スターターホームはスキップするべきか? 〜 後編

こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。

昨日からスターターホームについてお伝えしています。

人生で初買いする物件の対象となり得る、1ベッドルームや2ベッドルームの比較的小ぶりな物件をスターターホームと呼びます。

まず最初に小ぶりな物件を所有し、収入が安定的に増えて家族構成が変わるにつれて徐々にグレードの高い物件に変えていく。

そんな暗黙の了解のような住宅購入概念がアメリカにはあります。

そしてこの概念はもっぱら「物件価値は上昇する」という前提で成り立つものです。

価値が上昇する物件を購入すれば損することはなく、購入額よりも高値で売却して次の新しいより高額な物件を購入できるはずという前提があるわけですね。

そんな風潮がアメリカ不動産市場で定着しているからこそ、一般MLSサイトでもよく目にする「Good for starter !」という宣伝文句が出て来るわけです。

そしてこの宣伝文句には

「この物件は一生暮らすべき物件ではないけれども、この小ぶりで小奇麗な家はあなたの初買いの家にふさわしいと思いませんか?」

そんなニュアンスが暗に含まれています。

ところが、近年はそんなスターターホームの概念をスキップしていきなり一生暮らす前提の大きな物件を購入するミレニアル世代が増えてきています。

その基準は、「初買いの物件ながら4ベッドルーム以上の大きな物件を購入する」というもの。

この点は個人の価値観にるものの、投資という観点で考えてもスターターをスキップしていきなり大きめの物件を購入することはお薦めできません。

原則物件価値上昇のアメリカだからこそ、スターターはきっちり押さえた方がよいと思うのです。

今日は、アメリカで自宅を購入する際にはやはりスターターレベルから開始した方がいい理由についてお伝えさせて頂きます。

そもそも予算に見合っているのか?

まず、当然ながら大きな物件ほど

頭金

毎月のローン返済額

等は大きくなってきます。

そして現実は甘くなく、より細かく見ていくと

固定資産税(大きく価値のある物件ほど固定資産税が高い)

家屋保険(物件のサイズが大きい程高い)

HOA(管理組合の年間費用がばかにならない)

等、その物件を所有するが為に一年の間に発生する支出はかなりの額に及ぶものです。

そして多くの人々がこれらの見込まれる年間支出総額を深く考えることなく、

頭金

毎月のローン返済額

の二つのみを考える傾向があります。

いっても、今のミレニアル世代は決してお金がないということはないように思います。

というのも、まっとうに仕事で稼ぎながらも

・自宅で両親と暮らし続ける(今はアメリカでも家を出ない若者が多いです)

・友人と暮らして家賃を割り勘する

等で支出を押さえ、それなりに貯蓄に励む保守的な若者が多いもの。

そして例えばカリフォルニアで$800,000の物件を購入する場合、余計なモーゲージ保険を支払わずに済む最低頭金を20%とすると

$160,000($800,000 × 20%)

にもなりますが、それまでの貯蓄や親からの支援でなんとか支払えてしまう若者も多いものです。

けれどもこの「なんとか」が曲者なのですが、それだけ大きい物件を抱えると前述の付随してくる支払いで一ヶ月の支出は一気に増えてきます。

キャリア構築半ばでこれらの支出に縛られてしまうと、いざあてにならないする収入が途絶えたときに失敗する確率も大きくなるのです。

いわゆる「House Poor(自宅を所有するが故に貧乏になる)」の状態に陥るリスクが大いにあり得ます。

本当に落ち着くべきタイミングなのか?

そしてスターターホームをスキップすることは、前述にもましてこちらの方が私(佐藤)にとってはリスクが高いように思うのですが、それは

「人生のステージで本当にラストホームを必要とするタイミングなのか?」

ということ。

30代であれば、そこからまだまだ様々な人生の変化は考えられます。

自分の将来は誰にも分からない一方で、ある程度確かなのは

「若年層の間は人生の変化が起こりやすい」

ということです。これはあなた自身にも思い当たるのではないでしょうか。

・結婚

・転職

・転勤

・昇進、昇格

等、好む好まないに関わらず人生のステージを変えねばならない場面は人生で幾度となく起こってきます。

紆余曲折を経て人生は落ち着いてくるのが常ですから、先が見えないのであれば尚更変化に備えておくほうが吉と出やすいものです。

そしていざ住居そのものを引っ越さねばならなくなった場合、所有してる物件がスターターであれば随分と動きやすいと思います。

単純に考えても、

$160,000程度の小ぶりなスターターホーム

$800,000のグレードの高いラストホーム

市場に出した場合にこのどちらが売れやすいか、考えずとも分かりますね。

不動産物件は本質的に流動性が低いものですが、相対的にまともな治安と立地であれば価格が安い方が売れやすいと相場は決まっているのです。

これもまた一つのリスク管理になりますし、結局は機動力の意味でもまだまだ30代の初買いではスターターホームのレベルにしておいた方が無難なのです。

本当に自分のライフスタイルに合っているのか?

そして最後のポイントは

「その物件は自分にとって本当に生涯暮らすに相応しい物件なのか?」

という視点。

「ガレージは二台のスペースが必要だった」

「地下の部屋は必要なかった」

「料理を作りながらフロアを見渡せる間取りが良かった」

「自分でやるべき手入れ箇所が多すぎる」

などなど、賃貸物件とは違い所有物件は全て自分に責任がかかってきますから、自分で物件を所有してみて初めて分かることは多々あるものです。

その意味でもやはりまずはスターターホームから開始して、試運転的に自分の物件を手に入れて感覚を掴みむ方がより有利になります。

これもまた、私(佐藤)が考える不動産に対するリスク管理の一つです。

そして長年かけて収入もより安定した段階になって初めてグレードの高い物件に引っ越した方が、より上手な資産形成ができるものだと思います。



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