アメリカ不動産市場がやや落ち着き始める兆し

こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。

アメリカ不動産市場の物件価格変動に変化が見え始めています。

ご存知の通り、アメリカの不動産価格は2007年夏頃からそれまで高騰し続けた物件価格に一気に冷水を浴びせるように大暴落が発生しました。

引き金となったのは、かのサブプライム問題です。

プライムローンの基準に満たない債務者が銀行側の身勝手とも言える変動金利操作に翻弄されて債務不履行が続発。

2008年からは雪だるま式に債務不履行が積み重なってニューヨーク、フロリダ、カリフォルニア等の海岸沿いの州を中心に不動産価格が暴落していきました。

ある意味、起こるべくして起こった人災です。

あれから10年が経過した今、アメリカのほとんどの地域では当時の不動産価格に戻すのみならず、それ以上に価格が突き抜けてきています。

この価格高騰の背景にある一番の理由は続く人口増加による需要増加に対し、

建築業界の人材不足

資材の高騰

という負の連鎖で、住宅供給数が圧倒的に不足していたためです。

在庫数そのものが少ない為にその限られた物件を奪い合うかのように競争が激しくなり、必然物件価格は10年前の底値がジャンプする前のかがんだ状態であったかのように、その後はジャンプアップし続けてきました。

中でも目も当てられないほど物件価格上昇が最も激しかったのはシリコンバレーです。

IT産業を中心に世界中から優秀な人材がシリコンバレーに集まる中、必然的にこの地域の不動産価格は暴騰してきました。

シリコンバレー不動産中間価格の変化

端的にシリコンバレーの物件価格の変化を見てみましょう。

2007年7月 2009年7月 2008年1月
$677,000 $370,000 $1,100,000

ものすごい乱高下ですね。。

中間価格でこのレベルで、本年2018年1月にはミリオンを超えています。

10年前の大暴落はどこ吹く風という感じですが、それくらいシリコンバレーは活況なわけです。

ところがです。ここで非常に興味深い変化が見られます。

本年1月にはミリオン超えだったはずの中間値が

2018年6月 $1,020,500

と、今夏のピークタイムは下げに転じているのです。

アメリカの不動産市場は一般的に

ピークタイム:6月〜8月

アイドルタイム:12月〜2月

となり夏場は価格が最高潮に達し冬場は価格が下がってくる傾向がありますが、ここで注目したいのは、

「シリコンバレーのピークタイム中間価格がアイドルタイムよりも下回った」

という事実です。

シアトルやシリコンバレーの不動産価格は今のアメリカ不動産市場の大まかな傾向をダイジェスト版的に明示してくれます。

すなわち、今夏のシリコンバレーのピークタイム中間価格の下げは確かにアメリカ不動産市場の変化を示していると考えられます。

アメリカ不動産市場の変化(2015年8月 〜 2018年8月)

それでは、実際にアメリカ全体の不動産価格の変化を

2015年8月 〜 2018年8月

の範囲で俯瞰してみましょう。

物件中間価格 価格変化 在庫変化 価格が下がった
住宅数
2018年8月  $295,000 7% -2% 7%
2017年8月 $ 274,995 10% -9% -1%
2016年8月 $250,050 9% -8% -7%
2015年8月 $ 230,050 6% -9% -6%

アメリカ不動産物件価格そのものはこの2018年8月でも

中間価格 $295,000

と最高値ではありますが、注目したいのはその変化率です。

上昇率は2015年から

6% ⇛ 9% ⇛ 10%

とえび反り式にジャンプアップしてきていたものが、本年2018年は7%と落ち着いています。

在庫は2015年から

-9% ⇛ -8% ⇛ -9%

と枯渇が進む一方であったものが、本年は-2%と一定の落ち着きを見せています。

そして一番注目するべきは「価格が下がった家の割合」が2015年から

-6% ⇛ -7% ⇛ -1% ⇛ 7%

と、昨年2017年の変化を証明するかのごとく、本年は昨年比で価格が下がった物件数が7%に達している事実です。

市場が落ち着き始めている2つの理由

このようにアメリカ不動産価格が落ち着き始めている原因は何でしょうか。

考えられる理由はズバリ、金利上昇とトランプ大統領の税制改革です。

上昇し続ける金利

10年前の不動産価格暴落後、FRBは実質ゼロ金利を実施しました。

私(佐藤)もまさかこのアメリカでゼロ金利を現実に目にするとは予想もしませんでしたし、10年前のあの時はそれくらいダイナミックに緊急手術を行う必要があったわけです。

今ではアメリカ不動産市場は完全に回復し、物件価格はあの頃以上に高騰しています。

ここで融資する側である銀行の立場になってみましょう。

銀行が不動産購入を目的とする消費者に住宅ローンを提供する際に必ず精査するのが

「対象物件はいくらの価値があるのか?これからその価値が上がっていくのか?」

という点です。

物件価値が低くかつその価値が上がる見込みもないのであれば、銀行としては財布の紐を固くせざるを得ません。

その反対に物件価値が高くかつその価値が上昇していく見込みであれば、銀行は財布の紐を緩くして市場に活発に融資が出回ります。

それに伴い、金利が上昇してきているのです。

厳密にはこの動きは連邦準備制度理事会(FRB)がコントロールしているわけですが、不動産市場が息を吹き替えしてきた昨今は金利を年間0.82%程度の割合で上昇させ続けてきました。

昨月2019年9月の時点で

「30年固定金利 4.65%」

というレベルまできましたので、ここが潮時に近いレベルではないでしょうか。

すなわち、ついこの間までは金利がこれ以上上昇す前に物件購入をと「駆け込み需要」なるものがありました。

住宅購入を急ぐ人々がただでさえ在庫数の少ない不動産市場に流れ込み、不動産価格高騰に拍車をかけていたのです。

つまり、上記の不動産価格上昇率の下げは「駆け込み需要はすでに終わっている」ことを示していると思われます。

トランプ大統領からパンチをお見舞い

そして物件価格上昇が落ち着き始めたもう一つの理由は、トランプ大統領による税制改革です。

今のアメリカの税制では「住宅ローンの利息額は所得控除対象になる」とされています。

ただしここには「融資額が$1,000,000までの場合」という条件がありました。

例えば住宅購入にあたり20%の頭金を入れて80%の融資を受けるというのであれば、住宅ローンの利息を所得控除とするのであれば

$1,250,000($1,000,000  /80%)

の物件まで利息への所得控除が保証されていたのです。

ところがここにトランプ大統領が冷水を浴びせ、

「融資額が$750.000の場合まで」

と税制を変更しました。

そうするとローン利息が控除対象となる物件価格は同様に80%の融資額であれば

$937,500($750,000 / 80%)

と、ミリオン以上の物件には適用されないことになります。

この為ニューヨークやカリフォルニアのプチ富裕層にとっては打撃となり、買い控えが起こっているわけです。

。。。

このように、上昇し続ける金利と税制改革によりアメリカ不動産市場は価格上昇にブレーキがかかり始めています。

もちろん、この傾向が大暴落につながる理由は全くありません。

けれども昨年から見えていたアメリカ市場が落ち着く兆候が本物であることが証明された今、中長期的なアメリカ不動産価格周期のピークポイントに入り始めていることは間違いなさそうです。

引き続き、アメリカ不動産市場を観察していきましょう。


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