中間層には住宅購入が難しいアメリカの都市

こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。

昨日は

「中間層でも住宅が購入できるアメリカの都市」

についてお伝えさせて頂きました。

アメリカでは年間所得が$42,000 ~ $125,000の世帯が「中間層」と位置づけられており、そのほとんどの世帯は年収$59,000(約600万円)前後に集中しています。

このアメリカ中間層でも十分に住宅が購入できる都市がアメリカ国内にはまだまだあり、昨日ご紹介したようにそれらの都市は決して辺鄙な田舎町でなく、むしろテックハブとして隆盛を誇る都市も多いのです。

ニューヨーク、ロサンゼルス、サンフランシスコといった大都会の喧騒から離れ、同じようにテック系で働きながらも安く家を購入できるのであれば、どちらが富を多く蓄積できるのは自明の理というもの。

かつ、今後はそれらの物件は価値が上昇していくことが十分に見込まれますので、キャピタルゲインを狙う意味でも「買い」なのです。

今日はその反対に「中間層には住宅購入が難しいアメリカの都市」についてお伝えさせて頂きます。

1. カリフォルニア州ロサンゼルス市

中間層世帯所得: $69,300
中間住宅価格範囲: $201,800 ~ $527,400
中間層住宅所有率: 30.5%

中間層にとって住宅購入が最も難しいのはロサンゼルスです。

この街では中間層の人々が昨日ご紹介したような物件を購入しようと思えば、ロサンゼルスから一つないし二つの市をまたいだ郊外で住宅を購入する必要があります。そうして物件を購入したとしても、通勤に車で1~2時間走らねばなりません。

そしてその物件価格は中間価格で$740,300。これは昨年から5.9%の値上がりとなり、ここから今現在も上昇を続けています。

この状況では中間層にとっては住宅購入はかなり厳しく、通常は住宅ローン価格は月収の1/3が適切といわれているところを、ロサンゼルスで無理に住宅を購入した中間層は月収の50%~60%を住宅ローンの支払いに充てているのです。

そうすると自分の力だけでは購入は厳しい為、通常は家族や親族から金銭的援助を借りて住宅を購入している場合がほとんどです。

それでも購入が難しい場合は、前述のように遠く離れた郊外に住宅を持つしかありませんが、その場合は少なくとも1時間以上かかる通勤とトレードオフになってしまいます。

そこに加えてロサンゼルスのみならずカリフォルニア州全体ではゾーニング(区画整理)規定が非常に厳しく、新築物件を建てるのにも非常にお金がかかる為、新築物件など途方もない金額になる傾向があります。

2. オハイオ州トレド市

中間層世帯所得: $51,200
中間住宅価格範囲: $149,000 ~ $389,500
中間層住宅所有率: 32.3%

トレド市も他のアメリカ内部に位置する都市と同様に、昨今のグローバル化の流れで産業が空洞化しつつある街の一つです。

今年だけでもジープラングラーの部品を受け持つ工場の閉鎖が決まり、120名が失職するニュースが流れています。

労働と賃金は不動産重要の要素の一つですから、多数の失業者が出る副作用としてその近郊では不動産価格が下がってくる傾向があります。

事実、トレド市においてもこのような産業が衰退する流れは不動産価格の意味では中間層にとってプラスに働き、中心街の中間物件価格は$129,000となっています。

ところが、トレド市ではそもそもがハイエンドのラグジュアリー物件が多く、全体の物件在庫の数からいえば中間層が購入できる物件数は限られているのです。

そのハイエンド物件の多くは前世紀に建てられたアメリカの伝統的スタイルの物件で、価格はまだまだハイクラスのままです。

また、トレド市全体が経済的に沈んでいるわけではなく、自動車産業の中核を担うような大企業の本社もあったり、地元で有名な2つの公立大学

ボーリンググリーン州立大学

トレド大学

からの好影響もあり、中間層の手に届く物件は今のまま限定的となりそうな街です。

3. カリフォルニア州サンディエゴ市

中間層世帯所得: $73,600
中間住宅価格範囲: $214,100 ~ $559,500
中間層住宅所有率: 32.7%

カリフォルニア州の中で物件価格が急上昇しているのは何もロサンゼルスやサンフランシスコだけではなく、ここサンディエゴでも同様の傾向が見られます。

サンディエゴはカリフォルニア州最南端に位置する街で、抜けるような青空とカラッとした天気はあたかも異国のような雰囲気を醸し出し、オールドサンディエゴに見られる伝統的なスタイルは多くの人々を魅了させています。

この南カリフォルニアの海外都市の中間物件価格は$677,000で昨年から4/6%の上昇ですから、例えば年収が$75,000程度ではサンディエゴに住宅を持つことは非常に難しく、共働きでようやく住宅ローンを組んでいけるくらいです。

その為、多くの人はサンディエゴの中心街から離れたところに住宅を構える傾向があります。

例えばダウンタウンから車で20分ほど離れた場所にはラ・メサという中間層のコミュニティーがあり、ここはよい学区、仕事、そしてレストランが並んで暮らしやす場所です。

ところがこのラ・メサのような中間層の場所でも物件価格は上昇しつつあり、その中間価格は$578,000と高いものになっています。

4. コネチカット州ブリッジポート市

中間層世帯所得: $90,100
中間住宅価格範囲: $262,200 ~ $685,100
中間層住宅所有率: 33.3%

ブリッジポート市はコネチカット州のフェアフィールド郡に属する、ニューヨーク市郊外の超富裕層の街です。

この近辺のグリーンウィッチ地区、スタムフォード地区、ウェストポート地区といったエリアには高級住宅が並び、とても中間層に手が出せる価格ではありません。

マンハッタンのウォール街でファンドマネージャーとして活躍するようなプレーヤーは、概ねこのあたりでもグリーンウィッチ地区に暮らしており、4000スクエアーフット(約370平方メートル)のマンションが$5,250,000からの価格となっています。

私(佐藤)もグリーンウィッチ地区にはよく行きましたが、正直なところ古い建物が多く並ぶ街並みであり見た目はそんなに魅力的ではないのですが。。

それでも確かに高級感には溢れる街です。

5. ニューヨーク州シラキュース市

中間層世帯所得: $61,600
中間住宅価格範囲: $179,200 ~ $468,400
中間層住宅所有率: 33.3%

シラキュース市でも前述のトレド市と同じような傾向が見られます。街の産業が空洞化しつつあり、中間層の失職が増えているのです。

同時に失業率の増加は不動産価格の下降につながりますから、ダウンタウンから車で10分の「リバプール」というエリアでは$125,000~$150,000の価格帯で物件購入が可能であり、中間層にも十分購入できるレベルです。

とはいえダウンタウンはかなりの高額でとても中間層には手が指せず、全体として中間層の住宅所有率は低いものになっています。

まとめ

今回は中間層には物件購入が難しい都市をご紹介させて頂きました。

アメリカ国民の間で経済二極分化がいよいよ進む中で、これらの地域ではますます中間層の住宅所有率が落ちてくることが予想されます。

とはいえ逆の見方をすれば、上記の中でもトレド市やシラキュース市の場合は賃貸率が高いことになりますから、不動産投資対象地域としては検討する価値がありそうです。

物件への投資額が$120,000程度であれば、まず安定したキャッシュフローが期待できるのではないでしょうか。



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