フレディマックが動く

こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。

昨日、

「今の時期にアメリカ不動産は購入しても大丈夫でしょうか?」

という趣旨のご質問に対し、


近い将来に何らかの形で価値が下がる可能性は否定できませんが、慌てずに待てばその後価値が戻る可能性は高いです。

それならば今のうちに購入しても間違いではありませんし、むしろその方が無難だと思います。

とのお答えで項を上げましたが、これに対し結構な反響を頂きました。

ともすると私(佐藤)が「不動産投資に関する本を読んだことがない」、という部分の反響がむしろ大きいようです。。

私自身は不動産管理を通して物件を知り、売買を繰り返す中で市場を知り、実際に自分自身でお金を投じる中で投資感覚を自然と身につけてきたというのが正解かもしれません。

一言でいえば知識ベースではなく、実体験ベースの学びです。

私自身、本を出版することを薦められたこともありましたが、多分本は出さないと思います。

教科書のようなものを出しても意味がありませんし、これだけ変化が激しい世の中では基本的に流動性の低い不動産業界もどんどん変化しているからです。

私自身も所属のケラー・ウィリアムズのシステムと情報網で知見を拡めつつ時代に変化に対応していくことが必須ですし、本に書いたところでその情報は数年と待たずに陳腐化していると思います。

それならば、必勝本なるものに頼るよりも今を知る水先案内人に聞いた方が学びは早いのです。

(その割にこのブログサイトは「成功術」と題していますが、このタイトルが分かりやすいと思ったので。。)

さておき、

昨日のお答えの中で

「アメリカの不動産価格は10年前の水準に戻り、かつそれ以上に値上がっている」

とお伝えしましたが、ここ近年で私(佐藤)が気になっているのは

「不動産価値上昇が実体経済に見合っていない」

ということです。

具体例には、

「家賃上昇率と、賃金上昇率に乖離がある」

ここが一番心配。

アメリカ国民が仕事を通して賃金を得るにせよ、その格差は広がるばかり。

その事実はよそに、家賃は着々と年々上昇していきます。

家賃上昇率と賃金上昇率に乖離が生じるのは、それぞれの原因が違うからです。

けれどもこのままでは茹でガエル現象のようなもので、気づいた時には家賃にアップアップしてしまい、高めに設定された賃貸物件はどんどん人が入りにくくなります。

そしてこれが現在全米各地でダウンタウンよりもその郊外都市がどんどん開発が進められている原因にもなっているのです。

またフロリダ州やカリフォルニア州で暮らす人々が生活費の安いテキサス州に引っ越したり、ダウンタウンから郊外に引っ越す人々が増えているのも同様の理由になります。

そんな中、この状況を鑑みて動き出した政府機関があります。

「フレディマック」

です。

フレディマックが対策に乗り出す

フレディマックは日本語では

「連邦住宅金融抵当公庫」

と訳されています。

ファニーメイと並び、もともとは政府主導の金融機関として立ち上げられ「アメリカ不動産金融の保証役」を担ってきました。

今の日本で言えば、「日本政策金融公庫と日本保証を合わせたもの」というイメージでしょうか。

もともとは民間企業でしたが10年前のサブプライムローン問題で経営危機に陥り、その際に国有化されています。

ファニーメイとフレディマックは10年前の世界金融危機の際に頻繁にその名前が登場しましたので、ご記憶の方も多いのではないでしょうか。

そしてこの国有化されたフレディマックが、今のアメリカの家賃上昇率を懸念して対策に動き出しました。

先週の8月7日(火)から全米で一斉に実施されたその対策とは、

対象:アパート物件経営者

内容:家賃上昇率に上限を設けることに同意する経営者(投資家)には、融資金利を優遇する

というもの。

同じ趣旨の記事があちこちに出ていますが、とりあえずこちらのウォールストリートジャーナルが一番分かりやすいと思います(原文です)。

英文全てを読まずとも、記事内にあるグラフを見れば状況はよく分かります。

グラフをこちらに拝借してきます。


(出典:Real Page Inc)

上記のように、アメリカではよく物件のレベルを

クラスA

クラスB

クラスC

等にレベルを分けて考えます。

主には

  • 建物の古さ
  • 立地

等が基準になるのですが、必然、そこには家賃の違いが出てくるわけです。

そしてグラフから分かる通り近年は2015年まで家賃上昇率が甚だしく、クラスAよりもクラスBの方が上昇率が高い傾向がありました。

2016年と2017年はやや落ち着いたようにみえますが、それでも

2016年

クラスA 2.4%
クラスB 3.4%

2017年

クラスA 2.3%
クラスB 2.7%

という上昇率です。

ちなみに、私(佐藤)自身の今現在の感覚でいえばこの2018年の家賃上昇率はクラスAでも5%~7%の上昇はざらに出ていますので、実体はこのグラフの倍以上のはずです。

フレディマックの新プログラム

かくして、少なくとも統計上はここ数年やや落ち着いているとみられる家賃上昇率を更に抑えるべく、フレディマックが畳み掛けるように新プログラムを施行しました。

この新プログラムによってアパート経営者(投資家)が低金利の恩恵に預かるためには、下記の条件が満たされる必要があります。

● そのアパート物件の全戸の中で50%以上の戸の家賃が、その地域の中間収入もしくはそれ以下の収入を得ている世帯にとっても支払えるレベルであること

● 融資を受けるものは、全戸の80%以上に対し家賃上昇制限をかけることに同意すること

この条件がそのままフレディマックの意図を表していますが、

「その地域の中間層とそれ以下の収入で暮らす人々に対し、住居を確保しやすい環境を整えること」

これが狙いのようです。

それでは投資家は一体どれくらいの低金利を期待できるのか?というと、このあたりは定まった率はありません。

融資を受ける者(法人)の財務諸表によって大きく判断が違ってきますし、このあたりは常に交渉になるからです。

ひとまず、フレディマックは

「上記条件を飲めるのなら、低金利の融資に応じる用意がありますよ」

このように言いたいわけですね。

そうすると、投資家としてはまず自分の財務諸表を元に掛け合い、どれくらいの金利で引けるのかを確かめてから所有する物件で期待できるキャッシュフローを計算する流れになります。

そのキャッシュフロー成績の差が従来の金利と優遇される金利の差を埋め合わせるほどのものであるかがカギになりますが、今回の新プログラムが投資家と賃貸物件で生活する方々の双方にとってwin-winになることを期待したいところです。



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