Tenancy in common(テナンシー イン コモン:共通占有権)

こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。

全米で共通に認識されるアメリカ不動産の権利についてシリーズでお伝えさせて頂いています。

アメリカ不動産の複数による所有形態には

Tenancy in common(テナンシー イン コモン:共有不動産権)
Joint tenancy(ジョイント テナンシー:合有不動産権)
Tenancy by the entirety(テナンシー バイ エンタイヤリー:連帯不動産権)
Community property(コミュニティ プロパティー:夫婦共有財産)

の4つがあります。

今日はこの中のTenancy in common(テナンシー イン コモン:共通占有権)についてです。

Tenancy in common(テナンシー イン コモン:共通占有権)

アメリカの不動産は二人もしくはそれ以上の人々による共通の占有権が認められており、これをTenancy in common(テナンシー イン コモン:共通占有権)と呼びます。

Tenancy in common(テナンシー イン コモン:共通占有権)の形態では占有権を持つもの全員が分割不可の権利を有しており、例えば三人で不動産を所有する場合はその三名全員が対象の不動産に対する権利を三分の一ずつ所有していることになります。権利自体は三分の一ではありますが、物理的に境界線を引いて「ここからここまでは私のもの。。」と定義されるわけではなく、三名が使用できる土地と建物は端から端までですが、あくまで目に見えないTitle(タイトル:権利)としては三名が三分の一ずつ所有している、というイメージです。

ただし三人同意の上でその物件に対する所有権を明確にしたい、という場合はそれも可能です。その場合は目に見えないTitle(タイトル:権利)を運ぶ役割をするDeed(ディード)の中に、三人の中でどの権利を誰が有しているかが明確に記載されている必要があります。この詳細の権利を謳う記述がDeed(ディード)にない場合は単純に三名が三分の一ずつ権利を所有しているとみなされるのです。

またこのTenancy in common(テナンシー イン コモン:共通占有権)の大きな特徴として、それぞれが有する権利は完全に独立しています。やや乱暴にいえばそれぞれがそれぞれの権利に対して干渉することが出来ないのです。

例えば三人の中の一人が自分の三分の一を誰かに売りたいのであれば売却も自由、親族に相続したいのであれば自由、その三分の一の権利を担保にお金を借りるのも自由です(審査に通るかどうかはまた別の話)。同じ土地と建物に対し権利をもっているわけですが、自分以外の権利所有者から許可をもらうことなく、売却や譲渡を自由に行うことが出来ることになります。

もっぱら、それぞれの所有権は独立はしていますがその独立した三分の一の権利を夫婦で共同に署名しているような場合、この時は他の所有者に許可をもらう必要はないといっても対象となる三分の一を所有する夫婦それぞれの署名がなくては、他者への売却や譲渡はできないことになります。

Tenancy in common(テナンシー イン コモン)の問題点と解決方法

Tenancy in common(テナンシー イン コモン)という所有形態はアメリカではかなり広く使われていますが、その一方で問題を生じることも事実です。

例えば法的には三名であればそれぞれが三分の一ずつ所有することになりますが、とりわけ家族ではなく他人どうしであれば実生活では問題が起きやすいものです。価値観や生活習慣が大きく違う血の繋がらない人々が同じ場所を使うとなると何らかの問題が生じてくるのは時間の問題というもの。

そこでよく使われる手法は

  • それぞれが単独で使う部屋もしくはスペース
  • 全員が共通に使える部屋もしくはスペース

これらを明確に定め、Deed((ディード)にきちっとその詳細を記入することです。これにより全員の共通認識を法的効力に落とし込み、個人の感情が入る余地を限りなくゼロにしてお互いが気持ちよく暮らせるようにできるわけです。

Tenancy in common(テナンシー イン コモン)の所有者が亡くなった場合

そしてTenancy in common(テナンシー イン コモン)という所有形態においてもう一つ知っておくべきは、所有者が亡くなった際にその所有権がどうなるのかということです。

前述のようにTenancy in common(テナンシー イン コモン)は分割不可の割合所有を行う一方で自分以外の権利の行き先には干渉できないというドライな側面があります。

例えば三名の中の一人が亡くなった場合、その権利を生き残っている二人が無条件に受取ってそれぞれが半分ずつの所有権を有することにはならないのです。あくまでドライな関係で干渉できませんから、この場合は亡くなった方の遺書に沿って親族に譲渡されるか、あるいは遺書がない場合は法律に沿った相続順序で遺族に譲渡されることになります。そして新しくその三分の一に入る相続者は同様にTenancy in common(テナンシー イン コモン)の形態で所有することになるのです。

(厳密には相続者がどの所有形態になるかは州によって違いがありますが、ここでは全米共通の一般認識でお伝えしました)

 



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