アメリカの水の所有権(Water Rights:ウォーター ライツ)

こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。

久しぶりにアメリカ不動産関連の知識を深掘りしてお伝えしていきます。

久々の今回はアメリカで不動産を所有する上での水の所有権についてです。

州で違う水の所有権(Water Rights:ウォーター ライツ)

水の所有権(Water Rights:ウォーター ライツ)は川、湖、または海に隣接する土地の所有者が有するアメリカ全州に適用される、あるいは各州で定められる州法に基づいて適用される権利です。

水の所有権(Water Rights:ウォーター ライツ)は特にもともと水が少なく希少価値があるような西部の地域、或いは農業地域や人口密度が集中していて水不足になりがちな地域では非常に重要な意味を持ちます。

農業目的の使用であれ、交流の場となるレクレーション施設での使用であれ、いずれの場合でも水に面する不動産は好まれる傾向があります。

そしてアメリカの各州では水とそこに面する土地利用の権利に関して厳しい法律が取り決められているのが通常です。

これらの法律には各州で違いがある一方、水に関する全ての法律はおよそ気候条件や地形に密接に関係もしてきます。

ケンタッキー州やテネシー州のような水がきれいで豊かな州では、水に関する州法は概ね河岸所有者特権(Riparian Rights)沿岸所有者特権(Littoral Rights)といった全州で通用し得る一般的な水に関する法律にその制限を委ねていますし、水が少ない州では優先使用割当権(Prior appropriation)の概念に沿って水の使用を制限しているのです。

河岸所有者特権(Riparian Rights:リパリアン ライツ)

川や川の流れ、あるいは同種の水の動きに沿った土地の所有者に与えられる全州共通の権利を河岸所有者特権(Riparian Rights:リパリアン ライツ) と呼びます。

河岸所有者特権(Riparian Rights:リパリアン ライツ) はその詳細が各州ごとに違いはありますが、通常はその権利は水の利用に関して何ら制限しているものはありません。

唯一の規制ルールとしては

水の流れを遮ってはいけない

水の流れるコースを変えてはいけない

水を汚染してはいけない

という常識的な概念になります。

そして水面下はどの範囲まで自分の土地として所有しているかはその水が

ノンナビゲータブル(nonnavigatable:船が通れない限られた水の流れであり、商用使用不可)

であるか

ナビゲータブル(navigable:船の通れる水の流れであり、商用使用可)

であるかにより違いがあり、前者の場合は

この図のように水底のちょうど真ん中まで土地を所有し、後者の場合は

この図のように水の深さのちょうど真ん中の深さまでの範囲を土地の範囲と定め、ナビゲータブル(navigable:船の通れる水の流れであり、商用使用可)である以上は公共により使用されるものと定められているのです。

沿岸所有者特権(Littoral Rights:リットラル ライツ)

河岸所有者特権(Riparian Rights:リパリアン ライツ)に密接に関係する、商用利用可能な湖や海に面した土地の所有者の権利を沿岸所有者特権(Littoral Rights:リットラル ライツ)といいます。

沿岸所有者特権(Littoral Rights:リットラル ライツ)の所有者は水の利用に関して制限はありませんが、所有する土地の範囲は水位の真ん中の位置までとなり、この位置より深い場所になる土地は全て公共の所有と位置づけられるのです。

いくつかの州では、これら河岸所有者特権(Riparian Rights:リパリアン ライツ)と沿岸所有者特権(Littoral Rights:リットラル ライツ)は土地に必然的に付属してくるものと定めており、物件の売却時に引き離して考える対象にはなりません。

水を使用する権利はそこに隣接する土地の所有者が有しており、その土地を売却する際に元の所有者が水を利用する権利だけを保持する、ということも出来ないのです。

水により土地が変化する3つのパターン

ここで水もしくはその他の自然災害により所有する土地の範囲が変化してしまうパターンを理解しておきましょう。

個人が所有する土地の範囲は水の自然な流れや動きにより影響されるものですが、そこには大きく分けて3つのパターンがあります。

集積(Accretion:アクリション)

水の動きよって土が滞留し、蓄積されて結果として水面上の土地の範囲が広くなることを集積(Accretion:アクリション)と呼び、この集積地はそこに面する土地を所有する持ち主のものとなります。

浸食(Erosion:エロジョン)

集積とは反対に、風、雨、あるいは水の流れといった自然の力によって徐々に、または広範囲に土地が崩れてしまうことを浸食(Erosion:エロジョン)と呼びます。ただし、浸食は通常は個人が所有する物件に影響を与えるには百年単位あるいは一千年単位をかけてゆっくりと発生していくものです。

とはいえ、大洪水や暴風雨のように浸食のスピードを加速させる自然要素があることも事実であり、不動産を購入する場合は事前にその地域ではどのような自然災害が発生し得るのか、その発生率がどの程度であるかを把握しておくことは大切です。

裂離(Avulsion:アバルジョン)

浸食(Erosion:エロジョン)がゆっくりと発生していく一方で、その反対に自然の力により土が突然引き剥がされたり沈没したりする現象を裂離(Avulsion:アバルジョン)と呼びます。

例えば地震や地すべりがその典型であり、これらの自然災害の発生により個人が有する土地がかなり短時間にその範囲が大きく狭まられてしまうのです。

優先使用割当権(Prior appropriation)

水に関する不動産権の最後は優先使用割当権(Prior appropriation)です。

水が少なく希少価値が高い州では、水の所有と利用に関してはこの優先使用割当権(Prior appropriation)という概念が適用されています。

この概念のもと、限定的な自家利用以外のいかなる水の利用方法に関しては、その水に隣接する土地の所有者ではなく州により定められるのです。

この優先使用割当権(Prior appropriation)の概念を適用する州では、その水に隣接する土地の所有者は「作物用の引水の為」といった、水を有効活用する計画を州政府機関に提出する必要があります。

この優先使用割当権(Prior appropriation)の概念は州ごとにその適用方法に幅がありますが、対象となる水を利用する権利は通常は認可を受けた日付の順に優先が与えられています。

そしていくつかの州ではひと度ウォーター ライツ(Water Rights:水の所有権)が授与されると、水を利用する権利そのものが認可保有者の所有する土地に附属される形となるのです。

そして水利用の認可保持者はその水を利用する権利を他者に売却することは可能なのですが、ウォーター ライツ(Water Rights:水の所有権)そのものは水源までは保証されておらず、あくまで水を利用する権利だけに留められています。

また他者の土地の上を通る水の利用に関しては、当然ながらその水に関わる権利はその土地の所有者から許可を得る必要が出てきます。

まとめ

ウォーター ライツ(Water Rights:水の所有権)は住宅街で暮らす場合にはほとんど意識する必要のないことですが、海岸沿いや川沿い、あるいは湖に面した物件を購入する場合にはよく把握しておく必要があります。

  • 自分の土地はどこまでがその範囲なのか
  • その水の利用にはどのような制限がかけられているのか

等をよく把握しておかないと、いざ物件の一部を改築するような場合に思わぬ制限がかかってしまうことがあります。

このような水に面した物件を購入する場合は担当の不動産エージェントに依頼して土地の範囲と水の使用条件をしっかりと調べるようにしましょう。

 


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