中古物件市場が鈍化の真っ最中!!

こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。

アメリカの中古物件売買が非常に鈍りつつあります。

いつもお伝えしていますが、私(佐藤)は現在のアメリカの不動産価格の動きと実体経済の乖離が大きくなりつつある点を懸念しています。

不動産需要の3大要素が

人口
人口動態
労働・賃金

である中、根本的に人口の増加に対して物件の供給が追いついていないのが現在のアメリカです。

需要に対して供給が追いつかないわけですから、当然ながら価格は上昇していきます。

今のアメリカの物件価格上昇の一番の要因はこの人口増加であり、この人口増加は今後も続くことはほぼ確実ですから、同時に不動産物件価格の上昇は今後もしばらくは続いていくように思います。

そこで今の時期にアメリカで不動産物件を購入するべきか否か?ということについてはこちらでお伝えした通りなのですが、私(佐藤)が心配しているのは「賃金上昇率が物件価格上昇率に追いついていない」という点です。

今日はたった今のアメリカ中古物件市場の動向から、今後の投資物件運用の方向性を考察してみましょう。

中古物件販売数は4ヶ月連続で減速中

アメリカの全国不動産協会(National Association of Realtors )が発表したところによると、

2018年4月 〜 7月

の4ヶ月連続で「中古物件販売数が下がった」とのこと。

6月から7月にかけては季節調整済みの数値でも0.7%下がり、534万戸の売買に留まりました。

ウォールストリートジャーナルでは同時期を

「0.6%上昇、541万戸あたりの販売数になるだろう」

と予想していましたが、予想に反して引き続き減少の結果となりました。

ちなみに、毎年5月〜8月はアメリカ不動産業界が最も活発な時期です。

アメリカでは年度始めが9月ですが、この年度始めに向けて人々の移動が多く、とりわけ夏休みも重なる7月から8月にかけては駆け込み需要さながらにピークになり、市場にはタケノコのように毎日新しい物件が登場してきます。

このあたりの季節的な動きを調整しても、中古物件販売数は確実に減っているというのです。

このように4ヶ月連続で中古物件販売数が下がるというのは2013年以来となります。

つまり、この数字は

「給料は上がらないのに、いよいよ物件が手が届かないレベルになってきた」

というアメリカ国民の心理をモロに反映しているのです。

事実、物件価格としては在庫の枯渇が後押しして7月の物件価格中間値は昨年の同時期から4.5%上昇し、$269,600となっています。

これに対する同時期の賃金上昇率は2.7%の上昇に留まり、過去1年でもやはり物件価格上昇率と賃金上昇率の不均衡は解消されず、乖離は広がる一方となっています。

そしてこの中古物件販売数の減速を助長しているのが金利の動きです。

アメリカのプライムローン市場の金利の昨年からの動きは30年固定金利平均 で

2017年7月 … 3.97%

2018年1月 … 4.03%

2018年7月 … 4.53%

と着実に上昇し、物件購入のハードルを高くする要因の一つにもなっています。

FEB理事会の中ではこのように追加利上げの発言もあるようですから、今後も中古物件販売数の減速は否めないかもしれません。

投資としての在り方は

そこで、現在のアメリカ不動産市場の動きは不動産投資家にとっては何を意味するのでしょうか。

プラスとマイナスの要素で考えると、その実はプラス面の方が大きいとは言えます。

すなわち、住宅を買い控える人々が増えるということは賃貸市場は反対に安泰になるということです。

人口は増えても住宅購入傾向が下がるということは、家を買わずにしばらくは様子を見て賃貸生活を続ける人々が増えるということですから、当然ながら賃貸物件の占有率は高まることになります。

そうすると、すでに不動産投資用の物件を所有している方々はそのままバイアンドホールドを続け、購入を検討している方は今のタイミングで物件を購入しても良さそうです。

もっぱら、購入するにしてもバイアンドホールドが有利になることは火を見るより明らかですから、それならばフロリダやカリフォルニアのように物件価格の上昇が激しすぎる地域で購入するよりも、いつもご紹介するテネシー州メンフィス市のような「良い意味で地味な市場」で物件を所有するのが得策だろうと思います。

カリフォルニアのような価格上昇が激しい地域で物件を購入することがあるとすれば、相当額の減価償却を短期で必要とする場合のみだろうと思うのです。

また、今現在アメリカに不動産物件を所有している方にとっては家賃設定をよく考えるとよいと思います。

もちろん賃貸需要が増え続けるという意味では賃貸市場価格に沿って賃料を上げていくのも順当ではあるのですが、そこであえて

「賃料価格を周囲の同等物件よりもやや下げる」

あるいは

「賃貸契約更新時期前に、家賃価格据え置きを提案してあげる」

等も非常に有効なのです。

住宅購入が困難な方々を少しでも援助するという倫理的な観点からも意義がありますし、同時に経済的にもあなたの家賃収入はより安定しやすくなります。

一回のターンオーバーを出して実質持ち出しにしてしまうよりも、家賃を$50値引きした方が実際の実入りは多くなるものです。

ちなみに、中古物件売買の動きに関してももう一つ見逃せない事実が出てきています。

冒頭でご紹介した中古物件売買の動向は中間層レベルの物件の話ですが、カテゴリー的に

富裕層を対象とするミリオン以上の物件

については、2017年7月時点の販売数と比較すると何と16%も上昇しているのです。

およそ世界で最も経済格差が大きいだろうアメリカですが、富裕層への富の集中はここにもその兆候がハッキリと見られます。

もっぱらこの数字はおそらくアメリカ人富裕層のみならず世界の富裕層による影響も大きいはずですが、いずれにせよその国で暮らす人々の格差が大きくなりすぎる時、その国(文明)は崩壊することは歴史が証明しています。

残念ながらアメリカは過去の歴史に学ぶことなく、同じ轍を踏む方向に進んでいるように見えるのは私だけでしょうか。



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