エスクロー会社の具体的な役割とは

こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。

昨日より「エスクロー」という仕組みについてお伝えをさせて頂いています。

アメリカでは1947年にカリフォルニア州において「エスクロー制度」が導入され、不動産のような高額商品取引において売主と買主のどちらにも属さない、完全な第三者となる仲介業者が登場しました。

これにより金銭や書類の受け渡しがエスクロー会社を通して行われることとなり、より取引の安全性が高められることとなったのです。

日本の不動産取引ではエスクロー制度が未だに導入されないないのは不思議なところですが、地面師のような詐欺事件が後を絶たない現状では、遅かれ早かれ、エスクロー制度の導入は日本にも必要であるように思います。

本日はアメリカのエスクロー会社の具体的な作業について、掘り下げてみたいと思います。

売り主と買い主の作業

エスクロー会社を挟んだ取引において、買い主と売り主の双方は金銭の受け渡しのみならず関係する全ての書類もエスクロー会社を挟んでやりとりを行い、売買契約書上に記載されている契約締結日(クロージングの日)までに、全てのやり取りを完了することが義務付けられています。

具体的な作業項目を見てみましょう。

売り主側

  • 買い主への物件権利の譲渡
  • 権利に関する証拠(物件権利の精査作業や弁護士の意見、権利証明書、権利保険、政府保証等)
  • 現存する物件地域での危険性(自然災害の可能性等)に関する保険証券
  • 現在のローン残高分の差額差し引き証明(買い主が売り主のローンを引き継ぐ場合)
  • 権利宣誓書(求められる場合)
  • ローン完済証明書(買い主のローン返済が完了している場合)
  • 上記以外の権利の正当性や取引を完了させる為に必要な書類等

買主側

  • 物件購入を完了する為に必要な現金の所有証明(通常は保証がなされる小切手の形で渡される)
  • ローンに関する書類(物件を買い主が独自にローンで購入する場合)
  • 洪水保険を含む、災害保険証明(必要とされる場合)
  • 上記以外のローンを提供する債権者(通常は銀行)により求められる物件検査報告書等

。。。

これらの書類が双方からお互い宛てにではなく、完全な中立の立場であるエスクロー会社に対して双方から渡されることになり、エスクロー会社は然るべき精査・登録等の作業の後に他方に書類・金銭を渡すことになります。

公的な権限をもつエスクローエージェント

ここが重要なポイントですが、このエスクローエージェントは物件権利の証拠を精査する資格を有しているのです。

すなわち、売り主側から提出される物件に対する権利書一つにしても、それが本物かどうかを政府機関とやりとりをすることで調査が出来る権限を持つ、ということになります。

ここは最も重要といっても過言ではない部分であり、エスクローエージェントがこのような半ば公的な権限をもって権利を調査する以上は、昨日ご紹介したような日本で発生し得る地面師のような行為は物理的に不可能なのです。

権利を偽造したところでエスクローエージェントがそれが登録されているはずの役所の記録と照合すれば、権利が本物かどうかは一発で分かります。

また、通常はエスクロー会社とタイトル会社(不動産権利を専門に取り扱う会社)は今ではほとんど一本化されていますので、そもそも対象となる物件の権利自体を買い主側ではなく、エスクロー会社(兼タイトル会社)自身が役所の記録から引っ張ってくることがほとんどなのです。

つまり、アメリカの不動産取引では大抵の場合は地面師が登場できる舞台すらない、ということになります。

ここが、常々私(佐藤)が

「アメリカの不動産取引は透明性が高く、安全に売買が出来ます」

とお伝えしている根拠の1つです。

そして、対象となる物件の権利が全て正当であり売買が可能と確認された後で、そこで初めてエスクローエージェントは取引に関して動くべきお金(買い主から預かったお金)を、全ての手数料や費用を差し引いた後で売り主に渡すことになります。

その後エスクローエージェントは権利の譲渡を役所に記録し、同時に買い主がローンで物件を購入する場合はローン明細もしくは信託証書(Deed of Trust:ディード・オブ・トラスト)を一緒に記録する役割も努めてくれます。

また、エスクローエージェントが

「この家の権利には不具合(抵当に入れられている等)がある」

と判断した場合は、売り主に買い主からのお金を渡す前にその不具合を解消する為に必要な金額を差し引き、その金額を抵当権を払拭する為の清算金として使います。

仮に売り主が権利を有する証明を完全に明確に出来ない場合、あるいは何らかの理由で売却にあたる不具合が払拭しきれない場合は、エスクロー会社は売り主と買い主の双方に対して

この売買は成立できませんよ

と指示し、売買取引そのものをなしにする場合もあります。

このように最終的に「売買不成立」となる場合、権利に関する書類一式は売り主側に戻され、事前に買い主により納められたお金は買い主に戻されることとなります。

まとめ

アメリカの不動産取引における「エスクロー」という仕組みについてお伝えさせて頂きました。

不動産のような高額商品に対して金銭の受け渡しが行われる場合、このエスクロー会社のような完全な中立の第三者が入ると、いかに安全な取引が出来るかが分かりますね。

ちなみに、エスクロー会社として認可されるには州政府からの厳しい査定があり、エスクロー会社はその認可基準を保ち続ける為に、結構高いハードルをクリアし続ける必要があります。

エスクロー会社そのものは民間企業ですが、国土も関わる商品の受け渡しに対して責任を持つわけですから、半ば役所仕事のような側面もあるわけで、基準は厳しくて然るべきなのです。

またこのようなシステムがあるお陰で、物件の購入者としてはより安全な不動産取引が出来るということになります。

ただし、このエスクローの仕組みについてはその適用方法が州によって若干の違いもあり、かつエスクロー会社ではなく不動産弁護士のみを仲介人として取引を行う場合もあります。

アメリカで物件を購入する場合は、取引方法についてあなたの担当不動産エージェントによく確認されてください。


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