先渡しで徹底したサービスを – 淀屋常安に学ぶ 〜 後編

こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。

昨日から江戸時代初期の豪商、淀屋常安についてその軌跡を簡単に追い、不動産投資にも活かせる学びについてお伝えしています。

淀屋常安の総資産は現在の貨幣価値で約200兆円にも及び、2019年現在のアマゾン・ドットコムの創業者ジェフ・ベゾスの総資産約16兆円すら遠く及ばない額でした。

ちなみに10年ほど前にロスチャイルド一族の総資産が 約6,000兆円と発表されてしましたが(彼らは表舞台には出てきませんが)、ドイツから始まったロスチャイルド一族が金融資本に関わった歴史としては約200年程度です。

さすがにこの額には届かないものの、淀屋常安の生きた約400年前の時代ではおそらく世界でも有数の資産家だったのではないでしょうか。

そして淀屋常安の信念には

「先渡しのサービス」

「分に応じて出来る限り、人様のニーズに合わせて最大限の利益を提供する」

というものがありました。

実際には、分に応じての先渡しというよりも現在の貨幣価値で軽く億単位になる過度な先渡しの方が多かったようです。

そして最初こそ鳴かず飛ばずの材木商人でしたが、その時から先渡しの精神は一貫していたと言います。

このことは現代の私たちも大いに学べる部分があると思います。

世の中を観察してみると、飛躍してしかもその発展が続いていく人々というのは

1.保有する資産が大きくなる

2.資産の拡大に合わせて考え方のスケールが大きくなる

ではなく、

1.考え方のスケールが最初にある

2.その人の考え方に合わせて資産が大きくなる(その人のスケールに資産がついてくる)

であるように思います。

例えば、ソフトバンク創業者の孫正義さんもそうですね。

ここに書くまでもありませんが、起業当時の話を読むとソフトバンクという大企業が孫正義さんの考え方のスケールに合わせるように拡大していきていることがよく分かります。

起業当初のバイトを含む数人しかいない頃にみかん箱の上にたって演説を奮っていたといいますが、その当時の会社規模で考えたら、普通に考えたら変な男性です。

けれどもソフトバンクの軌跡と今の規模を考えると、同社は起業当初からの孫正義さんの考え方のスケールについてくるように拡大が続いているように思えるのは私だけでしょうか。

天下の台所をつくる

淀屋常安の話に戻します。

材木商人から開始して

豊臣秀吉

徳川家康

といった大人物からの信任を受けて、淀屋常安はその事業を全国に展開していきます。

各藩の諸大名への貸付も含め、その時までにかなりの財力を蓄えていた淀屋常安は、人生で一番の功績ともいえる米市の設置に着手することになります。

そのきっかけは大阪の陣でした。

二度に渡る大きな戦いの後で、城下町は相当疲弊していました。

多くの人々が家を失い、商人も商売の立て直しに必死でした。

そんな時、淀屋常安は徳川家康に突拍子もないことを願い出ます。

「淀川の中洲を埋め立てる許可をください。費用は全て自分で出します。」

その場所は大阪淀川にある当時はさほど大きくもない中洲で、葦(あし)ばかりが生えているような誰も見向きもしない場所でした。

そんなお金にならないことをと他の材木商人がせせら笑う中、淀屋常安にはハッキリと見えていたものがありました。

淀川は

琵琶湖 → 京都 → 大阪 → 瀬戸内海

とつながる大動脈であり、その中州を拠点にすれば物資の流通が格段に飛躍すると考えたのです。

「この事業をもって大阪城下を癒し、かつてのような活気を取り戻せれば」

淀屋常安にはそんな想いがありました。

そして淀屋常安は莫大な私財を投じて、当時の中洲を東西に埋め立てて拡大し、東西3.5キロの巨大な造成地、今の中之島を完成させました。

その中州が出来上がる頃には全ての商人がその利便性に気づき、各藩は競って蔵屋敷をそこに設置し、出荷する米を中之島に一時保管するようになりました。

同時に淀屋常安は米の取引所を設置し、全国から集まる大量の米の売買を采配するようになったのです。

淀屋常安の構想は見事なまでに大当たりし、やがてこの中之島には全国のお米の約半分が集まるようになったといいます。

結果として大阪は「天下の台所」とまで呼ばれるようになったのです。

大阪の陣からの経済復興を実現し、大阪を天下の台所と世に知らしめたのはまさに淀屋常安の私財を投じた先渡しの行動にあったわけです。

世界初の先物取引

そして米が集まると同時に深刻化した問題がありました。

それは、米の価格がその年の取り立て高に応じて乱高下するということです。

当時は米は全ての物価の基準でしたから、米の価格が安定しない為に生活用品を含む他の物価の基準も大きく乱高下したのです。

毎年続く不安定な物価の変動を見て、淀屋常安は世界市場で類をみない案を幕府に提出しました。

「米の先物取引」

です。

収穫される前の米を、その先の出来不出来に関わらず「この値段で買う」と予め決める取引ですね。

例えば6月に稲を植えた場合、その米価の基準になるのはその6月時点の米の価格です。

淀屋常安は先物取引として、その6月時点の価格で買い取ります。

すると、仮に収穫時の10月になって不作で米価が下がってしまった場合、その差額は淀屋常安が負担することになり大損をします。

けれども淀屋常安はそれを良しとし、それよりも米価の安定からもたらされる日常品価格の安定化を優先させたのです。

その結果、淀屋常安の読み通りに米価は安定し、人々の暮らしにも安心感が出てきました。

それどころか、米価の安定化を受けて全国の米はますます中之島に集まるようになり、結局は過去以上の手数料が淀屋常安には入るようになったのです。

ここでもまた淀屋常安の先渡しの徹底したサービスが一貫して現れています。

まさに起業当初からの淀屋常安の考え方に、後から資産はついてきたように思えるのです。

。。。

2日間に渡って淀屋常安を取り上げさせて頂きました。

このような先渡しの精神は不動産投資でも同じことがいえます。

もちろん自分自身へのリターンが期待されるからこそ投資家は出資するわけですが、その出資額は決して小さいものではありません。

私(佐藤)自身も出資する際には度胸と慎重さという、矛盾する複雑な(そして面白みある)感覚が胸中におとずれます。

そして不動産投資の場合、そこにもたらされるのは人様の「住」です。

プロジェクションの数字を見るのみならず、現場(立地)をみてニーズを読み取らないと不動産投資は失敗に陥ります。

「どの土地にニーズがあるのか」

「どの土地は将来も安定するのか」

「開発されるとニーズが出るだろう土地はどこか」

そんな人々のニーズがある場所を見極めて、先渡しで資金は投じるべきろうだと思います。



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