テナンシー・イン・コモン(Tenants in Common)で知っておきたいこと

こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。

ご存知のように私(佐藤)はアメリカ不動産会社と直接取引をして物件を購入したい方々を現地とお繋ぎする、接着剤的なサポートを展開しています。

そしてご相談に来られる方々は、それぞれに十人十色のご事情があるものです。

そんな中、ここ最近は

「二人の共同名義で購入したいのです」

というご希望が度々あります。

友人同士

夫婦以外の親族

恋人同士

というような、夫婦以外の二人が共同の名義で物件を購入するパターンです。

このような夫婦以外の二人(もしくはそれ以上の人数)が共同名義で物件を購入できるかといえば、それはもちろん可能です。

ただし、その場合の不動産権の設定はやや特殊になります。

夫婦の場合は通常、特別な事情がないかぎりは

ジョイント・テナンシー(Joint Tennancy)

という形態の不動産権になりますが、夫婦以外であれば

テナンシー・イン・コモン(Tenants in Common)

という不動産権保有形態になるのが通常です。

テナンシー・イン・コモンの形態をとることで共同名義のメンバーの利権は一定条件のもとに平等に保たれることになります。

とはいえごく近しい一親等内の親族同士であればまだよいとは思いますが、二親等以上の親族や血縁関係のない他人と共同名義を組む場合はよく検討する必要があります。

テナンシー・イン・コモンの形態がどのような特徴があるのか、またそれがどのような結果になるのかは事前によく把握しておく必要があると思うのです。

そこでここ最近の傾向に合わせ、今日はアメリカ不動産権形態の一つであるテナンシー・イン・コモンについて深掘りしてみましょう。

テナンシー・イン・コモンの特徴

テナンシー・イン・コモンとは前述のように、「特定の不動産権全体を複数で共有する形態」です。

そして夫婦での所有形態となるジョイント・テナンシーとの分かりやすい違いは「survivorship(サバイバーシップ帰属権)」にあります。

ここでいうsurvivorship(サバイバーシップ:帰属権)とは、

「他方が亡くなった場合、そのもう片方に自動的に権利が帰属する」

ことです。

例えば夫婦の場合のジョイント・テナンシーであれば、夫が亡くなった場合は夫の権利は自動的に妻に譲渡され、妻が100%の権利を持つことになるのです。

それとは反対にテナンシー・イン・コモンの場合はそこにサバイバーシップはありません。

すなわち、

Aさん

Bさん

Cさん

の3名がテナンシー・イン・コモンで不動産権を三分割し、それぞれが不動産権を1/3ずつ所有したとします。

そして例えばAさんが亡くなった場合はそこにサバイバーシップはありませんから、BさんとCさんがAさんの不動産権を二分割して自動的に受け取る、ということは出来ないのです。

この場合の1/3 ずつの不動産権はそれぞれが独立していますから、Aさんの権利はBさんとCさんの権利に影響を受けず、そのまま相続対象となり子孫に引き継がれるのです。

この考え方でいけば、テナンシー・イン・コモンの場合はそれぞれの権利が独立していますから非常に自由度が高いことになります。

事実、Aさんが生きている間にでもBさんもCさんも知り合いではないDさんにその1/3の権利を売却することも自由ですし、更にAさんは

Dさん

Eさん

Fさん

の3名に売却する、という芸当も可能になるのです。

この3名にAさんが売却した場合の権利保有比率は

Bさん … 1/3

Cさん … 1/3

Dさん … 1/9

Eさん … 1/9

Fさん … 1/9

となりますね。

これがテナンシー・イン・コモン形態の不動産権所有方法となり、所有権と同時に今度は

モーゲージ

固定資産税

保険

維持費

等、その物件を維持管理するのに必要な費用の負担額もそれぞれが所有するテナンシー・イン・コモンの割合によってその責任が決まることになります(出資割合に関わらず、所有者間で負担割合を話し合うことも自由です)。

テナンシー・イン・コモンの利点

かくしてアメリカで不動産物件を共同購入する場合、とりわけ夫婦以外の二者以上が共同名義をもつ場合はこのテナンシー・イン・コモンを使うことになります。

この形態の利点は

・不動産権の割合は出資比率で決められる(のが自然。そうである必要はなし)

・所有割合の権利が独立しており、柔軟性がある

・一人では購入できない高額な物件でも、複数と共同購入することにより自己負担額が下がって取得が可能となる

・一人で購入できたとしても複数で購入することで自己負担を減らせる

等が考えられます。

非常に柔軟性を保てるわけですね。

ちなみにテナンシー・イン・コモンの場合はその所有者の一人が亡くなった場合はサバイバーシップは発生せず相続されるとお伝えしましたが、その相続相手は子孫である必要はありません。

妻(夫)

子供

他人

と、生前にそのテナンシー・イン・コモンの所有者が指定していれば、そのとおりに相続がなされるのです。

テナンシー・イン・コモンの欠点

このように柔軟性を持つテナンシー・イン・コモンではありますが、その柔軟性が反対に欠点となる場合もあります。

すなわち、先の

Aさん

Bさん

Cさん

の例で言えばAさんの譲渡先をBさんとCさんは口を出すことはできません。

AさんがDさんに持ち分の不動産権を譲渡する場合、AさんはBさんとCさんから許可を取る義務は全くないのです。

ということは、BさんとCさんにとってはDさんは付き合いたくない相手かもしれませんし、Dさんが所有者となった後で意味の分からない要求をしてくることも考えられるわけです。

この場合はかえって便利なはずの共同所有が、ストレスの種になってしまうわけですね。

。。。

このように夫婦以外の二人以上が共同名義で不動産物件を購入する場合、その形態はテナンシー・イン・コモンとなるのが一般的です。

けれども前述のようにテナンシー・イン・コモンは柔軟に見えてやっかいな形態にもなり得ますので、共同購入を希望する方は本当にテナンシー・イン・コモンを使用して購入するべきか、事前に専門家によく相談されるとよいと思います。



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