合法的に他人の土地を侵害!~ Easement(イーズメント)① ~

こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。

ビルの改築プロジェクトに携わった時のこと。

手狭な三階部分を1.5倍程度に広くする工事でついでに一階部分の駐車場も手直ししていたのですが、その工事中にコンクリートで続いていたお隣さんの玄関先のブロックが30センチほどの幅でガラガラと崩れてしまいました。。

しばらくして気づいた家主のおばあちゃんがオーナーに

「ご主人、これはどうしてくださるの!?」

と詰め寄りオーナーは

「いやいや、うちで直しますよ~。」

と平謝り。

この時はすぐに対応した為に訴訟にもならずに収まりましたが、このようなお隣さんとの土地の境界線の問題はかなりの割合で発生するものです。

このようなトラブルとは反対に、アメリカで不動産を所有する場合に境界線を越えて

  • 合法的に他者の土地を利用できる場合
  • 他者に土地を使わせてあげなければならない場合
  • 合法的に他人の土地を占拠できる場合(!)

等があり、これらを「Easement(イーズメント:地役権)」といいます。

自分の土地なのに他人に使わせてあげたり、はたまた他人に占拠されてしまう場合とはどんな状況をいうのでしょうか。

本日はこのEasement(イーズメント:地役権)について深堀してみます。

Easement(イーズメント:地役権)とは

Easement(イーズメント:地役権)はある特定の目的で他者の土地を使用することが出来る権利をいいます。対象となるのは土地の一部である時もあれば、その土地の上の空中権に及ぶこともあります。

またこのEasement(イーズメント:地役権)は一度認められるとEasement appurtenant(イーズメント アパーテナント:付属地役権)と呼ばれる権利と化し、その土地の所有者が変わっても土地の権利に代々引き継がれていく性質をもっています。

このEasement appurtenant(イーズメント アパーテナント:付属地役権)が成立する為には陸続きの二つの土地がそれぞれ別々の所有者により所有されている必要があり、二つの対象の土地はそれぞれ

  • 土地を使用させてもらう側:Dominant tenement(ドミナント テネメント:要役地)
  • 土地を使用させてあげる側:Servient tenement(サービエント テネメント:承役地)

と呼ばれます。

不動産権としてのEasement appurtenant(イーズメント アパーテナント:付属地役権)は

土地を使用させてもらう側:Dominant tenement(ドミナント テネメント:要役地、上記のロットB)

の権利書に付属しています。上の図でいえばロットBが売却されて不動産権が譲渡される際には「ロットAの土地の一部を使用する」というEasement appurtenant(イーズメント アパーテナント:付属地役権)がその不動産権と一緒に譲渡されるわけです。

その為

土地を使用させてあげる側:Servient tenement(サービエント テネメント:承役地、上記のロットA)

からすれば、この使用されている土地の一部は土地の権利上にEmcumbrance(エンカンブランス:「負担」とよく訳されていますが、「重荷になるもの、やっかいなもの」といったニュアンス)として恒久的に所有者から所有者への引き継がれていくのです。

このEasement appurtenant(イーズメント アパーテナント:付属地役権)が除かれるのは使用権をもつ

土地を使用させてもらう側:Dominant tenement(ドミナント テネメント:要役地、上記のロットB)

が法的に手続きをしてその権利を放棄した時か、いくつかの出来事が発生した時のみとなります。

(付属地役権が除かれる場合の代表的なケースは明日お伝えさせて頂きます)

一番分かりやすい例は、

土地を使用させてもらう側:Dominant tenement(ドミナント テネメント:要役地、上記のロットB)

土地を使用させてあげる側:Servient tenement(サービエント テネメント:承役地、上記のロットA)

の土地も購入して所有者となった場合です。この場合は二つの土地の所有者が一人になるわけで、Easement(イーズメント:地役権)の存在意義そのものがなくなりますからEasement appurtenant(イーズメント アパーテナント:付属地役権)も解消される結果となるのです。

二つの土地を隔てる壁の場合は?

またちょっと細かい話になりますが上記図のような明確な他者の土地に入り込んでの使用ではなく、二つの土地(家)を隔てる壁の場合はどうなるのでしょうか?

分かりやすいのがコンドミニアムですが、コンドミニアムは通常複数の家が連なる一つの大きな棟になっていますから、それぞれの家は当然壁で仕切られているわけです。

実はこの互いの土地(家)を隔てる壁もEasement(イーズメント:地役権)の対象となります。すなわち、厳密には一つの壁しかないわけですがその真ん中を二つに区切り、自分の土地(家)側にある壁半分は自分の所有となり、相手側にある壁半分は相手側の所有となります。

とはいえその壁は実際には一つですから、相手側にある壁半分は自分側から見ればDominant tenement(ドミナント テネメント:要役地)となり、自分側にある壁半分は相手側へのServient tenement(サービエント テネメント:承役地)となるわけです。

ただし、通常はこんなところまで誰も気にしませんので不動産売買において影響はもたらしませんが、仮に何らかの理由で土地(家)の権利を明確に分ける必要がある場合(その多くは裁判沙汰ですが。。)、この壁に関するEasement(イーズメント:地役権)については書面に落とし込み、双方の所有者のサインの下に法的効力を持たせる必要が出てきます。

また土地(家)を隔てる壁のみならずフェンスにも同様の考え方が適用され、その設置に関する費用や維持は双方の不動産権所有者が半分ずつ出資して行われるべきであることが法律上定められています。

まとめ

Easement(イーズメント:地役権)についてはコンドミニアムを購入する際は意識する必要はさほどありませんが、広い土地に一軒家を購入する場合等はその土地の権利書をよく確認し、Easement appurtenant(イーズメント アパーテナント:付属地役権)がついていないかを精査する必要があります。

通常は不動産専門弁護士に権利書を確認してもらう段階で分かりますが、基本的にはServient tenement(サービエント テネメント:承役地)側の方が立場が弱く、Dominant tenement(ドミナント テネメント:要役地)側がそのEasement(イーズメント:地役権)を然るべき手続きを通じて放棄しない限り、恒久的に不動産権に引っ付いてくるものだということは理解しておきましょう。

明日はこのEasement(イーズメント:地役権)を更に深堀し、いくつかのパターンをお伝えさせて頂きます。

自分の意志に関わらず土地の一部を取られてしまうこともあり得えますから、広い土地の物件を購入する方には必読です。。

 


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