現金ハイビットが良いわけではない話 〜 前編

こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。

2019年のアメリカ不動産市場のピークタイムに向けて、日々市場が熱くなっています。

冬場でも売り手市場が続く昨今、この夏は昨年にも増して買い手が多いようです。

とりわけ日本人投資家の皆様の動きが活発なように見受けられますが、この点は短期償却の税制がいつまで続くか不透明な要素が背中を押している様子(実際のお声から)。

かくして日本から投資される方々も実に多いのですが、その大方は現金購入をされていらっしゃいます。

そもそも高いキャッシュフローを実現できるテネシー州メンフィス市場では残念ながら日系融資機関がさほど目を向けておらず、メンフィスに投資する場合は現金購入のみとなる場合が多いもの。

またはテキサス州のようなキャピタルゲイン市場であったとしても、現金一括で購入される方も多いようです。

ときに、このように現金一括で購入する場合は「Power of Cash(パワー オブ キャッシュ)」というインセンティブが売主に働く場合が大いにあります。

これは何かといえば、現金で購入する場合は即ち融資を必要としないわけですから

融資がない → 融資審査がない → 契約を拒む障害がない

ということになるのです。

具体的には、仮に買主が融資を引いて物件を購入する場合は

1.購入契約期間開始

2.融資審査開始

・審査を通過する場合 → 契約継続

・審査を通過しない場合 → 契約破棄

という、その購入契約が無事に継続されるか否か分からない、不確かな要素が発生してくることになります。

このことを英語でFinancial Contingency(ファイナンシャル・コンティンジェンシー:融資が下りるか分からない不確かな状態)と言います。

そしてこのFinancial Contingencyで融資審査に引っかかってしまうと無条件に契約は破棄となり、買主にはEarnest Money(手付金と同義)が返金されることになります。

そうすると買主としては「残念だった。。次の物件を探そう!」で済みますが、売主の場合は一からやり直しで物件を市場に出すところから再開しなくてはなりません。

とりわけ売却を急いたい売主にとって、このことは大きなタイムロスです。

Financial Contingencyの融資審査期間は通常はそれなりに時間がかかりますから、売主としては

1.物件を市場に出す

2.複数のオファーを受ける

3.売主を選抜する

3.Financial Contingencyの結果を待つ

この少なくとも一ヶ月、もしくはそれ以上の期間を無駄にしてしまうわけですから手間と時間が余計にかかってしまうことになります。

そうすると、売主にとっては

→ 融資を受けて購入する買主

→ 現金一括で購入する買主

この二者を比較すると、当然ながら後者の方が嬉しいのです。

「売主のFinancial Contingencyの結果が楽しみだ!」

なんてワクワクする売主はまずいませんし、極力早く契約を進める上ではストレートに話が決まる現金購入の方が安心感を覚えます。

これが理由で、売主の目線からすれば複数のオファーの中に

・融資を必要とする買主

・現金一括で購入する買主

この両者がいるのなら、現金購入の買主を選びたいインセンティブが働くわけです。

そしてこの現金がもたらす優位性を「Power of Cash(パワー オブ キャッシュ)」と呼ぶわけです。

そうすると、普通に考えれば力関係は

融資を必要とする購入希望者 < 現金一括の購入希望者

であり、かつ現金購入者の中でもオファー価格が多い方が有利になると予想されますね。

ところがです。

仮に一つの物件に対して複数のオファーが入った場合はこのような「現金購入かつ高額のオファー」が理論的には圧倒的に有利になるはずですが、そうはならないパターンが多々あります。

つまり、売主は現金購入を好むのは事実ですが、それでも常にハイビットのオファーが選ばれるとは限らないものなのです。

これはどういうことでしょうか。

言い換えると複数のオファーの中から購入者を選ぶのは売主に間違いありませんが、売主が眉をひそめてしまうようなオファーがあると、例えそれが最高額でオファーを入れていたとしても購入権を渡さなパターンがあります。

結局のところ売主も感情のある人であり、売主が物件を売りたいか否かは売主の心一つ。

ハッキリ言えばあなたのオファーが選ばれるかいなかは売主の感情に委ねられるものであり、「売主に気に入ってもらうこと」が絶対条件なのです。

もしも売主が「この買主のオファーは嫌だな。。」と思うことがあれば、その結果は押して測るべし。

事程左様に不動産購入のオファーに際しては必ずしもハイビットのオファーが売主に受け入れられるわけではない事実は不動産売買の奥深さの一つであり、面白さの一つでもあると私(佐藤)は考えています。

株取引とはまた違った心理学が大いに働くわけですね。

そして売主に眉をひそめられてしまうケースにはパターンがあります。

そのパターンとは主に買主側が

1.契約期間に柔軟性がないこと

2.融資はなくともその他のコンティンジェンシーが多すぎること

3.売主への注文が多すぎること

4.物件購入に対する想いを伝えきれていないこと

です。

明日は、これら4つのパターンについて詳細をみていきましょう。



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