アメリカで所有物件を売却する時の費用は?

こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。

資産形成の一環としてアメリカ不動産を購入する場合

純粋に自分の住居用で購入する場合

このどちらにも関わらず、物件を購入した数年後に100%発生するだろう出来事があります。

それは

「自分が購入した物件の売却」

です。

贈与形式の譲渡でない限り、他人への物件売却行為は必ず将来発生します。

そして投資の世界でよく「出口戦略」という言葉が使われますが、不動産投資の場合の出口戦略はまさにこの売却時の行為をいいます。

出口戦略の本来の意味は

軍事行動で、軍隊の損害を最小限にとどめて戦線から撤退するための作戦。撤退作戦。

出典:デジタル大辞泉

ですから、自身の不動産投資戦略の一環として

「物件売却による金銭的損失を最小限にとどめて市場から撤退するための作戦」

と言えます。

そうすると、投資用物件を購入する最初の段階で

「物件売却にはどのような項目に対して、どれくらいの費用がかかるのか?」

という点はある程度見立てておく必要があるわけです。

そこで今日は、あなたがアメリカで物件を売却する際に発生する支出項目について押さえておきましょう。

売却時のお金の流れを知る

まずはアメリカでの不動産物件売却時に派生するお金の流れについて見ておきましょう。

物件売却時のお金はどこから入り、そしてどこに流れていくのでしょうか。

もちろん

A: 送金者 ⇒ 買主

B: 受取人 ⇒ 売主

で買主から売主にお金は流れるわけですが、

A ⇒ B

の式でストレートに売主にお金が入るわけではありません。

このAとBの間ではお金がBにたどり着くまでに様々な支出が発生してきます。

この出費項目とその費用の目安が、出口戦略を立てる上で知っておくべき大切な数字なわけです。

そして通常の取引では、この両者の間には

A ⇒ C(仲介者) ⇒ B

このC(仲介者)が出てきます。

このC(仲介者)とは地域市場ごとの取引習慣により多少違いがあり、

エスクロー会社

不動産エージェント

不動産弁護士

タイトルカンパニー

等、ケースバイケースです。

一般的にはエスクロー会社が仲介に入るのものですが、いずれにせよこのC(仲介者)の部分であらゆる費用が差し引かれ、最終的な残高が売主であるあなたに流れてくることになります。

ちなみに、厳密には

「不動産取引には仲介者を入れねばならない」

という法律はありません。

とどのつまり、売主と買主の合意があればエスクロー会社はおろか不動産エージェントも必要なく、極めて最小の費用で済むわけです。

ところが現実には、物件売却手続きは専門知識とそこにかける十分な時間が必要になります。

だからこそ専業者(不動産エージェント)が存在するわけで、アメリカでも売主が自分で売却するFSBOを試みる割合は36%である中、そのプロセスの大変さに気づいて途中からリスティングエージェントとの契約に切り替える人々が多く、最後までやり遂げる売主は11%に留まっています。

カリフォルニアのような物件価格が非常に高額なキャピタル市場ではFSBOの割合は更に低く、6%に留まるのみです。

そこでこのC(仲介者)が間に入った場合の派生するだろう費用項目について押さえておきましょう。

不動産エージェントへの手数料

売主側 … リスティングエージェント
買主側 … バイヤーエージェント

この双方が存在する時、それぞれに対して手数料が支払われます。

そして双方のエージェントが存在する場合は、二者の手数料を負担するのは売主です。

すなわち、上記のC(仲介者)の部分で不動産エージェントに対し売主が

5% ~ 6%

の手数料を支払うことになります。

ここはいつか物件を売却する立場としては確実に覚えておきたいポイントです。

例えば物件価格が$250,000であれば

$12,500もしくは$15,000

の手数料を不動産エージェントに支払うことになります。(5%の場合、通常はエージェントが一人となるデュオルエージェンシーの時です)

そしてここからリスティングエージェントとバイヤーエージェントの双方に分けられ、手数料が3%ずつであればお互いが$7,500の手数料を受け取るわけです。

クロージングコスト(Closing Cost)

そして次には把握しておいたいのは、売却手続きに伴い派生してくるクロージングコストです。

典型的な例としては、クロージングコストは物件売却価格の1%~3%に落ち着くことになります。

ここには

役所への登録料

タイトル保険代

等、あらゆる項目が含まれます。

ちなみにどの項目をどちらが負担するのか、ということについては売主と買主のお互いの合意で定められるものです。

地域市場ごとに各項目をどちらが負担するのかは取引習慣で決められているものですが、あくまで交渉の余地が残されているのが原則です。

固定資産税(Property Tax)

そして見逃せないのが、売主による売却時の固定資産税の負担です。

固定資産税そのものは通常は年に2回に分けて支払われますが、その課税対象期間は一年間です(何月何日から一年間かは、州ごとに規定が違います)。

そしてクロージングまではあなたが物件の所有者ですから、クロージングの日を基準にして売主と買主の間で日割り計算で固定資産税の負担を分かち合うわけです。

不動産譲渡税(Transfer Tax)

そして売却時に発生する支出項目としてもう一つ覚えておきたいのは、不動産譲渡税(Transfer Tax)です。

不動産を他人に譲渡する行為に対し、税金を納めなくてはならないわけですね。

この不動産譲渡税に関しては、課税される州と課税されない州とがあります。

例えばカリフォルニア州の場合は

「売却額の$500ごとに$55セント($0.55)」

と定められています。

なぜ「$500毎に」なのかわ分かりませんが、これを$1単位に修正すると

0.0011($0.55セント/$500)

となり、すなわちこれは0.11%です。

そうするとカリフォルニア州で$800,000で物件を売却した場合は

$880($800,000 × 0.11%)

と、$880の譲渡税を支払うことになります。

これに対し、テキサス州のように不動産譲渡税そのものが発生しない州もあります。

それぞれの州の不動産譲渡税についてはこちらを参照ください。

。。。

物件を売却する際に売主に発生し得る支出項目についてお伝えしました。

厳密には住宅ローンが残っている場合はクロージング時に清算になり、全てが清算された後で冒頭の(B:受取人)、すなわち売主であるあなたに残金が振り込まれることになります。

この辺りの物件売却時にかかる費用については予め把握し、かかるだろう費用を予め試算した上で売却に臨むとよいと思います。

注意:実際の出口戦略としては、キャピタルゲイン課税等も加味する必要があります。本項では売買契約期間中に発生する費用にのみ言及しています。



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