州ごとにルールが違うという事実(不動産ブローカーの場合) ~ ②

こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。

昨日から、各州ごとに不動産ブローカーに許されている役割の違いについてお伝えしています。

アメリカ合衆国はこの広大な土地に散らばる人口を取りまとめる方策として連邦政府制度を採用しました。

各州ごとに自治が認められ、その全州を束ねるのが連邦政府です。

これに伴い、例えば警察機関であれば各州(各都市)ごとに当局が存在する一方で、州をまたぐ事件に関してはFBI(連邦捜査局)が動くということになります。

不動産業界の場合、州をまたぐ存在は

HUD(U.S. Department of Housing and Urban Development:アメリカ合衆国住宅都市開発省)

であり、その下に各州を取りまとめるの不動産協会が存在しているわけです。

そしてのこの各州の不動産協会もまた、ある程度の自治が認められています。

すなわち、各州の不動産協会には役員が任期制で存在しますがこの役員には自分の管轄州における不動産リアルター活動の規約や教育等について取り決める権限が与えられているのです。

結果として、各州の不動産ブローカーもその資格内で許される権限には違いが出てきます。

昨日はその中でも代表的な一つとして

シングル・エージェンシー(売り手か買い手、どちらか片方の支援しかできない)

デュアル・エージェンシー(売り手と買い手、同時に支援してよい)

の違いについてお伝えさせて頂きました。

例えばテキサス州ではデュアル・エージェンシーが禁止されているのに対し、カリフォルニア州やテネシー州ではデュアル・エージェンシーが今でも許されているのです。

そこで今日はこの不動産ブローカーが許される資格範囲にもう少し踏み込んで、とりわけカリフォルニア州の不動産ブローカーに許されている権限について深堀してみたいと思います。

許されている活動範囲の広いカリフォルニア州ブローカー

不動産ブローカー資格は何のための資格か?というと、当然ながら不動産取引の仲介役を担う資格です。

不動産取引に必要な倫理面と知識面において然るべき教育を受け、かつ十分な経験を積み上げたものが不動産ブローカーとしての資格を持つことになります。

日本も同様と思いますが、不動産取引は多額の資金が動く上に非常に難しい面がありますので豊富な知識と経験を持つブローカーの仲介が必要なわけです。

ところが、カリフォルニア州の不動産ブローカーの場合は少し事情が違います。

もちろん他州の不動産ブローカーのように不動産取引の仲介役を担うことが出来るのですが、彼らにはそれ以上の役割が許されているのです。

その中でも代表的な、不動産仲介以上の役割について少しだけ見てみましょう。

住宅ローンの仲介ができる

不動産金融系の話になりますが、なんとカリフォルニア州の不動産ブローカーは住宅ローンの仲介も出来ます。

住宅ローンは多くの住宅購入者にとっては必要不可欠です。

メンフィスのような10万ドル台で購入できる物件であれば一括現金で購入するアメリカ人もいるかもしれませんが、普通は住居用であれば頭金をそれなりに入れてローンを組むのが一般的です。

そのような不動産取引には大抵付き物の住宅ローンですが、カリフォルニア州の不動産ブローカーは下記の3つの行為を許されています。

1.住宅ローンに関する広告

カリフォルニア州の不動産ブローカーであれば、自身のホームページで「○○銀行の金利は今なら○%になっています」等の広告表示が許されています。

2.住宅ローンの交渉

案外知られていませんが、住宅ローン取引においても交渉は可能です。

そしてカリフォルニア州の不動産ブローカーは自分が不動産取引の仲介になっているクライアントの代わりに、銀行側と

「○○の理由で、金利はここから0.5%ほど下げて頂きたい」

等の住宅ローンに関する交渉も可能なのです。物件購入者にとっては頼もしい見方ですね。

3.住宅ローンに関する業務

そして極めつけ。

カリフォルニア州の不動産ブローカーは上記のように住宅ローンを広告したり交渉したりできるのみならず、「住宅ローンに関する具体的業務」も許されているのです。

具体的とは住宅ローンの支払い回収や、住宅ローンに関連する業務を債権者や債務者の代わりに代行することも許されています。あたかも金融ブローカーさながらの動きが取れるわけです。

もちろん住宅ローンの仲介業務が出来るとはいってもここには専用の知識も必要となってきます。

金融商品を進めるというよりも既存の住宅ローンに対してその内容を深く理解し、そして交渉も行う上ではそれ相応の金融知識が必要であることは論を待ちません。

その為積極的にこの住宅ローンの取引にまで首を突っ込もうとする不動産ブローカーも多くはないのですが、それが出来る資格はあるということになります。

ちなみに、2011年1月以降に適用されたルールとして実際に住宅ローン取引を発起する場合は事前に

Nationwide Mortgage Licensing System & Registry (NMLS)

という政府機関への登録が義務付けられており、こちらは年に一度登録を更新する必要があります。

。。。

不動産ブローカーが不動産金融取引にも踏み込めるとは、流石はアメリカ合衆国の不動産法を本格化させたカリフォルニア州ですね。

ここまで許されると不動産取引のみならず、派生的なビジネス展開が可能となりそうです。

シリコンバレーを中心に世界の技術をリードするカリフォルニア州ですが、不動産業界においても全米をリードしているようです。

実はカリフォルニア州の不動産ブローカー有資格者に許されている商業行為は他にもあるのですが、今回はこの辺りに留めておきたいと思います。。



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