アンダーウォーター・モーゲージとは ~ 後編

こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。

昨日から、アンダーウォーター・モーゲージ(Underwater Mortgage)についてお伝えさせて頂いています。

アンダーウォーターとは水の下、モーゲージとは物件を担保にした住宅ローンのことですが、アンダーウォーター・モーゲージとは水面を「その物件の市場価値」になぞらえ、「物件の市場価値が元金の残高よりも下がった状態」のことを言います。

数式で言い換えば

融資額残高 < 物件市場価値

と、融資残高つまり残りの元金はその物件の市場価値よりも低い状態があるべき姿です。

これに対してアンダーウォーター・モーゲージと呼ばれるものは

融資額残高 > 物件市場価値

と、融資を受けた元金の残高よりもその物件の市場価値が低い状態を言います。

この場合、ひとたび家賃が支払えなくなって家を売却する必要に迫られたとしても、物件売却額が元金残高を補填できるほどの価格で売れないため、非常に危険なのです。

アンダーウォーター・モーゲージについて、今日も続けます。

アンダーウォーター・モーゲージが発生するパターン

このアンダーウォーター・モーゲージ

融資額残高 > 物件市場価値

を数字で表すと、例えば$250,000の物件に対してその8割りとなる$200,000の住宅ローンを組んだ数年後、

元金が$180,000まで減ってくる一方で物件価値が$160,000くらいまで下がった状態を言います。

このようなアンダーウォーター・モーゲージはどのような場面で発生するのでしょうか。

近年のアメリカ史では、未だ記憶に新しい2007年夏以降から顕著化したサブプライムローン問題に端を欲する、アメリカ住宅価格大暴落の時期がまさにそれでした。

通常アメリカでモーゲージを組む場合は融資を受けられるか否かを判断する明確な基準がありますが、この基準は

FAHローン

VAローン

USDAローン

等の政府主導によるローン基準と、それ以外のコンベンショナルローン(Conventional Loan)では違いがあります。

(政府主導のローンについての詳細はこちら

そしてコンベンショナル・ローンに分類されるものの中に

プライムローン

サブプライムローン

があります。(この2つ以外にも多くあります)

プライムローンの格下になるのがサブプライムローンで、通常の基準には満たない、いわゆる返済能力が低い方々のローンがサブプライムローンとして分類分けされます。

そしてここが一つのポイントですが、サブプライムローンはプライムローンに対して金利が高く設定されています。

返済能力がプライムローンよりも低い債務者に対して、プライムローンよりも高い金利が課せられるというわけです。

お金を融資する側にしてみれば、

「あなたにお金を貸すことは、こちとしてはリスクが高い。融資する代わりに、金利は高くさせてもらいますよ。」

という理屈でした(厳密には変動金利で、最初は低い金利設定)。

また裏の側面としては融資側はその債権をそのまま保有することはなく、ファニーメイやフレディマックのような連邦住宅抵当公庫に債権を売ることで新たな融資資金を得る、という流れがあります。

そうするとこのサブプライムローンそのものは金利が高い分、リターンの大きい「ハイリスク・ハイリターン」の金融商品として、他種の債権に混ぜられて投資家に売られていったのです。

結果としてサブプライムローン債務者から次々と貸し倒れが発生し、一気に不良債権化して混乱が短期間で広がっていきました。

不動産の性質上、その市場価格は地域市場の動向に引っ張られていく傾向がありますから、サブプライムローンが次々と不良債権化する中でアメリカ全土で連鎖反応が起こり、住宅バブル崩壊の様相となったわけです。

そして正にこの期間が、アメリカ全土で「アンダーウォーター・モーゲージ」が瞬く間に増えていった時期でした。

引き続き注視は必要

この時期にサブプライムローン問題に端を発して元金残高が物件市場価値よりも高いアンダーウォーター・モーゲージが増えていきましたが、その後にFRBが直接介入して

「実質ゼロ金利」

を実施、また政府が

「ドッド=フランク・ウォール街改革・消費者保護法(Dodd–Frank Wall Street Reform and Consumer Protection Act)」

等を導入し、長年をかけて混乱を抑えるに至りました。

おそらく、この時期がアメリカ不動産市場で最もアンダーウォーター・モーゲージの数が増えた時期だったろうと思います。

またこのサブプライムローンの精算時期に

「このまま不良債権を抱えるよりも、損切りした方が傷が浅い」

と理解した金融機関が腹をくくり、次々と抵当権を発動して不良債権を整理したことも混乱を収束させる大きな要因となりました。

この時期にアメリカが経験した金融危機はあまりにも傷が深く、良くも悪くもそれ以降の融資基準は更に厳しいものになっています。(そうあって然るべきと思います)

同時に2008年以降の混乱は現在では収束しているものの、自分がアメリカに所有する物件市場価値が健全に保たれているかを定期的に確認するのは大切なことです。

明日は、自分が所有する物件の価値を保つ為のいくつかの有効な方法についてお伝えさせて頂きます。


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