Escrow Account(エスクローアカウント)とは 〜 後編

こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。

昨日からEscrow Account(エスクローアカウント)についてお伝えしています。

エスクロー・アカウントと聞くと、「エスクロー会社が用意する口座」といったイメージを頂きがちですが、実際には「融資する金融機関が用意する口座」です。

融資を受けて物件を購入する場合、通常のプロセスでは

1.物件を選ぶ

2.購入契約を開始

3.金融機関が物件を審査(ファイナンシャル・コンティンジェンシー)

4.融資審査合格(クロージングに進む)

5.(金融機関が)エスクローアカウントを開設

となります。

通常は物件を購入するほとんどの人々が融資を受けるものです。

金融機関としてはその度に融資を検討するわけですが、例えば今のアメリカの物件価格平均を$250,000とし、その融資額平均を80%のLTV(Loan to value ratio:物件価値から見る借入金の割合)とします。

手数料を抜きに単純計算で

$200,000($250,000 × 80%)

これだけの金額を融資することになりますね。

同じ金額を

10軒に融資すると$2,000,000

100軒に融資すると$20,000,000

ですから、金融機関としてはかなりの大金を個人に貸し出すことになるわけです。

そうすると、私たちが金融機関に勤める立場とすると誰もが

「この貸したお金、最悪の場合でも元金はきっちり回収しなくてはならない」

そのように考えます(当たり前ですね)。

これだけの金額で貸し倒れ続けては、とても融資事業を継続していくことは出来ません。

そこで金融機関としては貸し倒れリスクを未然に防ぐべく、自助努力として出来る手を可能な限り打つものです。

その一つがエスクローアカウントの開設なのです。

普通は融資を受けた個人はその後に

1.元金と利息の返済

2.固定資産税

3.保険

等の返済を開始することになります。

その返済の流れとしては

「1」→ 融資した金融機関に

「2」→ 管轄郡に

「3」→ 保険会社に

となりますが、

「そのいずれの支払いも滞っては困る」

というのが金融機関の本音。

そこでエスクローアカウントを開設し、

・債務者から毎月「1」「2」「3」の合計をきっちり回収する

・債務者の返済姿勢をモニタリングし続ける(各支払いを本人任せにしない)

この2つを実現するわけです。

「基本、人はお金にだらしない」

そんな前提にたって、貸し倒れリスクを軽減するための策としてエスクローアカウントが用意されることになります。

本日は続けて、エスクローアカウントについてその特徴を押さえておきましょう。

エスクローアカウントは義務化されているのか

まずはエスクローアカウントの立ち位置についてですが、ここまでにお伝えしたようにその目的は金融機関が貸し倒れリスクを軽減することです。

エスクローアカウントに毎月、月割の

1.元金と利息の返済

2.固定資産税

3.保険

の合計を振り込ませ、確実に返済が進められるようにします。

とはいえ、エスクローアカウントが義務かといえば、それはケースバイケースです。

例えばあなたが政府機関からの融資であるFHAローン(初めて物件を購入する個人に適用されるプログラム)を組む場合、頭金は3.5%という低さで融資を受けることも可能です。

けれども本当に 3.5%の権利をそのまんま使う場合、LTV(Loan to value ratio:物件価値から見る借入金の割合)は96.5%となりリスクは非常に高くなります。

融資元の金融機関としてはリスクを軽減するべく、FHAローンに対しては「エスクローアカウント開設は義務」とするわけです。

その一方で同じ政府機関からの融資であるVAローン(退役軍人用のローン)であれば、頭金は全くのゼロでも可とされています。

この場合は融資率が100%ですからFAHローンよりも更にリスクが高くなりますが、「エスクローアカウント開設は義務ではない」とされています。

この辺りは各金融機関に対して政府指導がどのように違うのか、そこまでは私(佐藤)も把握していないのですが、あらゆる面でアメリカの退役軍人は優遇されているのは間違いありません。

エスクローアカウントの維持

そして融資する金融機関がエスクローアカウントを開設する場合、連邦政府の指導により金融機関には

「年に一度、エスクローアカウントの明細を発行すること」

が義務付けられています。

ここに一年間に支払われたであろう

1.元金と利息の返済

2.固定資産税

3.保険

等の明細が記載されているわけです。

「1」の場合は契約時が固定金利であれば、通常は毎月の(すなわち一年間の)返済額は変わりません。

けれども「2」や「3」については変動が起こりえます。

その為に明細を見ると残高には過不足が発生し得ることになります。

この為、金融機関よってはRESPA(The Real Estate Settlement Procedures Act )が定める

「エスクローアカウントに徴収できる金額は最大で支払総額の2ヶ月分までとする」

という規定に従い、2ヶ月分をエスクローアカウントに常々保持させる場合もあれば、

「エスクローアカウントには利息を発生させねばならない」

と定めている州もあり、この点は様々です。

(郡の規定が連邦政府規定よりも優先されることもあります)

いずれにせよこれらの仕組みをもって、融資する金融機関は個人からきっちりとお金を徴収し、集めたお金で個人の代わりに固定資産税や保険料を支払うことになるのです。(請求が融資した金融機関に直接届きます)

。。。

エスクローアカウントについてお伝えさせて頂きましたが、融資を受ける個人にしてみれば面倒な三者

融資元

管轄郡

保険会社

への支払いを一つにまとめることが出来るわけですから、決して悪い話ではありません。

しかもそこに利息がつくのであれば、開設しない理由がないですね。

あなたが融資を受けて物件を購入する場合、融資元の金融機関に相談してむしろエスクローアカウントは積極的に活用してもよいかもしれません。



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