家賃滞納気味のテナントにはどう対応するべきか ~ 後編

こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。

テナントが支払い期限に家賃を納めたり納めなかったりを繰り返す、オーナーにとっては継続的に不安を覚えさせられるパターンについてお伝えしています。

昨日までにお伝えしたポイントは

期限を守ったり守らなかったりを繰り返すテナントは将来的なリスク

ある月から突然、諦めたように支払いが止まる可能性がある

アメリカに連帯責任の制度はない

アメリカでの判断基準は徹底して法律・規約

賃貸契約にそって粛々と対応を進めることが肝要

でした。

実際のところ、テナントにどのように対応するかを最終的に判断するのはオーナー自身です。

物件の所有者はオーナー自身ですから、テナントの状態がいかんであれ最終的な判断はオーナーに委ねられます。

その意味では管理会社はテナントが滞納を始めると

「テナントがこのような状態ですが、どうしましょうか?」

とあくまで判断はオーナーに委ねてきます。

「このタイミングで通知を出すべきです」

「ここは一旦、様子を見ましょう」

などと、管理会社の方から提案してくることはありません(きちんと法律を理解している管理会社であれば)。

とりわけテナントの入退去に関わるような問題は、不動産投資において唯一の収入源である家賃に直結する話です。

オーナーに仕える身の管理会社としては下手に提案して事が予想外の方向に展開すると責任が取れませんから、どうしたいかをオーナーに伺うのみに留めるわけです。

そこで、ここはオーナーに勇敢な判断が期待される場面になります。

少なくともアメリカの土壌としては「法律・規約に沿って粛々と対応を進める」ことがごく当たり前ですから、賃貸契約に書かれてあることが守れない事態が発生した場合は悠長なことは言わず、交わした契約にそって対応を進めることが大切なのです。

通知の力を活用してみる

ここから具体的な対応方法についてお伝えさせて頂きます。

家賃を滞納したりきちんと支払ったりを繰り返すテナントに対してオーナーが取るべき適切な対応は、まずは

「通知の力を使ってテナントの姿勢を審査する」

ことです。

通常、家賃を滞納するテナントに対する一般的な通知は下記のような手順を踏みます。

滞納1ヵ月目 … 家賃が納まっていないことを知らせる通知。翌月〇日までに翌月分までを納めないと退去命令になり得る旨を伝える。

滞納2か月目 … 退去命令通知。30日以内に退去するように指示。従わない場合は裁判所に持ち込まれる。

滞納3か月目 … 裁判所にて手続き開始。オーナーが占有権を取り戻す。10日前後で占有権は取り戻され、強制退去執行可能。

(*詳細は交わしている契約内容によって異なります)

厳密には州法の違いにより進められる手続きのスピードには違いがありますが、賃貸契約書の中で

「退去に関する通知は実行の30日前までに書面で届く」

という30日前通知が定めらている契約書の場合、最短で上記のように3ヵ月目には強制退去まで持ち込むことも可能になります。

そこで詳細はあなたの賃貸契約内容に沿う必要がありますが、通常であれば「滞納」の定義は「当月の家賃が納まっていないこと」です。

通常は家賃は前月の末までには翌月分は支払うものです。

ということは、当月分が納まっていないということは二ヶ月分の家賃(その当月と翌月)が納まっていないことになります。

この当月分が納まっていない段階で上記の「滞納1ヵ月目」にあたり、上記の流れで対応を行うのが普通です。

しかしながら、オーナーとしては理想は翌月分が前月末までに納まっていない時点で通知は出した方がよいと思います。

とりわけ本シリーズで取り上げている、家賃を滞納しがちなテナントに対してはなおさらのことです。

実際、賃貸契約では「翌月分まで納める」となっているわけですから、翌月が期限までに納まらなかった時点で通知を出すことが推奨されます。

テナントもアメリカの商習慣(法律・規約が絶対基準であること)は理解しているわけですから、何も遠慮することはないのです。

そして前述のように、早めに通知を出すことには大きく分けて二つの目的があります。

1.家賃支払いのペースを安定化させる

2.テナントの家賃を支払う姿勢を見極める

この二つですね。

もしもこの最初の通知を出して

「来月分まで納めなくてもいいじゃないか」

そう軽く考えるテナントは通知が来ても翌月分は納めず、当月分のみを納めだす可能性があります。

逆に通知にびっくりしてすぐに翌月を納めるテナントはまだ安心できるのです。

そうはせずに通知をテナントが無視して当月だけを納める場合、これは要注意ですね。

そのまま二か月目になっても翌月分を納める姿勢が見られない場合、今度は遠慮なく退去命令の通知を送る必要があります(契約時に翌月まで納めることに同意している為)。

願わくばこの退去命令の通知を見て事の深刻さを理解し、慌ててでも翌月まで一気に支払ってくれることを期待したいものです。

けれども退去命令まで出すのはもはや最後通知と同義。

それで反応がない場合は迷うことなく裁判所手続きに踏み込むようにしましょう。

かくして、通知を出すプロセスはいわばテナントの姿勢を占う行為でもあるのです。

ちなみに、裁判所を通す際に

弁護士

法廷手続き料

等が前段階で発生します。

この前料金はオーナーが支払うことになりますが、それでも法的な手続きをきちんと踏むことで後からテナントに請求できるので安心です。

「もしも法廷手続き料の請求を無視されたら?」

無視されないようにテナントに

「この請求を無視するとあなたはブラックリストに掲載され、ファイナンシャルクレジットに大きく影響します」

と伝えておきます。

それでも無視する場合は実際にブラックリストに掲載されることになり、オーナーが差し押さえるセキュリティデポジット全額で少しでもかかった経費の穴を埋めるしかありません。

。。。

かくして、滞納癖のあるテナントに対してはこのように当月ではなく、契約にある翌月分を納めなかった時点で対応を開始することが肝要です。

あくまでも契約に沿って対応する

対応は早めに行う

どこまでもこのような毅然とした対応が自分自身の為のみならず、テナントに対する本当の親切でもあるのです。



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