アメリカ不動産金融、混乱の終息へ

こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。

昨日は優良なプライムマーケットに対して、甘い審査で通過できるサブプライムマーケットの「サブプライムローン」についてお伝えさせて頂きました。

このサブプライムローンがプライムマーケットの金融機関からセカンダリーマーケットと呼ばれるフレディマックやファニーメイに卸され、そこで多種多様な債権とミンチ肉のように混ぜられて、証券として投資家に売りに出されていました。

そして2006年から不動産価格が下がり始めると、まず最初に焦げ付いて債務不履行が続発し始めたのが、サブプライムローンだったのです。

それまで債務者は、住宅ローンの返済が苦しくなった時には「リファイナンス」という打ち出の小槌がありました。

いわゆる、

「この物件の価値は購入時と比較すると上がっており、これからも上がるだろう」

という前提のもとに、融資側が価値上昇を見越してローンの組み換えを許してくれていたわけです。

ところがこの時はその「不動産価値が上がる」という前提そのものが崩れていましたから、リファイナンスという手法そのものが使えなくなっていました。

そこからなし崩し的に崩壊が始まり、誰もが記憶する世界金融不安へとつながっていったのです。

本日も続けます。

サブプライム問題初の問題を数字で見る

Graph, Diagram, Recession, Economic Downturn
不動産価格の暴落と債務不履行者の続出、それに伴う物件差し押さえの燦燦たる状況はそれから2011年まで続きました。

そのような中、金融機関の必至な対応で徐々に回復の方向に向かっていきます。

とはいえ、この時の多くの金融機関が

「ロボサイニング(ロボットのように、感情抜きにさっさと署名をしていく動きのこと)」

と呼ばれるやり方で、決済書類をきちんと精査せずにスピード重視で差し押さえ物件の処理を進めていた事実があり、見た目はそれが全体の回復方向に貢献はしたものの、この対応そのものは後にかなりの批判を浴びています。

そのような必死の努力もあり問題解決に向かい始めたかと見えたものの、債務不履行による物件差し押さえ件数は再び上昇していきます。

金融アナリストの発表によると、2011年6月の時点で実にアメリカ全土の22.5%の住宅所有者が

「自分の身の丈以上の物件を抱えている(購入時の価値を下回り、株でいう塩漬けになっている)」

と言われていたほどです。

そして「フォークロージャー・マーケットレポート」という差し押さえ物件の専門誌によると、2011年第3四半期には213件に1つの割合で差し押さえ物件として登録がなされるほどの惨状でした。

これに対してアメリカ全国不動産協会の場合、2013年には「影のある在庫(Shadow Inventory:債務不履行や差し押さえ物件)」は2010年~2011年には市場全体の三分の一に及んでいだと発表しています。

この数字は2012年には25%程度まで下がり、2014年には一桁台にようやく落ち着いてきました。2008年8月の時のそれと比較すると、実に24%も落ち着いてきた計算になります。

混乱の終息へ

2012年2月に発足した、「全国住宅ローンセトルメント」という機関があります。

この機関は国内5つの主要な金融機関

  • アリー・ジーマック
  • バンクオブアメリカ
  • シティ銀行
  • チェース銀行
  • ウィルスファーゴ銀行

がチームを組んで足並みを揃え、住宅ローン債務不履行と差し押さえ物件の続発を押さえるべくあらゆる対策を取る為に発足されたものです。

実際にこの「全国住宅ローンセトルメント」の活躍により、実に2兆5千億円以上が搬出され、債務者の救済策と連邦政府と州への支援を補う協力体制が実施されました。

このような主要金融機関による合同チームは1998年におきた「タバコ訴訟」以来のものであり、その実は州をまたいだ全米規模の問題解決への対策としてはアメリカ史上で最も大きなものでした。

そしてサブプライム問題に端を欲する金融危機を終息に向かわせたもう一つの大きな要因は、貸し手側(金融機関)による

「ショートセールの受け入れ」

が広がったことです。

ショートセール(Short Sale)のショートは日本語の直訳では「短い」となりますが、この場合は「足りない、不足している」という意味になり、

「住宅価格が本来の価値よりも低く、売れば損をしてしまう状態での売却」

を意味します。

例えば、金融機関が融資した時点では住宅価格が$200,000であり、80%に相当する$160,000を金融機関が融資していたとします。

ところがサブプライムローンを組んだ債務者がほとんど返済できず、$10,000しか返済していなかったとします。

そうすると、銀行としては利息を差し引いて考えても$150,000の元金を取り戻せていないわけですが、以前であれば$20,000もしくはそれ以上に価値が上がったはずのこの物件を差し押さえた後で売却すれば、余裕で元金取り戻せるはずでした。

しかしながら、物件の価値が例えば$200,000から$130,000まで下がっていた場合、ショートセールとして売却すると$20,000の損失が出るわけです。

このような、金融機関にとって確実に損失が出てしまう差し押さえ物件の売却をショートセールと呼びます。

ところが、損失がでるとはいえ実際に金融機関が精査してみると、

「ショートセールで損失が出たとしても、結果的には小さい損失で済む。売らずに持ち続けた方が損失が大きい。」

との結論に至り、多くの金融機関でショートセールに積極的に動き出す姿勢が出てきたのでした。

まとめ

人々はその歴史から学び進化していきますが、このサブプライム問題に端を欲する一連の金融騒動は

「アメリカ不動産神話」

を見事に打ち砕く騒ぎとなりました。

不動産需要の三大要素、

  • 人口
  • 人口動態
  • 雇用・賃金

でアメリカという国を考えてみると、これらの三大要素は全体的に上昇していますのでそれに伴い不動産価格が上がり続ける前提があります。

ところがどこまでも上がり続けるということはなく、適正値から大きくはずれてバブル状態になる時、必ずどこかで弾けてリセットがなされるのです。

バブルを加速させるのは、いつの時代も際限のない人の欲望です。

そして今、実はアメリカでは「サブプライムローン」が一部の金融機関により、再び開始されているのです。

「自分の機関だでサブプライムを出すだけなら、全体から見れば大したことないよ。」

そんな安易な考えで再び始まっているのかもしれません。

それ故に、私達投資家としてはこれからもアメリカ不動産市場を見続けて

「バブルが弾ける前のサイン」

をつぶさに観察し続ける必要があると思うのです。


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