家賃収入を事実確認してみる – ②

こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。

マルチファミリー(複数世帯住宅)物件を見定める為の5つのステップ

  1. 家賃収入の事実確認
  2. 支出の事実確認
  3. 純収益の算出
  4. キャップレートと評価額の算出
  5. ローン支払いと利益(あるいは自己資本配当率)の計算

についてお伝えしています。

一番最初の家賃収入の事実確認は最も大切な作業です。

家賃以外の収入があったとしても、一番の柱となる収入は通常は家賃ですのでこの家賃の正確さは何よりも一番最初に確かめる必要があります。

逆にいえば、この家賃収入の見込みが低いのであれば、あとのどの部分で努力しようとも徒労に終わってしまいますので、家賃でどれくらいの収入が本当に見込めるのかはしっかりと把握しておく必要があるのです。

最初の家賃収入の事実確認について本日も続けます。

ユニットミックスとレントスケジュール

いざ投資用のマルチファミリー(複数世帯住宅)物件情報をパンフレットで見たときに、テーブル形式で

  • 戸数
  • タイプ
  • スクエアーフット
  • 家賃

等の情報が並べられている表のことを

ユニットミックスとレントスケジュール

といいます。

この「ユニットミックスとレントスケジュール」は公式のパンフレットに使用されている情報であり、当然ながら資金を投じるべきか否かを検討する投資家の資料として、そこに数字が提供されているわけです。

この「ユニットミックスとレントスケジュール」は家賃収入の見込みを計算するために使用しなくてはなりませんが、面白いことに私(佐藤)の経験上、パンフレットに掲載されている「ユニットミックスとレントスケジュール」上の数字が実情を正確に現した数字であったことは、まず一度もありません。

だからこそ、この「ユニットミックスとレントスケジュール」上に記載されている数字をきちんと理解して分析することは非常に重要なのです。

ここから詳しく見てみましょう。下記の実例をご覧ください。

ーーーーーーーーー「ユニットミックスとレントスケジュール」の実例 ーーーーーーーー

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上記は本物の「ユニットミックスとレントスケジュール」を日本語訳したもので、通常は投資物件のパンフレット上で似たような書式を頻繁に見ることがあります。

このテーブル上の情報では、「合計家賃」の項目に並べられている家賃の1ヶ月の合計収入は8戸全てからの合計が$4,000と書かれていますね。

とはいえ、このテーブル上の数字をよく見てみると、売り主が家賃の数字の横にアスタリスクマーク(*)をつけていることが分かります。

このアスタリスクマーク(*)は通常、「実際の家賃はこの数字とは違い、この数字よりも低い」ことを表します。

事実、下にアスタリスクマーク(*)の詳細が記載されている通りに、この実例では

「実際の2ベッドルームの家賃は$480であり、1ベッドルームの場合は$422です。」

と但し書きが書かれてあり、実際の家賃はかなり低いことが分かります。

家主は潜在見込み収入(Future potential income)の数字を使う

初心者の投資家の方々の場合はテーブルに書かれている$4000をそのまま「購入した後の実際の家賃収入なんだろう」と判断してしまう場合が多いのですが、実際にはオーナーが記載している$4000というのは先日お伝えした

実質収入(Actual income)
実質見込み収入(Actual potential income)
潜在見込み収入(Future potential income)

の3種類の中の「潜在見込み収入(Future potential income)」なのです。

潜在見込み収入は理論値としては実際にその地域の賃貸市場に照らし合わせて計算されており、実際にあり得る家賃ではあるのですが、あくまで潜在的な可能性の数字であってそれが現実になることはそうはありません。

そこで、アスタリスクマーク(*)がついているテーブル上の数字をその下に但し書きがしてある現在の実際の家賃の数字に置き換えてみます。

ーーーーーーーーー「ユニットミックスとレントスケジュール」の実例 ーーーーーーーー

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ご覧の通り、現在の実際の家賃をテーブルの中に入れてみると、パンフレット内に記載されていた家賃は、物件の今現在の家賃よりも戸単位でいえば$63もそれぞれ多めに計上されていることが分かります。

この差を1年間で計算すると実に$6,048もの差額が出てしまうのです。

もしあなたがこの物件からの家賃収入を売り主が準備した見積もりテーブル通りになるだろうと期待して購入する場合、実際にこの物件があなたにもたらす家賃収入は年間で$6,000も予想を下回るはずなのです。

この実例の場合はまだパンフレットの家賃の横にアスタリスクマーク(*)がついていますので分かりやすいのですが、もしパンフレットにアスタリスクマーク(*)がついていない場合はどうするべきでしょうか。(実際、現在の実質家賃が記載されていない場合がほとんどです)

パンフレットにテーブル上の数字以外記載されていない場合は、家主から「レントロール(Rent Roll)」を入手し、パンフレットのテーブル上の数字に置き換えて計算してみる必要があります。

同時に、仮に上記の実例のようにアスタリスクマーク(*)と但し書きが記載されていたとしても、やはりレントロールを入手して、実際の現在の家賃の記録と照らし合わせてみる必要もあるのです。

繰り返しとなりますが、家賃収入は最も大切な収入源ですから、家主が一見いい人であったとしても出された情報は決して鵜呑みにせず、実際の現在の家賃をレントロールを入手して家賃収入が本当に正しいかどうかは自分で確認しなくてはなりません。

明日に続けます。



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