

そんな風に覚えておきましょう。



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