賃貸契約初期:セキュリティデポジット(敷金)を定める際のテクニックとは

こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。

昨日の項の中で不動産管理の大切さについてお伝えさせて頂きました。

実際、不動産投資はしっかりとした不動産管理技術がないと成り立たないのは本当です。

現実には日本からアメリカの不動産を購入する場合は自分で物件を管理するのはまず不可能ですので、現地の不動産管理会社に委託する必要があります。

それでもあくまで不動産管理会社は委託されているのであり、物件の家主(所有者)はあくまであなたですから、管理手法の大部分を不動産管理会社に委ねる一方で自分が必要と判断することは不動産会社に指示することも大切です。

また大概はきちんとした不動産管理会社は抜かりなく仕事を進めてくれますし、何よりも定評ある地元の不動産管理会社を選ぶべきなのですが、不動産管理会社から一方的に月報や修繕実行確認の連絡を受けるのみならず家主(あなた)からも定期的に不動産管理会社に連絡を入れる必要があります。

プロとはいえど人の習い性で任されっぱなしだと意識が甘くなることもありますから、あえて厳し目に監視目線の問い合わせを入れることで不動産管理会社によりシャッキっと背筋を伸ばしてもらうことも大切なのです。

「この月報の数字はおかしくないか?」

「この修繕費は費用がかかりすぎではないか?きちんと複数の業者に見積もりを出しているのか?」

そんな風に細かく口を出して、不動産管理会社にもいい意味で身構えてもらう必要があります。

ちょっとした手間ではありますが、実際に手足を動かすのは不動産管理会社で家主(あなた)としては頭を動かすだけですから、このちょっとした手間をかけることでより安定した不動産投資運用の質を上げていくことが出来ます。

そこで、家主として不動産管理会社に任せっぱなしにするべきではない項目の一つとして賃貸候補者との一番最初の契約の中でも

  • セキュリティデポジット(敷金)
  • レント(家賃)

の2つに言及してみたいと思います。

これらは不動産管理会社の仕事の一部ではありますが、あなたがアメリカの不動産管理会社の仕事ぶりを確認する際、あるいは家主として指示を出す際の参考にされてください。

セキュリティデポジット(敷金)とは

セキュリティデポジットは日本でいう敷金に相当します。

他人に物件を貸す以上、その賃貸人が退去する時にはほぼ確実に物件は入居前よりも綺麗であることはありません。

稀にきちんとした性格の方が物件の内外をスキーっと清掃されて出る場合もありますが、そんなことは本当に稀で通常は汚れっぱなし、あちこちが大なり小なり破損した状態での退去となります。

この他人に住居を貸すという賃貸行為で収入を得る対価として、物件に被る被害(みたいなもの)の修繕作業費用を補填するお金をセキュリティデポジット(敷金)と呼びます。

セキュリティデポジット(敷金)についてはアメリカ国内でも州ごとに細かく規定が決められており、家主はその規定内でセキュリティデポジット(敷金)の取り扱いを定めることになります。

契約最終月の家賃は初期費用に含めてはいけない

そこでセキュリティデポジット(敷金)は通常は契約の一番最初に家賃と一緒に納めて頂きますが、家主によっては

初期費用 =(契約の初月家賃)(セキュリティデポジット:敷金)(契約の最終月家賃)

の3つの合計額を一番最初に請求する金額と定めている場合があります。

けれどもこの方法は賢いとは言えません。

家主にしてみれば

  1. 最初の出だしの家賃
  2. 契約後の修繕を補償する敷金
  3. 最後の家賃

の3つを押さえることで前と後ろを手堅く固め、守備よく損失を出さないようにしたつもりにはなれるのですが、ここにはちょっとした落とし穴があるのです。

というのが、家主にしてみれば

  1. 最初の出だしの家賃
  2. 契約後の修繕を補償する敷金
  3. 最後の家賃

の3つのつもりなのですが、実際に契約書にそう書かれてあったとしても普通の人はそこまで深く契約書内容を自分の中に落とし込みませんから、賃貸人の感覚としてはこの3つが

  1. 最初の出だしの家賃
  2. 2か月目の家賃
  3. 契約後の修繕を補償する敷金

という理解になり、「私はすでに2か月先まで家賃を支払っている」という感覚に陥って家賃支払いの責任感覚が鈍ってくるのです。

口座自動引き落としやクレジットカードカード自動課金の場合は問題にはなりませんが(そもそも自動機落としであれば最終月の家賃の前払いは必要ありませんが)、現金回収や小切手(チェック)郵送による家賃の支払いの場合はまず賃貸人の支払い責任の感覚が鈍ってきますので、最後の月の課金は止めておいた方がよいです。

家賃を支払うのはあくまで賃貸人ですから、賃貸人の心理をよく掴んだ上で自分に損失が出ない最善の方法に導く必要があるのです。

セキュリティデポジット(敷金)は家賃と同額にしない方がよい

また今でも多くの家主が

  • 初月の家賃
  • セキュリティデポジット(敷金)

の2つを同額に設定しています。例えば月の家賃が$1200であれば

初月の家賃 … $1200
セキュリティデポジット(敷金) … $1200

合計 $2400

を一番最初の契約時に請求するのです。

けれども賃貸人にしてみればセキュリティデポジット(敷金)は

  • 家主に預けている自分のお金
  • 退去時に物件内を綺麗にしていれば全額戻ってくる

という自覚がありますので、セキュリティデポジット(敷金)の金額を家賃と同じにしてしまうとやはり前述と同様に

自分は2ヵ月先まで家賃を支払っている

という感覚になってしまうのです。

この場合も特に現金回収や小切手(チェック)郵送による家賃の支払いの場合は気を付ける必要があります。

セキュリティデポジット(敷金)は家賃の1か月以上2か月分未満の範囲がベスト

そこで

「セキュリティデポジット(敷金)の金額はいくらが適切なのか?」

というと、答えは

家賃の1か月以上2か月分未満の範囲

がベストです。家賃が$1200の設定であれば、例えば

初月家賃:$1200
セキュリティデポジット(敷金):$2000(家賃の1か月以上2か月分未満の範囲)

で定めます。

実際、セキュリティデポジット(敷金)は賃貸人が退去した後の物件修繕に宛てられることになりますので、家主にしてみれば準備金の意味では多ければ多い方がよいことになります。

テキサス州ではセキュリティデポジット(敷金)は

  • ちょっとした穴や傷といった軽い破損の修繕にはセキュリティデポジット(敷金)は使用出来ない
  • 退去後、30日以内に残額は返金する必要がある

等の規定があり、仮に大きな被害を被った場合には不足額を賃貸人に後から請求することも出来ますが、賃貸人がすでに遠くに引っ越してしまった場合は後日の請求が困難になる場合もあります。

その為に十分な資金を前もって頂いておくことは健全な取り組みではありますが、過不足なくうまくセキュリティデポジット(敷金)を設定するのであれば賃貸人の立場になった時に

  • 家賃の前払いと勘違いしない金額
  • 退去後に戻ってくると期待したい金額

この辺りの絶妙なバランスが必要なのです。この意味で

初月家賃:$1200
セキュリティデポジット(敷金):$2000

これくらいだと、セキュリティデポジット(敷金)は明らかに家賃と同じではないことが分かり、かつ賃貸人には

住居をきちんと使って最後に$2000全額を取り戻したい!!

と無意識に思って頂けるのです。

賃貸契約初期のコツについて、明日に続けます。



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