セキュリティデポジットはどこまで使えるのか?

こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。

アメリカでは夏休みシーズンの今が引越しのピークタイムです。

年度初めを9月とする中で、子供たちの夏休みシーズンも絡んで米国内のあちらこちらで大移動が展開されているわけですね。

そしてこの「学校がいつ始まるか」は引っ越しシーズンを大きく左右します。

学校の再開は学区により違いがありますが、早い学区では8月の初旬近くや中旬から学校が始まるものです。

そうすると子供のいる家族としては学校が再開する前に引越しを完了させたい狙いがありますから、ある程度余裕をもって引越しを行います。

結果として、学区によってはこの8月ではなく7月が引っ越しのピークタイムになる地域も多いのです。

そしてこの流れを受けて、アメリカに賃貸物件を所有する方々の中でも住人入れ替えの「ターンオーバー」が多く発生してきます。

もちろんリース期間は契約で通常一年毎に更新されることになりますが、そもそも契約開始時期がこの夏の引っ越しピークタイムに合わせて入居するパターンが多いことから、ターンオーバーの発生もこの時期に多くなるのです。

その為、この時期には私(佐藤)にもターンオーバーに関するご質問が増えてきます。

その内容はほぼ共通するのは、

ターンオーバーの修繕・清掃作業では、どの範囲までテナントに請求してよいのでしょうか?

というもの。

新規テナントと契約を交わす際には通常は家賃1ヵ月分に相当するセキュリティデポジットを請求します。

テナントにしてみれば

・家賃の1ヵ月分に相当するセキュリティデポジット

・1ヵ月目の家賃

と、最低でも家賃の2倍の資金が必要になるわけです。

このセキュリティデポジットは日本でいうところの敷金に相当します。

退去時にはこのセキュリティデポジットから必要経費が支払われ、その残高が退去したテナントに払い戻されることになるのです。

そこで今日はターンオーバー時期に多いご質問への返答として、テナント退去時にテナントに請求してよい項目についてお伝えさせて頂きます。

セキュリティデポジットに対して課金できる項目

テナントが退去する際のターンオーバー時期に発生する費用についてはテナントに請求し、セキュリティデポジットから差し引いて残高をテナントに返金することが出来ます。

ただし厳密にはどこからどこまでが課金できる範囲かは州法毎に違いがありますので、自分が不動産物件を所有する州の規定をよく確認するようにしてください。

ここでは一般的な範囲に留めますが、セキュリティデポジットに対して請求できる範囲は下記のようなものです。

未納家賃

当然ながら、賃貸契約書に従ってテナントは契約上の最終月まで家賃を支払う義務があります。

ところが、中にはルーズなテナントがいろいろな難癖をつけて支払いを拒み、最後には「いつの間にか引越していなくなっていた」ということも稀にあるものです。

そのような場合はセキュリティデポジットをそのまま未納家賃に充てることが許されています。

また、アパート物件等で一戸の家賃が安い場合は

「セキュリティデポジットを二か月分にする」

等も有効です。

例えば一戸が$700の家賃であれば、セキュリティデポジットを2ヵ月分の$1,400するわけですね。

結果としてテナントは

セキュリティデポジット(家賃の2ヵ月分、$1,400)

初月家賃(初月の$700)

と合計で$2,100を支払うことになりますが、1ヵ月家賃が$1,000以上で初期費用が余裕で$2,000を超える賃貸物件は数多くありますので、合計$2,100前後の初期費用は決して法外ではありません。

このようにセキュリティデポジットを2ヵ月分徴収しておくことで、

・万が一の未納家賃

・修繕、清掃費用

に十分宛てられるようにしておくわけです。

修繕費用

そしてセキュリティデポジットに課金できる代表的なものが、この物件の修繕費用です。

ただし課金できる範囲は決まりがあり、

「Normal wear and tear(使用している間にどうしてもすり減ってきたり,多少の傷がついたりする個所)以外」

と定められています。

故意ではなく壁にちょっとできた傷やすり減った絨毯に対しては課金出来ないわけですね。

けれども明らかにテナントの使用期間中に破損した個所、例えば

壊れたドアノブ

壊れたサンスクリーン

壊れた蛇口

等、摩損・摩耗ではなく壊された部分に関しては課金が可能です。

清掃費用

清掃費用も原則としてセキュリティデポジットに課金が可能です。

厳密には、「テナント入居時点のレベルに戻す清掃作業」に対しては課金が可能です(州により規定が違います)。

過度な清掃作業には使用できませんが、通常のクリーニングであればセキュリティデポジットから差し引くことが可能です。

その他

破損個所の修繕や清掃以外にも、例えば

・賃貸物件内にあった個人所有物

かつ

・賃貸契約書内でその所有物に破損があった場合はテナントが責任を持つことが明記されている

場合は、セキュリティデポジットから差し引くことが出来ます。

例えば

屋内にある置物の像

裏庭にある添え付けで設置してあるバーベキューコンロ

等ですね。

。。。

セキュリティデポジットから差し引いてもよい範囲について概略をお伝えさせて頂きました。

繰り返しとなりますが、課金できる範囲は厳密には州法によって若干の違いがありますので、あなたが物件を所有する州のリアルターに課金できる範囲は尋ねてみてください。

基本的には

「常識の範囲でテナント入居前の状態に戻す」

という概念で通じるものですし、然るべきものは課金することでターンオーバー時期の持ち出しは極力抑えた方がよいのです。

そしてここでもう一つ、覚えておくとよいターンオーバー用のテクニックがあります。

明日に続けます。



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