危険な綱渡り!ブリッジローン(Bridge Loan)とは ~ 後編

こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。

昨日からブリッジローン(Bridge Loan)についてお伝えしています。

ブリッジローンとは人によってはあまり聞き慣れない言葉かもしれませんが、実際は不動産業界のみならず金融業界では一般的な言葉として使われています。

簡単に言えば「つなぎ融資」ですね。

何かしらの取引において

「資金の目処は立っているんだけど、目先の取引に間に合わない」

そんな場合のつなぎ融資として利用されるのがブリッジローンです。

M&Aでも活用されることがありますし、規模の大きいものになると政府保証付きのブリッジローンなるものもあります。

日本では2010年に破綻した日本航空の件で、政府保証付きのつなぎ融資が行われたことがありました。

そしてアメリカ不動産業界で「ブリッジローン」という場合、十中八九

「個人・法人が現在の物件から新しい物件に買い替える際のつなぎ融資」

のことです。

今の小さい家から大きい家に引っ越したい。

けれども今の物件の住宅ローン返済も住んでいない。

新しい家の頭金も用意しづらい。

そんな場合に、ブリッジローンを民間金融機関に申し込むのです。

基本ルールとしては

「現在の物件と購入予定の物件の不動産価値の合計80%まで融資可能」

となり、

現在の物件価値 = $200,000

購入する物件価値 = $300,000

であれば

ブリッジローン融資額 >= ($200,000 + $300,000) × 80% = $400,000

となり、$400,000まで融資が可能ということになります。

この場合は購入しようとする物件価格よりも$100,000多く融資が受けられる可能性があることになりますね。

かくして、

現在の物件

購入予定の物件

の2つの不動産価値を合わせた80%を上限として融資を受けることで、つなぎ融資を準備出来るのがブリッジローンです。

しかもこのブリッジローンは新しい物件を購入する際の購入契約期間のファイナンシャル・コンティンジェンシーの対象とはなりません。

新しく購入する物件の購入契約は「現金購入」としてストレートにクロージングにもっていくことが出来るわけです。

とはいえ、このブリッジローンは良い面のみではなくマイナス面もあります(というより、マイナス要素の方が大きいです)。

今日は、ブリッジローンのマイナス面について焦点を当てていきましょう。

ブリッジローンのマイナス面

まずはブリッジローンの本質を振り返ってみましょう。

ブリッジローンは「一時的なつなぎ融資」という趣旨で提供されるものです。

すなわち一時的というからには短期の融資であり、実際にはブリッジローンの融資期間は3ヶ月〜1年程度です。

そして民間金融機関にとっては

融資期間が長い → 利息からの儲けが大きい

融資期間が短い → 利息からの儲けが少ない

ということですから、ブリッジローンは本質的に金融機関にとっては儲けが少ない商品ということになります。

30年固定金利ローンのような利益はとても出せないわけですね。

けれども世の中にブリッジローンのニーズは確かにある。

ということで、結果としてブリッジローンは

・オリジナルフィー(手続きにかかる手数料等)

・金利

がそれぞれ非常に高いのです。

金利についていえば、一般的にはブリッジローンの場合は

6% 〜 16%

の範囲で設定されます。

捉え方としては、

「融資金額が少なく、期間が短いほど金利は高くなる」

と憶えておくとよいと思います。

例えば

融資額$30,000

期間:3ヶ月

であれば金利が6%に近いのか、もしくは16%に近いのかは自ずと分かりますね。この場合は16%近くの金利になる場合がほとんどです。

ブリッジローンの使い方

結局のところ、つなぎ資金となるブリッジローンは

「短期高金利融資」

ですから、

「短期返済を前提として計画を立てる」

ことが必須の条件となります。

そうするとブリッジローンを使う場合の現実的なステップは次のようなものです。

現在の物件価値 = $200,000

購入する物件価値 = $300,000

この例でいくと、

1.つなぎ融資をギリギリ80%まで引く($400,000)

2.新しい物件を購入する

3.引越し後に現在の物件を売却する

4.同時に新しい$300,000の物件に対して通常の30年固定金利でリファイナンスする

5.「3」と「4」でブリッジローンを返済する

このような流れです。

例えば現在の物件のローン残高が$100,000であれば物件が売れた後は

$100,000($200,000 – $100,000)

が残ります。

そして新しい物件に対して融資を受けることになりますが、この頭金はブリッジローンで借りた$400,000から$300,000を引いた$100,000をあてることとします。

すると新しい物件を30年固定金利でリファイナンスして

$200,000($300,000 – $100,000)

の融資を受けることになりますね。(*細かい手数料は省きます)

そしてこのまま$200,000をブリッジローンの返済にあてると

現在の物件売却からの残金:$100,000

リファイナンスからの融資額:$200,000

ですので、$400,000を返済すると

$100,000($400,000 – $300,000)

でブリッジローンの完済には$100,000の不足。。

今度は「現在の物件は借金ゼロで所有率100%」としましょう。

この場合は現在の物件が売却できた際の$200,000をこのままブリッジローンの返済にあてるとします。(*細かい手数料は省きます)

するとブリッジローンの余り$100,000をリファイナンスの頭金に使って$200,000の融資を受けたとします。

そこでようやく

$200,000 … 物件売却から

$200,000 … リファイナンスから

この二つを合わせ$400,000とし、つなぎ資金のブリッジローンを返済出来るわけです。

けれども厳密には

ブローカーへの手数料

クロージング費用

その他諸経費

が発生しますから、この分は自己資金から支払う必要があります。

すなわち、ブリッジローンは

「現在の物件が100%の所有率の場合」→ 売却と購入にかかる諸経費を自己負担

「現在の物件に住宅ローンが残っている場合」→ 売却と購入にかかる諸経費を自己負担 + ローン残高

これだけの自己資金がないと、「渡れるはずの綱が渡れない」結果となってしまいます。

そして更に最悪のパターンになり得るのは、「現在の物件が早々に売却できなかった時」です。

売れない時期が続くほどブリッジローンの高い金利の利息を支払い続けることになり、かつブリッジローン返済の目処が立たないことになります。

結局のところ、ブリッジローンは決して安全なつなぎ融資ではなく「危険な綱渡り」なのです。

新しい物件に移り住みたいけれども資金がない。

そんな場合でもブリッジローンの使用は極力控えて、一時的にでもアパートに引っ越した方がまだリスクは少ないように思います。



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