不動産の一部:営業用備品(Trade Fixture)という分類

こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。

昨日は不動産(Real Property)の一部として認識される据え付け品(Fixture)についてお伝えさせて頂きました。

キッチンキャビネット、蛍光灯、排水管等、それぞれが従来は動産(Personal Property)の性質を持つものの、不動産(Real Property)に恒久的に設置されることで据え付け品(Fixture)として不動産(Real Property)の一部となります。

その為、物件を市場に売りに出す際には売主はリスティングエージェント(売却手続きをサポートする不動産エージェント)と売却に含める物品については事前によく話し合う必要があります。

例えば、天井に恒久的に設置されている蛍光灯やシャンデリアは通常は据え付け品(Fixture)として認識されますから、買主候補がオープンハウスに訪れておしゃれな蛍光灯やシャンデリアをひとたび目にすれば、「これが欲しい!(この家を買えばそのままついてくるはず)」と思うのは当然のことです。事実この蛍光灯やシャンデリアは据え付け品(Fixture)であり、法的にも不動産の一部として扱われます。

その為、売主はその蛍光灯やシャンデリアを個人的にとっておきたい(売却後は天井から外して持っていきたい)と思うのであれば、契約書を含む物件情報書類には須らくその旨を記載しておくべきなのです。

さらに重要なこととして、書面による売主と買主の間の契約書上では「売却の際に譲渡されるモノ」と「売却の対象からは外れるモノ」はかなり詳細にわたり明記されておく必要があります。

設置型の本棚、シャンデリア、天井ファン、灌木等、それぞれが不動産の一部なのか個人の所有なのか、どちらに属するか不確かなモノに関してはなお更全て譲渡されるのか否かを書面上で明記することが大切なのです。

最悪の場合は売主と買主の間で係争に発展し、契約破棄の結果と同時に訴訟にすら発展し得ることもありますので、前述のように書面で譲渡の有無を明記することで不必要な誤解を防ぐ必要があるのです。売主と買主の間で最も係争に発展しやすい物品としてはカーテン、蛍光灯、電化製品の類になります。

最も賢明なのは、売主としてはシャンデリアであれ、カーテンであれ、電化製品であれ、自分が譲渡したくない物品があるのであれば、それらは家を売りに出す前には外して買主には見せないことです。

営業用備品(Trade Fixture)とは

据え付け品(Fixture)は上記のように不動産(Real Property)の一部として法的にも認識される為、売却の際には事前に契約書上でお互いの同意で譲渡対象から外さない限りそのまま買主に譲渡されることとなりますが、その一方で同じ据え付け品(Fixture)の類でもビジネスで使用されるモノは特別な分類に扱われます。

例えば賃貸者が所有するモノであり、賃貸スペースや建物に設置され、そして商売を運営する上で使用されている物品を営業用備品(Trade Fixture)、もしくは動産添え付け品(chattel fixture)と呼びます。

営業用備品(Trade Fixture)の例としては自動車工場の水圧式リフト、ボーリング上のレーン一式、レストラン調理場の台所や換気扇等がこれに相当し、農業用の営業用備品(Trade Fixture)としては鶏小屋や物置小屋が営業用備品(Trade Fixture)の類になります。

そしてこれらの営業用備品(Trade Fixture)は賃貸物件で使用されていた場合、賃貸契約終了前か遅くとも契約終了当日には外されておく必要があり、仮に営業用備品(Trade Fixture)の設置により物件そのものが破損等の損害を受けた場合は賃貸人の責任でそれら一切の損害を弁済する必要があるのです。

反対に賃貸契約終了後もそれら営業用備品(Trade Fixture)が撤去されない場合はそれらは全て地主の不動産の一部となり、このような形で資産を獲得することを財産相続(accession:アクセッション)と呼びます。

(*法律用語としては「Constructive Annexation:建設的併合」に関係します)

営業用備品(Trade Fixture)の例

例えばピザ屋さんが小さなショッピングモールに開業して、店長が賃貸しているスペース内に鉄製のオーブンをボルトで止めて設置しているような場合。

この場合はピザ屋さんが閉店するか引越しをする際に、ボルトで開けられた床の穴を修繕することが出来るのであれば店長はオーブンを外して持っていくことが出来ます。このオーブンは通常の据え付け品(Fixture)ではなくて営業用備品(Trade Fixture)ですから、所有者である店長が継続的に所有権を持っているわけです。

ところが反対にこれらのピザ用のオーブンが部品毎にバラバラにお店に運ばれ、現場で溶接してコンクリート上に直接設置された場合はどうでしょうか。この際はレストランの店長としては建物を構造的に破損させずにオーブンを除去することはほぼ不可能です。

この為、溶接して設置されたオーブンは営業用備品(Trade Fixture)ではなく据え付け品(Fixture)として取り扱われ、通常はビルのオーナーの所有物として扱われる結果となります。

営業用備品(Trade Fixture)が他の据え付け品(Fixture)と違う特徴は

  • 据え付け品(Fixture)は不動産の所有者に属する一方で、営業用備品(Trade Fixture)は賃貸人に所有され賃貸目的に沿って設置される。
  • 据え付け品(Fixture)は恒久的に建物の一部として扱われるが、営業用備品(Trade Fixture)の設置は一時的であり撤去可能。営業用備品(Trade Fixture)は建物そのものに設置される為、見た目が据え付け品(Fixture)のように見える。

です。

一般的に据え付け品(Fixture)は不動産(Real Property)の一部であり、その為にいかなる物件売却の際にも譲渡対象の一つとして取り扱われるものです。

その一方で営業用備品(Trade Fixture)は動産(Personal Property)であり、特別に売主と買主の間で契約を交わさない限りは物件売却の際には譲渡対象としては含まれないものとなります。

まとめ

本日まで不動産(Real Property)と動産(Personal Property)の違い、そして不動産(Real Property)として扱われる据え付け品(Fixture)と動産(Personal Property)として扱われる営業用備品(Trade Fixture)について見ていきました。

なかなか解釈がややこしい部分でもありますが、モノを所有するというのは人の根本的な欲望の一つであり、とりわけ不動産のような大きなお金の動く取引の中では所有者の位置づけをハッキリとさせておくことが大切です。

ご自分が不動産物件を購入する際、またとりわけ売却する際には不動産エージェントと一緒に本項で取り上げた物品の位置づけの概念に沿って、適切に相手方と契約の詳細を煮詰めていかれてください。

 


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