不動産権の種類 ~ Life Estate(生涯不動産権) ① ~

こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。

昨日はアメリカの不動産権は総じて

Free Hold Estate(不動産権の自由保持)

と呼ばれ、その下に大きく分けて

  • Fee Simple Estate(不動産完全所有権)
  • Life Estate(生涯不動産権)

の二種類があること、そして前者のFee Simple Estate(不動産完全所有権)の詳細についてお伝えをさせて頂きました。

本日は現在の不動産権所有者、あるいは現在の不動産を相続する近い将来の不動産権所有者の存命中のみ有効となるLife Estate(生涯不動産権)について、深掘りしてお伝えさせて頂きます。

Life Estate(生涯不動産権)

Life Estate(生涯不動産権)とは不動産権の所有者が存命する間、またはその不動産を相続する個人もしくは人々が存命する間に限定して有効となる不動産権です。

その他の不動産自由権とは違い、不動産権所有者の存命中のみ有効となるLife Estate(生涯不動産権)は通常の法律で定められた相続手続きは無効となる性質をもっています。あくまでLife Estate(生涯不動産権)と定められた時点の規定に基づいて将来の相続者が決定することとなるのです。

またLife Estate(生涯不動産権)は別名Life tenant(生涯入居権)とも呼ばれます。ここでいう入居権とは通常の賃貸契約をもとにする入居ではなく、個人が有するfee simple owner(完全不動産権所有者)と同等に物件の占有と通常の利用かつ所有権から派生する利益を享受できる、その不動産の所有者としての権利です。

この為にLife tenant(生涯入居権)においても売却、ローン組み、他者への貸出等も可能ですが、いずれにせよその権限はあくまでLife Estate(生涯不動産権)として定められる範囲に限定されます。

そしてこのLife Estate(生涯不動産権)/Life tenant(生涯入居権)には厳密には

  • Conventional Life Estate(意思的生涯不動産権)
  • Legal Life Estate( 法的生涯不動産権)

の二種類があります。

今日はこの中でConventional Life Estate(意思的生涯不動産権)について深掘りしてみたいと思います。

このConventional Life Estate(意思的生涯不動産権)の下には更に、

  • Pur Autre Vie(生涯不動産権譲渡)
  • Remainder and Reversion(残余権と復帰権)

の二種類の形態があります。

Pur Autre Vie(生涯不動産権譲渡)

Pur Autre Vieという言葉そのものは語源がフランス後であり、それぞれは

Pur = for(〜の為に)
Autre = Another(別のも者、他者)
Vie = Life(生涯)

となります。一言でいえば「自分以外の者の生涯の為に。。」というニュアンスですのでここではPur Autre Vie(生涯不動産権譲渡)と訳しました。

前述のようにLife Estate(生涯不動産権)そのものは通常の相続対象となり得る不動産権ではありませんが、Life Estate(生涯不動産権)所有者の相続者に不動産権の相続を与えるのがPur Autre Vie(生涯不動産権譲渡)の役割です。

しかしながらPur Autre Vie(生涯不動産権譲渡)の効力は相続された個人または人々の存命中に限り有効となり、対象者が全員亡くなった後は消滅する性質があります。その為「限定相続」ともいえる性質をもつものです。

またPur Autre Vie(生涯不動産権譲渡)はその不動産権の所有者が精神的あるいは肉体的に障害をお持ちの場合に、その方の身の回りの世話をする介護者(通常は身内)に対してそのお世話のお礼として不動産権所有者が亡くなった場合に介護者に不動産が相続されるよう取り計らう為に利用されることがよくあります。

以前、あるアメリカ人の高齢者が自宅療養を続ける中で自分の世話を真摯に続けてくれた家政婦をPur Autre Vie(生涯不動産権譲渡)を使って不動産相続者に任命したことがありました。家族はいたものの全員がその方の介護を嫌がって家政婦に任せきりにしており、そんな家族よりも家政婦に信頼を寄せて不動産相続者に任命していたわけです。

その高齢者の死亡後に遺族は不動産相続権を主張して家政婦を相手取り訴訟を起こしました(ありがちな話ですね)。それでも家政婦は自分の意思ではなくあくまで身の回りのお世話をしていた不動産所有者の意思でPur Autre Vie(生涯不動産権譲渡)が施行されていましたので、裁判の結果は火を見るよりも明らかだったわけです。

日本でもこれからますます高齢化が進むにあたり家族介護の必要性は高まることと思いますが、家族以外の者に不動産相続が保証されるPur Autre Vie(生涯不動産権譲渡)の類の不動産権があれば案外使われるかもしれませんね。

Remainder and Reversion(残余権と復帰権)

完全不動産権の所有者はその不動産権をLife Estate(生涯不動産権)として施行する場合、将来の所有者についてはよくよく検討しておかなくてはなりません。

なぜなら、Life Estate(生涯不動産権)はあくまでその不動産権所有者の生存中もしくはLife Estate(生涯不動産権)により任命された相続者の生存中のみに有効となり、その後はfee simple estate(完全不動産所有権)に戻ってしまうからです。

このfee simple estate(完全不動産所有権)に戻った際の将来の相続者は次の二つのいずれかの方法で指名することができます。

Remainder interest(残余権)

一番最初に完全不動産権を所有する者がその不動産権をLife Estate(生涯不動産権)として手続きをする際、そのLife Estate(生涯不動産権)の権限が消滅してfee simple estate(完全不動産所有権)に戻る際の相続者をRemainderman(残余権者)として指名することが出来ます。

Reversionary interest(復帰権の権利)

その一方でLife Estate(生涯不動産権)の作成者はLife Estate(生涯不動産権)消滅時の相続者をRemainderman(残余権者)として指名しておく必要もありません。この場合、Life Estate(生涯不動産権)の消滅と共にその所有権は自動的に従来の所有者に戻されることになります。

まとめ

昨日お伝えしたFee simple estate(不動産完全所有権)で物件を購入した後、上記のように所有者の意思でLife Estate(生涯不動産権)にその不動産形態を変更することが出来ます。

このあたりは現所有者の意思に応じて通常は弁護士と相談の上で詳細と手続きが進められることになりますが、ご自分が興味をもつ不動産の形態がLife Estate(生涯不動産権)になっておりとりわけReversion(復帰権)がかけられていてその事実を相続当事者も把握していない場合等はトラブルにもなり得ますので、購入の際は対象物件の現所有者がFee simple estate(不動産完全所有権)をもっているかもきちんと確認しておきましょう。

本日はLife Estate(生涯不動産権)に属する

  • Conventional Life Estate(意思的生涯不動産権)
  • Legal Life Estate( 法的生涯不動産権)

の中でConventional Life Estate(意思的生涯不動産権)について深掘りしていきました。

明日はLife Estate(生涯不動産権)に含まれるもう一つの形態、Legal Life Estate( 法的生涯不動産権)についてお伝えさせて頂きます。

 


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