透明度高すぎ!アメリカの不動産物件

こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。

私(佐藤)は20代前半に渡米しましたので、正直なところ日本の不動産事情についてはそこまで詳しくなく、数字上の統計から傾向が見える程度です。

けれども日本にいる妻の母が引退までは不動産業に携わっていましたので、日本の不動産業界のことはよく聞いています。

その話を聞く限りでは、正直なところ

「日本の不動産業界は風通しが悪いな。。」

と思います。

母いわく、日本の不動産業界では

・不動産会社間の連携が薄い

・物件情報は共有されていない場合が多い

・良質な物件はコネがないと難しい

・契約書に不動産の悪しき意図が隠れている場合がある

・囲い込み(物件があるのに見せない)が出来る

・売り止め(状況が変わったと売らない)が出来る

等、一言でいえば

「日本では目隠しをされて不動産取引を行うことになる」

と言っては言い過ぎでしょうか。

日本の不動産業界裏の話を聞けば聞くほど、私(佐藤)も引いてしまいました。。

ちなみにアメリカ不動産の場合は上記のいずれも当てはまらず真逆の条件にあり、透明性が高すぎるといってもよいかもしれません。

というか、私自身はアメリカ不動産から入りましたので不動産取引の透明性の高さは当たり前のように考えていましたが、この点は律法主義を基盤に消費者が強すぎるアメリカの強みだろうと思います。

アメリカ不動産の透明度の高さについて、例をあげてみます。

所有者はバレバレ

日本では不動産を所有する際に権利書を取得しますね。

アメリカでは厳密には権利書に相当するものは存在しておらず、管轄の役所に登録される方式となっています。

自分で権利書に大事に保管する必要はなく、権利そのものが役所に登録されますので管理の意味では安全かつ安心です。

不動産権利書に相当するものとしては、「役所に登録された文書のコピー」が手に入るくらいです(記録なので権利書とはいえませんが)。

そしてここが大事ですが、役所に登録されている不動産物件情報は公に公開されているのです。

どこの物件であろうが、基本的にはオンラインで現在の所有者をはじめとする各情報が一発で分かります。

また、アメリカの不動産情報が掲載されている各MLS(Multi Listing Service:マルチリスティングサービス)のデータは、通常はこの役所に登録されているデータを元にしており、該当物件に関する正しい情報がほしいのであれば、管轄の役所のデータベースにいけばよいことになります。

仮にリスティング情報と役所の情報が違う場合、どちらが正しいかといえば役所の方が正しいのです。

一つ例をあげてみましょう。

メンフィス物件の例

テネシー州メンフィス市にある、ケラー・ウィリアムズのリスティングから最新のものを引っ張ってみます。

(*この情報は参考用であり、すでに売れている場合があります。)

日本円にして約2億円の豪邸ですね。

メンフィス市はよく治安の点で懸念されがちですが、メンフィス全体が治安が悪いわけではありません。

事実、この手の富裕層が多く暮らす地域も多くあります。要はメンフィスだろうがどこだろうが、危ない地域にはいかないことです。

そこで、この住所をもって役所のデータベースに入ってみましょう。

メンフィスは「シェルビー郡」に属しますが、シェルビー郡の役所の不動産に関するデータはこのページから閲覧できます。

(下のページへはこちらをクリック)

このように出てきますね。

そこで、「REAL PROPERTY SEARCH」の部分に

このように先ほどのリストの住所を入力して、「Search」を押します。

検索結果に所有者名を含む情報が出てきました。

ここで右側の「View」を押してみましょう。

この通り、

  • 物件基本情報
  • 物件所有者名
  • 2018年度の査定額
  • 建築情報

等、あらゆる情報が丸裸です。

そして更に注目は下部のここ。

(意訳)
この物件の同敷地内の他の建造物
この物件の許可関連はこちら
この物件の販売データはこちら
建物のスケッチはこちら

こんな情報まで閲覧できます。一番下の建物のスケッチを見てみましょう。

スケッチ上でどこに何が設置され、それぞれの面積まで丸わかりです。。

ここまで丸裸に全ての情報が公に醸されてしまうのです。

アメリカ不動産物件はほぼ全てオンラインで分かる

このように、アメリカ不動産に関しては分析に必要な情報はほぼ全てオンラインで手に入ります。

realtor.com

redfin.com

zillow.com

等でも基本情報は分かりますが、より詳細かつ正確な情報が欲しければ、このように役所のデータベースにアクセスすればよいのです。

これが、常々「アメリカ不動産取引は透明性が高い」とお伝えしている所以で、重要な情報が役所から公に公開されている以上は売主が買主を騙すということは不可能なのです。

また、

「各データベースで売却額が微妙に違うのですが、どれが正しいのでしょうか?」

というご質問を頂くことがあります。

この場合、押さえておくべきは

各データベースの情報は大元のMLSからコピーされている

物件価格の反映には時間的遅延が起こりえる

ということです。

つまりあくまでミラーの数字ですから、時間的ズレが発生する可能性はあります。

とはいえ、リアルタイムの正確な売却額は担当する不動産エージェントに問い合わせれば分かりますし、何よりもそれらデータベースに掲載されている数字は「参考」と考えておけばよいです。

実際の購入価格は交渉して決めるべきですから、該当物件と同レベルの周囲の物件を比較することで、オファーするべき適切な価格を不動産エージェントと打ち合わせて決めるようにします。

まとめ

恐らくですが、アメリカの不動産取引は世界でも類を見ないくらい透明性が高いのではないでしょうか。

リスティングの段階から全ての基本情報は開示され、そこには掲載されていない情報でも管轄当局の役所にいけばオンライン上で調べることが出来ます。

厳密には、最終的に本当に売買する際に必要な書類は役所まで出向かねば手に入りませんが、まず必要な情報はほぼオンライン上で入手できるのです。

「リスティングに出てこない、クローズド案件もあるのでは?」

これは確かにあります。

フリップ業者が特定の投資家に売りに出す場合や、一般のご家庭でもリスティングせずに知人に売却する場合はいくらでもあるでしょう。

この点は世界中の不動産取引に共通することかと思いますが、そもそもこのレベルになると不動産購入以前に「お近づき」になる必要があります。

ただし「お近づき」とはいっても、アメリカの場合はこの点も日本よりははるかにハードルが低いものです。

とにかく目に見える結果で判断される国柄ですから、高額物件でも購入可能な現金をもつのであれば、そのほとんどの場合は障壁なくリストを回してもらえます。

とはいえ、このようなコネを持つプロですら、そのほとんどの取引は普通に市場に出てくる物件で売買を行っています。何も自分のコネに固執する理由はなく、良い物件は良いからです。

このような風通しの良さがアメリカ不動産業界の原動力の一つでもあり、この透明性の高い仕掛けが世界中から富を呼び込み、そしてアメリカ政府自身が大きく頼りにする産業である所以なのです。



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