土地の法定表記 – Metes and bounds(長さと境界)

こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。

アメリカ合衆国の土地に関する法定表記についてお伝えしています。

今日は

Metes and bounds(長さと境界)

Rectangular survey(矩形測量)

Lot and block(区画と街区)

という3つの法定表記の一つ、

Metes and bounds(長さと境界)

についてです。

Metes and bounds(長さと境界)法

Metes and bounds(長さと境界)という土地の法定表記はアメリカ史の中で最も古い手法です。

古くはアメリカ合衆国が連邦政府として成立する以前、イギリスの植民地時代だった頃に遡ります。

具体的な例でいきましょう。

上の図のように

Skulll Dr

という道路と

Red Skull Creek

という川に挟まれた土地があるとします。

西側は

Jones Rd

そして東側は

216.5′(フィートの表記)

と書かれた線が境界です。

この土地をMetes and bounds(長さと境界)で表すと

Beginning at the intersection of the East line of Jones Road and the South line of Skull Drive; thence East along the South line of Skull Drive 200 feet; thence South 15° East 216.5 feet, more or less, to the center thread of Red Skull Creek; thence Northwesterly along the center line of said Creek to its intersection with the East line of Jones Road; thence North 105 feet, more or less, along the East line of Jones Road to the place of beginning.

このようになります。

。。。

なんとなく分かるようで、分かりにくいですね(笑)

これらの文章が道路や地形を描写しながら土地の範囲を説明しようとしていることはお分かり頂けるかと思います。

詳細にいきます。

Metes and bounds(長さと境界)法の性質

根本的に、Metes and bounds(長さと境界)法では

起点のマーク

途中のマーク

という2つの物理的な要素が必要となります。

最初に

「The point of beginning:開始地点」

と呼ばれる起点のマークがあり、そこから出発して次のマークへ、そしてまた次のマークへと直線に結んでいくわけです。

この時は必ず時計回りにマークを辿っていくことになりますが、

スタートの起点

次のマーク

次のマーク

。。。

と辿る中で次のマークとは言うものの、どっちの方向にマークがあるのか分かりません。

そこでマークからマークの間は

「〇〇の方角へ〇〇フィート」

と方角と距離で表現するのです。

ここで使われる方角は

この図の方位が基本となり、

N(番号)E : 北東に(番号)度

S(番号)W : 北西に(番号)度

S(番号)E : 南東に(番号)度

S(番号)W : 南西に(番号)度

のいずれかで表現されるのが一般的です。

ここに「○○フィート」の長さを加えることで、次のマークに辿り着けるわけです。

かくして点と点を時計回りに結んだ結果、その土地の境界線を描写することが出来ます。

正に言葉の由来の通り

Metes(長さ)

をもって

bounds(境界)

を表す手法なのです。

そこで、冒頭の図と表記例をもう一度いきます。

Beginning at the intersection of the East line of Jones Road and the South line of Skull Drive; thence East along the South line of Skull Drive 200 feet; thence South 15° East 216.5 feet, more or less, to the center thread of Red Skull Creek; thence Northwesterly along the center line of said Creek to its intersection with the East line of Jones Road; thence North 105 feet, more or less, along the East line of Jones Road to the place of beginning.

Jonesロードの東側の線とSkullドライブの南側の線の交差する場所を起点とし、そこからSkullドライブの南側の線に沿って東方向に200フィート進む。そこから南東15度の方向に216.5フィート前後、Red Skull(小)川の真ん中まで進み、そこから小川の真ん中の線に沿って北西寄りにJonesロードの東側の線に突き当たるまで進む。そこから北に105フィート前後、Jonesロードの東側の線に沿って起点まで戻る。

このように、特定の土地を方角と距離で時計回りに描写するのがMetes and bounds(長さと境界)という手法になります。

起点としては近年では土地に食い込むように設置されている人工のマークが存在しますが、昔はそれこそ天然の岩や木を使っていたようです。

正に土地の境界を表す初期の手法と言えますね。

ところが、アメリカ開拓史の時代に使われていたこのMetes and bounds(長さと境界)法には致命的な欠陥があります。

それは、

「年数が経つと地形が変化して、従来の境界とは変わってしまう」

という問題です。

アメリカ開拓史にはこのレベルで十分だったのでしょうが、徐々に人口が増えて所有地の判別が複雑になってくると、自然の変化に左右されるこの手法は不便であることが分かってきたのです。

その為、このMetes and bounds(長さと境界)法は今日ではほとんど使われなくなっています(ハワイ州では現在も使用されています)。

そこで自然の変化に惑わさる必要のない手法が必要となり、新しい土地の法定表記として開発されていくことになるのです。

明日に続けます。



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