1031 Exchange (like-kind exchange)とは

こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。

アメリカは80年代までに、公的年金のみで国民を支えることを諦めました。

厳密には1978年に内国歳入法に401条K項として

「所得税繰り延べ」

が認められることになり、この条件を満たす年金制度が401Kと呼ばれて今日まで私的年金制度として定着しています。

401Kは日本語でいう「確定拠出型年金制度」です。

これに伴い、

「アメリカ政府はあてにせず、401Kで老後の資金は自分でつくる。」

そんな意識がアメリカ国民に芽生え、一般の主婦でも真剣に投資に対して向き合う風潮が出てきたわけです。

あれから40年ほど経ち、401Kがすっかり定着したアメリカでは自分の資産は自分で運用する意識がすっかり出来上がっています。

けれども、多くのアメリカ人にとっては「401Kをもって自分の将来は自分で面倒を見る」という認識はあるものの、401K以上のレベルで資産を運用する意識はそこまで広まっているとはいえません。

その実、当ブログでも度々ご紹介するTDI(借入証書投資)すらその存在を知らないアメリカ人も多いのです。

そんな中、不動産投資家ではなくとも一般のアメリカ人の間でもようやく近年になり浸透し始めてきた言葉があります。

それは「1031 Exchange」です。

日本人投資家の間でもそれなりに知られている言葉ですが、私(佐藤)がご相談を受ける際にも度々あげられるトピックです。

そこで今日から、1031 exchangeについてお伝えさせて頂きます。

1031 exchange(テンサーティーワン エクスチェンジ)とは

1031 exchangeは別名で

Like-kind exchange(同価交換)

あるいは

Starker Exchange(シュタルケル交換)

と呼ばれています。

後者の呼び方は、60年代にStarker Family(シュタルケル家)が交換方式で不動産を取得しようとしたところトラブルとなり裁判になりました。

この訴訟は70年代に落ち着きましたが、この時の事例から交換方式による不動産取得の方法をシュタルケル交換とも表現しています。

とはいえ、いずれの別名よりも

1031 exchange(テンサーティーワン エクスチェンジ)

という呼び方の方がより一般的です。

そして1031 Exchangeの本質は「ある投資物件を別の投資物件と交換すること」から発生するキャピタルゲイン税の繰り延べ措置にあります。

例をあげてみます。

物件を売却してその資金で次の物件を購入する場合は

物件A ⇛ 物件B

と、このAとBを交換する時は通常そこで発生するキャピタルゲインは課税対象となります。

例えば物件Aを100Kで購入したとします。

それから$20Kの減価償却が進み、物件Bと交換するタイミングでは物件Aの価値が$80Kまで下がったとしましょう。

この物件Aを手放した際の$80が「ベース」になります。

そこで物件Bの価格が$200Kだったとします。

そうすると、

物件Aと物件Bの差額:$120K($200K – $80K)

この$120Kが課税対象になりますね。

この時の税率は、アメリカの税法に基づいて長期課税であれば15%もしくは20%です。(年収によります)

すると、

$18K($120K × 15%)

もしくは

$24K($120K × 20%)

を税金として支払うことになるわけです。

ところが、ここでこのスワップが1031 Exchangeの条件に合えばスワップ時の税金を繰り延べる、あるいはごく限られた額に抑えることができるのです。

1031 Exchangeの効果

かくして、1031 exchangeを行うことによる効果は物件Aから物件Bへのスワップ時に

⇛ 現金化する必要がない

⇛ キャピタルゲインを確定させない(ので課税されない)

という結果になります。

すなわち、これはこちらでもお伝えした減価償却が実質は税金の繰り延べになるのと同様に、1031 exchangeを利用することで今度は「キャピタルゲイン課税の繰り延べ」が可能になるわけです。

そして基本的なルールとして、1031 exchangeを行う回数に制限はありません。

上記の例でいえば、一番最初の物件Aの売却時(交換時)の$80Kをベースとして、

物件Bへ

物件Cへ

。。。

と何度でもロールオーバーすることが出来るのです。

このときに

物件A ⇛ 物件B

物件B ⇛ 物件C

と、物件を交換するたびにキャピタルゲインによる利益が出ていることになりますが、これらのキャピタルゲインに対する課税は一番最後の物件を完全に売却して現金化したときに初めて課税されることになります。

ここで時折頂戴するのが

一番最初の物件と一番最後の物件の価値の差額に対して課税されるのでしょか?

もしくは、毎回のスワップごとのキャピタルゲイン課税が積算されていくのでしょうか?

というご質問です。

お答えとしては税法からすれば「tax differed(税の繰り延べ)」ですから、すなわち「交換毎に発生する繰り延べた税が積算されていく」ということになります。

ただし、減価償却を切り離して考えるのであれば結果としては同じことです。

上記の例で物件Cを$250Kとし、そのまま物件Cを$250Kで完全に手放すパターンで想定してみます。

条件として、物件Bも$20Kだけ減価償却が適用されたとします。

すると、

物件A:$100K ⇛ $80K($20Kの減価償却)

物件B:$200K ⇛ $180K($20Kの減価償却)

物件C:$250K ⇛ 同じ価値のままで売却

こうなりますね。

そうすると、

■ 一回目のスワップ

キャピタルゲイン:$120K(物件B:$200K – 物件A:$80K)

■ 二回目のスワップ

キャピタルゲイン:$70K(物件C:$250K – 物件A:$180K)

となり、物件Cは同額$250Kで完全に売却するためにキャピタルゲインは発生しません。

すると、この例では1031 exchangeを使う場合は

合計キャピタルゲイン:$190K($120K + $70K)

この$190Kに対して課税となりますね。

ここを減価償却を別に考えると、一番最初の物件Aは購入額が$100Kでした。

最後の物件物件は売却時が$250でしたので、純粋に

$150K($250 – $100K)

これだけの差がキャピタルゲインとなります。

そして繰り延べた減価償却分は

物件Aの減価償却費用:$20K

物件Bの減価償却費用:$20K

合計減価償却費用:$40K

ですから、この$40Kを加算すると

$190K($150K + $40K)

となり、最終的には$190Kが課税対象になるのに違いはありません。

。。。

1031 Exchanges (like-kind exchange)について、その概要を簡単にお伝えさせて頂きました。

明日から、1031 Exchangeに関する細かいルールのポイントを押さえてみましょう。


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