ARM(変動金利)は活用するべきなのか? ~ 中編

こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。

昨日からARM(Adjustable-Rate Mortgage:変動金利)についてお伝えしています。

アメリカで物件購入時に金融機関から融資を引く場合、大きく分けてその融資形態は

固定金利

変動金利

の二種類があります。

住居用物件の場合、最も安全な方策として多くの人々に好まれるのが「30年固定金利」です。

融資額に対して元利金(元金と金利の合計)を返済していくことになりますが、この返済期間を30年間とすることで毎月の返済額を抑え、かつ固定金利であるが故に先を完璧に見通しながらの返済が可能となります。

これに対してARMの場合は定期的にその金利が見直されることになり、見直しのタイミングは様々です。

(注:アメリカではかなりの種類のARMが存在しています)

そして将来の調整金利を予想することは不可能ですから、固定金利に比べてリスクが高いわけです。

その為、私(佐藤)もよほどの事情がないかぎりはARMをお薦めすることはありません。

そこでARMについて理解を深める為、昨日から実話に基づくケーススタディとしてカリフォルニア州在住M夫妻の例を上げています。

M夫妻はお互いが独身時代にはそれなりに不動産売買を経験しており、夫婦資産としての居住物件を買う時にも物件の好みが一致。

二人の共同資産として$1.25ミリオンの物件を購入することになりました。

ところが固定金利で融資を引きたい妻に対して、


30年間暮らし続ける覚悟なら固定金利だが、自分たちはあくまで資産運用が目的だろう。
途中で売却する可能性が大なんだから、ARMで安い金利にあやかって売り抜けるべきだよ。

というご主人。

結局、奥さんはしぶしぶご主人に同意して二人はARMの形態で融資を受けることになりました。

そして狙い通り、最初は平穏無事な返済期間の出だしとなったのです。

今日も続けます。

ARM:最初の5年間

ご夫妻がクロージングにあたり支払った頭金は$225,000でした。

$1.25ミリオンの物件ですから、ほぼ1ミリオンの借金を背負ったことになります。

そしてこの時のARMの契約上は

「最初の5年間は固定金利で、その後25年間は毎年金利が見直される」

というものでした。

最初の5年間の金利は5.875%

1ヶ月の返済額が$4,895(小数点以下切り捨て)になります。

5.875%。。。

今考えると相当高い金利に思えますが、この時は不動産バブルが絶頂期の時代でこれくらいの金利はさほど不思議ではなかったのです。

余談ですが、私(佐藤)はこの時期に普通の商業銀行の定期預金に入れていましたが、定期預金ですらこの頃の金利は6.25%でした。

今ではとても考えられないですね。

かくして、Mご夫妻は納得した上で5.875%金利でARMを開始したのでした。

ところがです。

繰り返しますが、この時期は正に不動産バブルの絶頂期。

翌年にはサブプライムローン問題を発端に不動産価格が下がり始め、M夫妻の物件も瞬く間に$1.25ミリオンから価値を下げていったのです。

ご存知のようにカリフォルニア州は全米の中でも不動産バブル崩壊後の下げが最も大きかった州の一つ。

下りジェットスターよろしく、目も当てられないくらいに不動産価値は下がり続けていきました。

その一方で、この時のアメリカ金融業界のARMは実に不思議な動きを見せました。

不動産バブルが弾けて物件価値がどんどん下がり続ける中、多くの金融機関が良策と信じて翌年の固定金利を大幅に下げたのです。

バブル崩壊の初期はまだ金融機関にも余裕があり、債務不履行続発の混乱が起こらないように、債務者が不動産バブル崩壊の時期を乗り越えられるようにとの配慮があったのです。

ところがタイミングの悪いことに、その頃M夫妻のARMはまだ始まったばかりでした。

M夫妻のARMは契約上で「最初の5年間は5.875%の固定金利」となっていた為に、ARMで融資を組んでいる他の債務者が大幅に下がった金利に有難がる姿を横目に眺めるしかなかったのです。

そして更に悪いことには不動産バブルが弾けたその後の展開を予想すると、自分たちの最初の5年間固定金利が終わる6年目以降は金利が大幅に上がることが予想されました。

ARM:6年目~10年目

ところが、良い意味でM夫妻の予想は外れました。

不動産価値が総崩れとなる市場の中では6年目以降の金利は上がるだろうと予想したところ、5.875%よりも大幅に低い金利が出てきたのです。

これにはM夫妻も驚き、子供のようにはしゃぐ二人。その後5年の間、ある年は金利が3%以下にまで下がるような信じられない幸運に恵まれたのでした。

そして、ここにARMという融資形態が一定の人々を魅了し続ける理由があります。

金利が変更された後で出てくる数字の結果は二つに一つ、金利が上がるか下がるかです。

ある種の博打性のあるARMは正に天国行きか地獄行きかの片道切符。

このように金利が下がる幸運に恵まれると、出ていく身銭が減るだけに宝くじを当てたかのような錯覚に陥ってしまいます。

結果としてM夫妻は最初の5年間は5.875%で$4,895を返済し続けていたものが、3%以下に下がった年に至っては$2,370のみを返済する月が続きました。

ミリオン物件のローン返済が毎月$2,370のみとはありえない幸運です。

最初の5年間との差額は

$2,525($4,895 – $2,370)

と今のレートで日本円に換算すると約27万円ですから、1年間で

約324万(27万 × 12ヶ月)

もの差額が出てくることになります。

1年間でこれだけの現金が当初の予定よりも手元に残るわけですから、M夫妻が狂喜する気持ちも分かりますね。

かくして、M夫妻は6年~10年目の5年間のARMから十分に恩恵を受けることが出来たのでした。

。。。

けれども幸運だけでは終わらないのがARMの恐ろしいところ。

M夫妻は11年目の返済から大変な憂き目を見ることになります。

明日に続けます。


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